12 / 12
来世では…
しおりを挟む
新さんは俺を庇ってくれた。
よろけて倒れた新さんに、驚いた竜さんが思わず駆け寄る。
俺はさっき弾かれた刀を拾い、竜さんの背中に向かって言った。
「俺の新さんから離れろ…あと、どんなことがあっても、敵に背中を見せちゃいけないんだよな?あんたの負けだ」
俺は竜さんの体を斬った。
彼はそのまま倒れる。
俺は新さんに駆け寄った。
「新さん!どうして!?」
「わ…たるが…出て行くのがわかったから…あとを…つけた。全部きいていた…竜さんのこと…信じてたのにな…渉…お…ねがいがある…もし、元の世界に…もど…れたら、生まれ変わった、私を探して…くれるか?」
「うん。絶対に探し出す!」
「そうか…来世では幸せ…に……」
新さんは涙をこぼしながらそう言って亡くなった。
その時、雷が鳴って俺に落ちた。
気がつくと、俺は病院にいた。
どうやら雷に打たれて、5日ほど眠っていたらしい。
親が泣いている。弟も。
向こうの世界では1ヶ月以上も過ごしてたのに、こっちではたった5日だったのか。
しばらくして俺は退院した。
会社の人も心配してくれていたらしい。
驚くことに、タイムスリップしていた頃の記憶はある。
こういうのって消えちゃうと思ってたけど、しっかり覚えている。
いや、ただの夢だったのかも。
1年後。
「木野!営業担当交代の挨拶に行くから、お前も用意しろ」
「はい!」
先輩に連れられ訪問先の会社へ。
「あ、こられたぞ」
立ち上がった俺は雷に打たれたような衝撃を受けた。
「……」
「どうかされました?」
「あ、いえ…新しく担当になりました、木野渉です。よろしくお願い致します」
と名刺を渡すと、
向こうの担当の人が、
「うちも担当が変わりまして…坂田。挨拶して」
と先輩社員さんが隣の人に挨拶を促した。
「初めまして。坂田新一です。よろしくお願い致します」
やっと会えた。そう思った瞬間、彼が
「木野さん。どこかでお会いしませんでした?」
と聞いて来た。
新さんの記憶は無いみたいだ。
そりゃそうか。
「そんな使い古されたナンパのセリフみたいなのは、流石に恥ずかしいだろ」
と先輩に突っ込まれている。
俺はふっと笑って、
「多分前世で…」
と返した。
よろけて倒れた新さんに、驚いた竜さんが思わず駆け寄る。
俺はさっき弾かれた刀を拾い、竜さんの背中に向かって言った。
「俺の新さんから離れろ…あと、どんなことがあっても、敵に背中を見せちゃいけないんだよな?あんたの負けだ」
俺は竜さんの体を斬った。
彼はそのまま倒れる。
俺は新さんに駆け寄った。
「新さん!どうして!?」
「わ…たるが…出て行くのがわかったから…あとを…つけた。全部きいていた…竜さんのこと…信じてたのにな…渉…お…ねがいがある…もし、元の世界に…もど…れたら、生まれ変わった、私を探して…くれるか?」
「うん。絶対に探し出す!」
「そうか…来世では幸せ…に……」
新さんは涙をこぼしながらそう言って亡くなった。
その時、雷が鳴って俺に落ちた。
気がつくと、俺は病院にいた。
どうやら雷に打たれて、5日ほど眠っていたらしい。
親が泣いている。弟も。
向こうの世界では1ヶ月以上も過ごしてたのに、こっちではたった5日だったのか。
しばらくして俺は退院した。
会社の人も心配してくれていたらしい。
驚くことに、タイムスリップしていた頃の記憶はある。
こういうのって消えちゃうと思ってたけど、しっかり覚えている。
いや、ただの夢だったのかも。
1年後。
「木野!営業担当交代の挨拶に行くから、お前も用意しろ」
「はい!」
先輩に連れられ訪問先の会社へ。
「あ、こられたぞ」
立ち上がった俺は雷に打たれたような衝撃を受けた。
「……」
「どうかされました?」
「あ、いえ…新しく担当になりました、木野渉です。よろしくお願い致します」
と名刺を渡すと、
向こうの担当の人が、
「うちも担当が変わりまして…坂田。挨拶して」
と先輩社員さんが隣の人に挨拶を促した。
「初めまして。坂田新一です。よろしくお願い致します」
やっと会えた。そう思った瞬間、彼が
「木野さん。どこかでお会いしませんでした?」
と聞いて来た。
新さんの記憶は無いみたいだ。
そりゃそうか。
「そんな使い古されたナンパのセリフみたいなのは、流石に恥ずかしいだろ」
と先輩に突っ込まれている。
俺はふっと笑って、
「多分前世で…」
と返した。
0
お気に入りに追加
5
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
性的イジメ
ポコたん
BL
この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。
作品説明:いじめの性的部分を取り上げて現代風にアレンジして作成。
全二話 毎週日曜日正午にUPされます。
ひとりぼっちの180日
あこ
BL
付き合いだしたのは高校の時。
何かと不便な場所にあった、全寮制男子高校時代だ。
篠原茜は、その学園の想像を遥かに超えた風習に驚いたものの、順調な滑り出しで学園生活を始めた。
二年目からは学園生活を楽しみ始め、その矢先、田村ツトムから猛アピールを受け始める。
いつの間にか絆されて、二年次夏休みを前に二人は付き合い始めた。
▷ よくある?王道全寮制男子校を卒業したキャラクターばっかり。
▷ 綺麗系な受けは学園時代保健室の天使なんて言われてた。
▷ 攻めはスポーツマン。
▶︎ タグがネタバレ状態かもしれません。
▶︎ 作品や章タイトルの頭に『★』があるものは、個人サイトでリクエストしていただいたものです。こちらではリクエスト内容やお礼などの後書きを省略させていただいています。
おねしょ癖のせいで恋人のお泊まりを避け続けて不信感持たれて喧嘩しちゃう話
こじらせた処女
BL
網谷凛(あみやりん)には付き合って半年の恋人がいるにもかかわらず、一度もお泊まりをしたことがない。それは彼自身の悩み、おねしょをしてしまうことだった。
ある日の会社帰り、急な大雨で網谷の乗る電車が止まり、帰れなくなってしまう。どうしようかと悩んでいたところに、彼氏である市川由希(いちかわゆき)に鉢合わせる。泊まって行くことを強く勧められてしまい…?
寡黙な剣道部の幼馴染
Gemini
BL
【完結】恩師の訃報に八年ぶりに帰郷した智(さとし)は幼馴染の有馬(ありま)と再会する。相変わらず寡黙て静かな有馬が智の勤める大学の学生だと知り、だんだんとその距離は縮まっていき……
素直じゃない人
うりぼう
BL
平社員×会長の孫
社会人同士
年下攻め
ある日突然異動を命じられた昭仁。
異動先は社内でも特に厳しいと言われている会長の孫である千草の補佐。
厳しいだけならまだしも、千草には『男が好き』という噂があり、次の犠牲者の昭仁も好奇の目で見られるようになる。
しかし一緒に働いてみると噂とは違う千草に昭仁は戸惑うばかり。
そんなある日、うっかりあられもない姿を千草に見られてしまった事から二人の関係が始まり……
というMLものです。
えろは少なめ。
肌が白くて女の子みたいに綺麗な先輩。本当におしっこするのか気になり過ぎて…?
こじらせた処女
BL
槍本シュン(やりもとしゅん)の所属している部活、機器操作部は2つ上の先輩、白井瑞稀(しらいみずき)しか居ない。
自分より身長の高い大男のはずなのに、足の先まで綺麗な先輩。彼が近くに来ると、何故か落ち着かない槍本は、これが何なのか分からないでいた。
ある日の冬、大雪で帰れなくなった槍本は、一人暮らしをしている白井の家に泊まることになる。帰り道、おしっこしたいと呟く白井に、本当にトイレするのかと何故か疑問に思ってしまい…?
友人とその恋人の浮気現場に遭遇した話
蜂蜜
BL
主人公は浮気される受の『友人』です。
終始彼の視点で話が進みます。
浮気攻×健気受(ただし、何回浮気されても好きだから離れられないと言う種類の『健気』では ありません)→受の友人である主人公総受になります。
※誰とも関係はほぼ進展しません。
※pixivにて公開している物と同内容です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる