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始まり
今夜も月が綺麗〈最終回〉
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家に帰るとリオンが俺を部屋に呼んだ。
結局部屋は余ってるからってことで、俺も星矢も一部屋ずつ貸してもらった。
「何?」
「何で来てくれたの? 昨日聞こうと思って聞けてなかったから」
「だから好きになっちゃったから、リオンのこと」
「でも部長は?うまくいってそうだったのに」
「何でかな。一緒にいて楽しいんだけど、何かずっともやもやしててさ」
「うん」
「空港でハグしながらリオンがなんか言ってただろ?」
「うん」
「俺何言われてるか聴き取れなくて、一緒に選んだ指輪返されて、向こうでは必要ないって言われたから、あぁ俺のことをもう嫌いになったのかなって思った」
「そうじゃない! あれは……」
「うん。知ってる。星矢が録画しておいてくれただろ? リオンは絶対最後に俺に気持ち伝えるなら、タイ語だって星矢はわかってた。あの動画でリオンが言ってたこと翻訳してわかったんだ。まだ俺を想ってくれてるって」
「そっか」
「俺は本当は少し前からリオンへの気持ちに気付いてたんだと思う。だけどわからないフリをしてた。なんでかはわからないけど……」
「怖かったんじゃない? 俺たちは育って来た環境も何もかも違いすぎるから」
「そうかもしれない。ともねぇと話してて、神様が心を隠したのは、簡単に相手に伝わってしまうと、大事にしなくなるからだって言われたんだ」
「そうかも」
「ちゃんとあなたを想っていますって伝えることが大事で、そのために心を隠して人を作ったって話してて、じゃあ俺はどうなんだろう?って。部長に目を見て好きだって言えるかなって考えたら答えが出た」
「どんな?」
「俺が今想いを伝えたいのは、リオンだなって」
「そっか……」
「遅くなっちゃったけど、俺、リオンが好きだよ」
「俺も。すごく好き」
俺は恥ずかしくなって、窓際に移動した。
後からついて来たリオンが夜空を見上げて言った。
「今夜も月が綺麗だな」
「……あなたと見るから綺麗なんですよ」
俺がそう言ってリオンを見ると、びっくりした後、嬉しそうな笑みを浮かべて上を向いて言った。
「嬉しすぎて、俺、泣くかも……」
「どれどれ?」
と覗き込んだ俺の頬をそっと支えて、リオンは優しくキスをした。
結局部屋は余ってるからってことで、俺も星矢も一部屋ずつ貸してもらった。
「何?」
「何で来てくれたの? 昨日聞こうと思って聞けてなかったから」
「だから好きになっちゃったから、リオンのこと」
「でも部長は?うまくいってそうだったのに」
「何でかな。一緒にいて楽しいんだけど、何かずっともやもやしててさ」
「うん」
「空港でハグしながらリオンがなんか言ってただろ?」
「うん」
「俺何言われてるか聴き取れなくて、一緒に選んだ指輪返されて、向こうでは必要ないって言われたから、あぁ俺のことをもう嫌いになったのかなって思った」
「そうじゃない! あれは……」
「うん。知ってる。星矢が録画しておいてくれただろ? リオンは絶対最後に俺に気持ち伝えるなら、タイ語だって星矢はわかってた。あの動画でリオンが言ってたこと翻訳してわかったんだ。まだ俺を想ってくれてるって」
「そっか」
「俺は本当は少し前からリオンへの気持ちに気付いてたんだと思う。だけどわからないフリをしてた。なんでかはわからないけど……」
「怖かったんじゃない? 俺たちは育って来た環境も何もかも違いすぎるから」
「そうかもしれない。ともねぇと話してて、神様が心を隠したのは、簡単に相手に伝わってしまうと、大事にしなくなるからだって言われたんだ」
「そうかも」
「ちゃんとあなたを想っていますって伝えることが大事で、そのために心を隠して人を作ったって話してて、じゃあ俺はどうなんだろう?って。部長に目を見て好きだって言えるかなって考えたら答えが出た」
「どんな?」
「俺が今想いを伝えたいのは、リオンだなって」
「そっか……」
「遅くなっちゃったけど、俺、リオンが好きだよ」
「俺も。すごく好き」
俺は恥ずかしくなって、窓際に移動した。
後からついて来たリオンが夜空を見上げて言った。
「今夜も月が綺麗だな」
「……あなたと見るから綺麗なんですよ」
俺がそう言ってリオンを見ると、びっくりした後、嬉しそうな笑みを浮かべて上を向いて言った。
「嬉しすぎて、俺、泣くかも……」
「どれどれ?」
と覗き込んだ俺の頬をそっと支えて、リオンは優しくキスをした。
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