「ファンにバレず小柄な聖女に性を経験させた、魅了の魔眼使いのあなた」を含む短編集

三毛狐

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サンタさんから貰った初めてのプレゼント

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 今夜はクリスマスイブ。

 孤児であるあなたは養子として貰われた家で暮らしている。
 ただ両親は世界を救うのに忙しく、いつも飛び回っているので、実質ひとり暮らしのようなものだった。

 そんな両親が誇らしい。

 少しだけ寂しかったけれど。

 だからか、あなたはサンタに憧れた。
 子供たちに希望を与える存在に。

 1年いい子にしたらご褒美をくれるという概念に。

 あなたはサンタに憧れている。
 心の支えにしている。

 だから今年もあらゆる不平不満を飲み込み、物事を前向きに解釈し、人々の為に頑張れた。

 サンタはあなたのメンタルに良い影響を与えている。
 みんなの笑顔を好きな気持ちが日に日に大きくなっている。

 今年のあなたは思った。
 ちょっとした妄想だった。

 そんな優しいサンタさんが実は可愛い女の子だったら、もっと嬉しいという妄想。

 確かにサンタは好きだったが会ったことはなく、毎年紙にこっそり書いたプレゼントをクリスマス当日に貰えたこともない。
 だからこそ、そんな現実的ではないお願いを今年は書いてしまえた。

『サンタの女の子をください』と。

 シンシンと雪は降り積もる。
 
 ………
 ……
 …

 サンタは困惑した。

 善行の積み重ねにより得られるポイントでプレゼントを与える相手は抽選となっている。
 この子は誰よりも抽選の回数は多かったがいつも当たることはなかった。

 サンタはそれを知っていた。

 それでもいつかという気持ちで暖かく見守っていたのだが。

「サンタの女の子……」

 見下ろすとそこにはすやすやとあなたがベッドで眠りについている。
 今年はついに抽選に当たり、あなたはサンタのプレゼントを貰えるのだ。

 サンタはおっさんだった。

 しかし仕方が無い。
 サンタは大きな袋に手を差し入れる。
 この袋はサンタという概念に付随するアイテムで、対象の徳とのバランスから願いを何割まで叶えるのか自動判定してくれる。
 普通に考えたら、女の子が欲しいという願いがあっても、せいぜいフィギュアを取り出せるぐらいである。

 あなたのこれまでの善行を思うと100%の願いを叶えたかったが、よりにもよって実現の難しい願いを書かれてしまいサンタは苦笑した。

 苦笑しながら袋の中で凝固した願いを掴む。

(ん?)



 サンタはその手触りに表情を改める。
 柔らかく暖かい、そして細い、これは人間の腕?
 引っ張り出す。

 それはサンタの衣装を着た小さな女の子だった。

 呼吸がある。
 脈がある。
 生きている。

 赤い帽子に、赤い服、あどけない寝顔から目がひらかれる。

 袋から引っ張り出された女の子は、ふわりと足から着地した。
 身軽のようだ。

「……君はサンタなのかな?」

 サンタが小声で訊いた。

「はい。いま生まれたサンタです」

 女の子はベッドで眠るあなたへ視線を向ける。

「この子の為に生まれました」

 そしてポッと顔を真っ赤にし、口元がいやらしく歪む。

「今日からわたしはこの子のものですぅ♪」

 サンタは目の前の小さな女の子の全身を見る。
 サンタらしい服装に、ちゃんと袋も持っている。

 サンタとしての機能は備えているようだ。

 その上で世界の物ではなく、あくまで、個人の物だという。

「そうか」

 サンタは再びあなたに視線を向ける。
 あなたなら間違わないだろう、とサンタですら思った。
 きっとこれは過剰な願いではないのだ。

「幸せに暮らしなさい」
「はい♪」

 老サンタに頭を撫でられ少女は笑顔を返す。
 お互いに父と娘の関係に近いと心で理解していた。
 そして老サンタは光となって消える。
 女の子だけがあなたの部屋に残った。

「よぉし、まずどうしよっかな」

 少女はあなたを見下ろし舌なめずりするのだった。

 ………
 ……
 …

 あなたが目を覚ますと違和感があった。
 布団が肌に直で当たっている。
 上も下も何も着ていない。

 寝ぼけながら何でだろうと思っていると、すぐ隣の気配にも気が付いた。

「あ、起きた?」

 可愛らしい女の子の顔があった。
 あなたよりもだいぶ年下だろう。


 肩と胸元がみえている。

 この子も裸だった。

「えへへ~」

 裸のあなたに裸の少女が抱きついてくる。
 思わず抱き返した。

 勘違いではない。

 見えていなくても、お互いに間違いなく裸だった。
 布団の中で密着している下半身がそう語っている。

「わたしはあなたのサンタだよ♪」

 そう言うと、少女が顔を近づけてきた。

「願い通り、わたしはあなただけのもの……」

 唇が重なる。
 女の子と裸で抱き合っている現実を脳が理解し始める。

 下半身が硬くなってきた。

「……うふふ」

 唇を離し少女が悪戯っぽく笑う。

「ずっと欲しかったサンタさんからのプレゼント、ようやく貰えて嬉しい?」

 ぐいっと胸を押し付けられた。
 やわらかな男女差があなたの体で潰れている。

 あなたの下半身で硬くなったモノも反り返ったまま、自身のお腹と少女の下腹部で挟まれている。
 柔らかな肉の暖かさに包まれ、あなたは何をしても受け入れられるのだと実感した。

 少女を抱きとめたあなたの腕が下がり、小さなお尻の輪郭を確かめるように優しく触っていく。

「んふふ……」

 小さく笑うと少女はしがみ付き直し、ほっぺたをあなたの胸元に押し付けて熱い吐息をこぼした。

「嬉しそう……わたしも嬉しい……」

 あなたと少女の体温が混ざり合う。
 もぞもぞと布団の中で蠢く。

 上下が入れ替わる。

 あなたとシーツの間に裸のオンナノコがいる。

 ――自称、サンタの

 サンタ?
 あなたは一瞬、混乱した。

 少女の両腕両足が絡まってきて密着が強まる。

 脳内がピンク色に染まり、なんだかよくわからなくなった。
 
 判るのは、あなたが求める以上に少女から求められている。
 性欲だけではなく、求められたら応えたくなる性分もあったろう。

 あなたも強く抱き返す。
 本能的にお互いの身体を知ろうとするように、全身を擦り合わせあった。

 押し付けていた腰の先端が引っ掛かり、そのまま飲み込まれる。


 進むたび形を確かめるように吸い付かれる感覚があった。
 全身がジンジンと甘く痺れる。

 根っこまで咥えられると下腹部同士が密着した。
 あなたの男性器が、腕の中の小さな女の子の女性器に収まっている。

 完全に繋がっていた。

 脳がますます痺れて甘くとろける。

 ベッドがギシギシと軋む。
 身体が止まらなくなっていることに意識が追従して気が付く。

 今更とまれないながら。
 この娘は誰なんだろうと思いながらも。

 断片的にはいってきた情報がこれでいいと今を肯定する。

 絞られた。
 あなたも真っ白になる。

 全身が痙攣し、避妊の二文字を思い浮かべることなく、初対面の少女の膣内にどくんどくんとあなたの子種が注がれる。

 絞られた。
 根っこから先端へ脈打つように、一滴まで残さず飲もうとするように。

 少女はあなたに犯されビクンビクンと全身で達している。

 強く抱き締めあう。

 寝起きだったのに、いつしかあなたの意識は消えていた。

 意識が消える前に聞こえてきたおだやかな寝息がやけに記憶に残り――

 ちゃんとあなたに抱いて貰えるか、内心ずっと朝まで緊張していた少女と共に深い眠りへと落ちていくのだった。
 
 ………
 ……
 …

「わあ、ありがとー」

 あなたに貰った風船をみあげ、少女が友達と笑顔を交わす。
 隣には、いつかのクリスマスの朝からあなたのモノになった女の子。

 正装はサンタ服らしいが、いつもそれだと目立つので似合う普段着にして貰っている。

「喜んで貰えてよかったね」

 あなたに向けられる笑顔は無邪気だった。
 あなたも自然に笑顔を返せる。

 少女はリュックを背負っていた。

 これも本当はサンタの袋で、ある程度は見た目を変えられるらしい。
 自分の欲しいものは取り出せないが、あなたが望んだ物ならなんでも取り出せるのだという。

 今日のあなたは、転んだ拍子に持っていた風船を手放してしまい泣いていた少女に、手放したばかりの風船をプレゼントした。

 あなたは笑顔で去っていった少女の背を眺めながら、隣の女の子サンタのリュックの不思議を思う。

 だいぶ空高く上っていた風船が、このリュックの中から出てきたのだ。
 もちろんリュックの中に入れた手で捕まえたときから空も気にかけていたので、引き出すと同時に空から風船が消えたのも目撃している。。

 ふしぎなこともあるもんだ。

 しみじもとそう思う。

 あなたは働いてお金を稼ぎ、運動して体力を維持し、空いた時間でいつも人助けをしている。

 サンタの袋はあくまでこの腕の延長線。

 日々の努力なく願いを叶える使い方はしなかった。

「そろそろ帰ろっか」

 小さなサンタさんと手を繋いで家路につく。

 そのシルエットは歳の離れた兄と妹のようでもあったが、肉体関係のある男女だった。

 最初は驚いたけれども、あなたはすんなりとサンタの女の子を受け入れている。

 目を見たら信じられた。

 そんなあなたをサンタの女の子も信じている。

 生涯の相棒として、あなた達はずっと並んで歩くのだった。
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