リピートライフ

花畑 空間

文字の大きさ
上 下
84 / 113
最終章

#83ハッキリ

しおりを挟む
「まず1つ~!君のお名前は~?」
「…稗田…利人…」
「正解!よく知ってるね!」
そりゃ自分の名前だからね、なんてツッコミは声に出なかった。
「2つ目~!あなたの年齢は~?」
年齢………
「わかんない…」
「おっと~、これは黒ポイントだね~!」
「黒ポイント…?」
「あ!説明忘れてた~!質問の答えに応じて白ポイントか黒ポイントが貰えるよ~!」
ていうことは今のところどっちも1つずつだ…
「白ポイントが多ければこの部屋から出れるけど~!黒が多かったらもちろん落ちます~!」
落ちるのか…最後の最後に…
「では3つ目~!あなたのここでのお友達の名前は~?もしくはお友達っている~?」
「砕秀信ひでのぶ…」
「了解~!白ポイントね~!」
よしよし…
「では4つ目~!君のここでの思い出は~?」
「思い出…最初の積み木から、最後ま…」
「おお~!最初をちゃんと覚えてるなんて白ポイントだね~!」
遮られた…
「では5つ目~!あなたはここではいる~?」
「失った人…京君に…櫻さんに…」
「いるんだね~!黒ポイント~!」
黒になるのか…
「終了~!あなたのポイントは~!黒が2~!白が3で~!白に決定~!先に進んでね~!」
「…じゃあな…」
思ったより質問が少なかった…

ドアを出た、そこにはウコイックがいた。
そして人が残っていた。
でも全員がいる訳じゃなさそうだ。
日向ちゃんに九野さん、響子さんはいた。
「稗田、君は残れ」
ウコイックが背中越しに言ってきた。
今までで1番冷たい言い方だ。
待つこと数分、ジョーさんが出てきた。
「北條、君は残れ」
「ん?なんだ?」
「残れ」
「おお…」
また少しして砕も出てきた。
「砕、君は残れ」
「おぉ?なんだぁ?」
「残れ」
「おぉ」
やっぱり似てる、この2人。

「さあ、ここに残った君たちには話がある」
ウコイックは真剣な表情を浮かべている。
背は僕たちと同じくらいだ、あの時は小さかったのに、気づけばもう同じ。
「君たちは何故ここに残されたと思う」
残された訳…
「それは、さっきの5つ目の質問にと答えたやつらだ」
5つ目…ああ、失った人はいるかって質問だ。
「まずこの施設のことについて詳しく話がしたいんだ」
ウコイックは今までのように陽気な喋り方ではない。
「まず1つ、落とされた人は
生きてる……!?
「おいぃ!そりゃ本当かぁ!!」
砕は声を荒らげた。
「まあ落ち着いて、2つ、準備が出来次第、次の参加者が来る、そこにはここまでに落ちた人も参加するんだ」
「それは…お姉ちゃんも…?」
「ああ、君のお姉さん、櫻もだ」
「うそ…」
きっと日向ちゃんは複雑な感情だろう。
「それを君たちに説明したのには訳がある、君たちはもう一度戻ることが出来る、な、それも記憶が結構残っている状態でだ」
最初に…戻る…
の記憶が残ることは保証できない、だが、君たちがここで失った人ともう一度出会える、そしてここから一緒に出れるかもしれない」
「じゃあ、京とここから出ることが…?」
「そういうことだ、まあ君たちが戻らなくてもいつか出れるかもしれない、それはその人たち次第、ただ君たちが戻ることで出やすくなることがある、それは保証しよう」
「もし、その時に俺たちが落ちたら?」
「記憶はまた全部無くなる、1度きりのチャンスって言った方が分かりやすいか」
1度きりのチャンス…
「そういえば、これは安全ではない、だから記憶が途中で壊れたり一気に無くなったりする、お芝居の時におかしくなったやつがいた、稗田なら分かるだろう、ああいった感じになるんだ、そういうのは1度やり直してもらうしかない」
そうか…だから落とされたのか…
「これは参加は自由だ、もう出たいなら出ていいし、戻る気があるなら残れ、相談してもいいぞ、俺に聞くのもよしだ」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

タイムリープ〜悪女の烙印を押された私はもう二度と失敗しない

結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
<もうあなた方の事は信じません>―私が二度目の人生を生きている事は誰にも内緒― 私の名前はアイリス・イリヤ。王太子の婚約者だった。2年越しにようやく迎えた婚約式の発表の日、何故か<私>は大観衆の中にいた。そして婚約者である王太子の側に立っていたのは彼に付きまとっていたクラスメイト。この国の国王陛下は告げた。 「アイリス・イリヤとの婚約を解消し、ここにいるタバサ・オルフェンを王太子の婚約者とする!」 その場で身に覚えの無い罪で悪女として捕らえられた私は島流しに遭い、寂しい晩年を迎えた・・・はずが、守護神の力で何故か婚約式発表の2年前に逆戻り。タイムリープの力ともう一つの力を手に入れた二度目の人生。目の前には私を騙した人達がいる。もう騙されない。同じ失敗は繰り返さないと私は心に誓った。 ※カクヨム・小説家になろうにも掲載しています

怪異の忘れ物

木全伸治
ホラー
千近くあったショートショートを下記の理由により、ツギクル、ノベルアップ+、カクヨムなどに分散させました。 現在、残った作品で第8回ホラー・ミステリー小説大賞に参加し、それに合わせて、誤字脱字の修正を行っています。結果発表が出るまでは、最後まで推敲を続ける予定。 さて、Webコンテンツより出版申請いただいた 「怪異の忘れ物」につきまして、 審議にお時間をいただいてしまい、申し訳ありませんでした。 ご返信が遅くなりましたことをお詫びいたします。 さて、御著につきまして編集部にて出版化を検討してまいりましたが、 出版化は難しいという結論に至りました。 私どもはこのような結論となりましたが、 当然、出版社により見解は異なります。 是非、他の出版社などに挑戦され、 「怪異の忘れ物」の出版化を 実現されることをお祈りしております。 以上ご連絡申し上げます。 アルファポリス編集部 というお返事をいただいたので、本作品は、一気に削除はしませんが、順次、別の投稿サイトに移行することとします。 まだ、お読みのないお話がある方は、取り急ぎ読んでいただけると助かります。 www.youtube.com/@sinzikimata 私、俺、どこかの誰かが体験する怪奇なお話。バットエンド多め。少し不思議な物語もあり。ショートショート集。 ※タイトルに【音読済】とついている作品は音声読み上げソフトで読み上げてX(旧ツイッター)やYouTubeに順次上げています。 百物語、九回分。【2024/09/08順次削除中】 「小説家になろう」やエブリスタなどに投稿していた作品をまとめて、九百以上に及ぶ怪異の世界へ。不定期更新中。まだまだ増えるぞ。予告なく削除、修正があるかもしれませんのでご了承ください。 いつか、茶風林さんが、主催されていた「大人が楽しむ朗読会」の怪し会みたいに、自分の作品を声優さんに朗読してもらうのが夢。

椿散る時

和之
歴史・時代
長州の女と新撰組隊士の恋に沖田の剣が決着をつける。

百怪

アンミン
ホラー
【PV数100万突破】 第9回ネット小説大賞、一次選考通過、 第11回ネット小説大賞、一次選考通過、 マンガBANG×エイベックス・ピクチャーズ 第一回WEB小説大賞一次選考通過作品です。 百物語系のお話。 怖くない話の短編がメインです。

希望が丘駅前商店街~透明人間の憂鬱~

白い黒猫
ライト文芸
ここは東京郊外松平市にある希望が丘駅前商店街、通称【ゆうYOU ミラーじゅ希望ヶ丘】。 国会議員の重光幸太郎先生の膝元であるこの土地にある商店街は、パワフルで個性的な人が多く明るく元気な街。就職浪人になりJazzBarを経営する伯父の元で就職活動をしながら働く事になった東明(とうめい)透(ゆき)は、商店街のある仕事を担当する事になり……。 ※ 鏡野ゆうさんの『政治家の嫁は秘書様』に出てくる商店街が物語を飛び出し、仲良し作家さんの活動スポットとなってしまいました。その為に同じ商店街に住む他の作家さんのキャラクターが数多く物語の中で登場して活躍しています。鏡野ゆうさん及び、登場する作家さんの許可を得て創作させて頂いております。  コラボ作品はコチラとなっています。 【政治家の嫁は秘書様】  https://www.alphapolis.co.jp/novel/210140744/354151981 【希望が丘駅前商店街 in 『居酒屋とうてつ』とその周辺の人々 】  https://www.alphapolis.co.jp/novel/274274583/188152339 【日々是好日、希望が丘駅前商店街-神神飯店エソ、オソオセヨ(にいらっしゃいませ)】  https://www.alphapolis.co.jp/novel/177101198/505152232 【希望が丘駅前商店街~看板娘は招き猫?喫茶トムトム元気に開店中~】  https://ncode.syosetu.com/n7423cb/ 【希望が丘駅前商店街 ―姉さん。篠宮酒店は、今日も平常運転です。―】  https://www.alphapolis.co.jp/novel/172101828/491152376  【Blue Mallowへようこそ~希望が丘駅前商店街】  https://www.alphapolis.co.jp/novel/265100205/427152271 【希望が丘駅前商店街~透明人間の憂鬱~】  https://www.alphapolis.co.jp/novel/265100205/427152271 【希望が丘駅前商店街~黒猫のスキャット~】  https://www.alphapolis.co.jp/novel/265100205/813152283

餅を崇拝する宗教の話

輪島ライ
ホラー
餅を崇拝する新興宗教「臼臼教」は、運営する老人福祉施設で老人たちを無償で受け入れていた。その秘密を探るため、雑誌記者は施設を取材に訪れる。 ※この作品は「小説家になろう」「アルファポリス」「カクヨム」「エブリスタ」に投稿しています。

王太子殿下の小夜曲

緑谷めい
恋愛
 私は侯爵家令嬢フローラ・クライン。私が初めてバルド王太子殿下とお会いしたのは、殿下も私も共に10歳だった春のこと。私は知らないうちに王太子殿下の婚約者候補になっていた。けれど婚約者候補は私を含めて4人。その中には私の憧れの公爵家令嬢マーガレット様もいらっしゃった。これはもう出来レースだわ。王太子殿下の婚約者は完璧令嬢マーガレット様で決まりでしょ! 自分はただの数合わせだと確信した私は、とてもお気楽にバルド王太子殿下との顔合わせに招かれた王宮へ向かったのだが、そこで待ち受けていたのは……!? フローラの明日はどっちだ!?

呪縛 ~呪われた過去、消せない想い~

ひろ
ホラー
 二年前、何者かに妹を殺された―――そんな凄惨な出来事以外、主人公の時坂優は幼馴染の小日向みらいとごく普通の高校生活を送っていた。しかしそんなある日、唐突に起こったクラスメイトの不審死と一家全焼の大規模火災。興味本位で火事の現場に立ち寄った彼は、そこでどこか神秘的な存在感を放つ少女、神崎さよと名乗る人物に出逢う。彼女は自身の身に宿る〝霊力〟を操り不思議な力を使うことができた。そんな現実離れした彼女によると、件の火事は呪いの力による放火だということ。何かに導かれるようにして、彼は彼女と共に事件を調べ始めることになる。  そして事件から一週間―――またもや発生した生徒の不審死と謎の大火災。疑いの目は彼の幼馴染へと向けられることになった。  呪いとは何か。犯人の目的とは何なのか。事件の真相を追い求めるにつれて明らかになっていく驚愕の真実とは―――

処理中です...