リピートライフ

花畑 空間

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第6章

#76回転

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「ねえ!京君!」
僕は京君の方へ走っていった。
「おお、急に壁が回りだしてびっくりしたねー」
「いや、あの、なんでさっきのパネル無視してたの?」
「ああ、それね、もう僕ポイントいっぱいだから他の人に譲ろうって思ったんだ」
なるほど、優しさで無視してたのか。
「よかったよ、気づいてなかったらもったいなかったから、ポイントは今いくつなの?」
「えーっとね、ちょっと待ってね」
京君はスマホを取り出した。
そしてその瞬間、また壁が回り出した。
「うわっ」
京君は足元がふらつき倒れてしまった。
「京君大丈夫?」
「だ、大丈夫…」
「おぉ!2人ともぉ!」
京君に手を差し伸べていた時、背後から声が聞こえた。
「よかった、砕、大丈夫だった?」
「全然だぜぇ、よく分かんねぇからとりあえず同じとこで待ってたら開いたぞぉ」
「じゃあ京君…あれ?京君がいない」
「ほんとだなぁ、さっきまでいたのによぉ」
すると床の方から
「おーい、2人ともー!」
微かに声が聞こえた。
「ん、京の声がするなぁ、どこだぁ?」
「なんか僕の下に穴ができて落ちちゃったー!」
「落ちたって、無事なの!?」
「あれとはまた違ってただの真っ暗なんだけど、1つ画面があって、そこにって書いてあるんだ」
「なんだとぉ?じゃあずっとそこなのかぁ」
「とりあえず2人は別のとこに行ってパネル探して!」
「じ、じゃあ行くよ、砕」
「え、おぉ」
僕達は京君を後にしてまた進んだ。

「なんで京君の下に穴が…」
「どっかの誰かが仕掛けのボタン押したんだろうなぁ」
「誰か一人を落とすとか?」
「だと思うぜぇ」
「ねえ砕、あと終了まで何分?」
「あと30分だなぁ、意外とあるぜぇ」
キーンコーンカーンコーン
「放送で~っす、現時点でパネルがあと5つになっちゃったから~っ、そのパネルが見つけ終わっても終了にするわ~っ」
ていうことなら、もうすぐ終わるのか?
「でも~っ、終了になるってことはそれぐらい難しいってことだから~っ、頑張ってねぇ~っ」
「だとよぉ、京も暇してるだろうし、ちゃっちゃと探しちまうかぁ」
「そうだね」
でもほとんどの場所は探したはず…
途中に使用済みのパネルはいくつかあったけど、まだ使われてないやつはロッククライミングの場所だけだった。
「まだ行ってない場所って分かる?」
「分かるわけないだろぉ、今がどこら辺なのか分からねぇんだからよぉ」
「いや、この壁見て、さっきの壁と色が違う」
「たしかにそうだなぁ」
「だからこれは多分端っこなんだよ」
「ほぉ」
「まあ、だからといって何も無いんだけど」
「まぁ、端っこってことだけは分かるなぁ」
「あれ、たしか僕達が最初に入った時に3つぐらい通路があったよね」
「そうだったなぁ」
「じゃあ他の2つの通路がもし違う道なら、1回戻ってみるのもありかも」
「じゃあさっき来た道戻るかぁ」
「さっきの2回目の回転で元に戻ったなら、なんとなくは戻れるかもしれない」
「まあ難しいけど頑張るかぁ」
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