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第6章
#75迷路
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「それじゃあいくわよ~っ!よ~い…ドン~っ!」
ダイダイックの合図と共に鉄の扉が開いた。
「うわぁ、一気に扉に入ろうとするから詰まってるなぁ」
「早い者勝ちだからね」
「よし、俺たちも行こうぜぇ」
「そうだね、京君は?」
「僕は1人で行くよ、ジョーさんとはここでちょっとだけお別れー」
「ん?どうしてだ?京」
「別々で探した方がいいかなって、罠に2人でハマるのも怖いしさ」
「それもそうだな、また会おう」
「それにしてもどこがどこだか、壁も同じ色でずっと景色が変わらないなぁ」
「でもこっちはまだ通ってないよ」
「お、そうかぁ、あれ、これじゃないかぁ?」
砕が天井を指さした、そこにはパネルがあった。
「あ、本当だ、でもなんか遠いね」
「ここにちっちゃい足場があるなぁ、ロッククライミング的なやつかぁ?」
指が引っかかる足場が壁のところどころにあった。
「俺は指太いしなぁ、稗田っちいけるかぁ?」
「頑張ってみるね」
僕はゆっくりと上に上がっていく。
命綱が無いから落ちたら死にはしないだろうが、大分痛いだろう。
「お、いけそうだなぁ」
「と、届け…」
プルプル震える手でスマホをパネルに近づける。
ゴゴゴゴ…
突然迷路が揺れだした。
「うわっ!」
僕は危うく落下しかけたけど、砕が支えてくれた。
「なんだぁ?これが危険なことってやつかぁ?」
「危なかった…」
「あれ、このままタッチできるんじゃないかぁ?」
ちょうど肩車の形になっていた。
「ジャンプするぞぉ、いっせーのっ」
砕がジャンプすると、楽々とタッチできた。
「簡単に届いたよ」
「よかったぜぇ」
僕達はさっきのパネルがあった場所から、また出発していた。
「ところでよぉ、今ポイントいくつなんだぁ?稗田っちぃ」
「えーっと、ちょっと待ってね」
僕はスマホを取り出し、ポイントを確認した。
「12ポイントだった」
「凄いなぁ、俺は8ポイントだぁ」
「それでも高いと思うよ、っていうか砕がポイント取った方がいいね」
「まあそうだなぁ、ジョーと京はポイントいくつなんだろうなぁ」
「きっと同じくらいだよ、他の人がどのくらいクリアできてるのか分からないけど」
「お、またあったなぁ」
またパネルがあった、でもちょっと見た目が違う。
「ちょっと触らないで、危ないかも」
「え、どうしてだぁ?」
「これ仕掛けかもしれない」
「たしかにさっきのとは色が違うけどよぉ」
「一応砕は離れてて、僕が押してみる」
「おうぅ」
砕は僕から少し離れ、静かに見守っていた。
「押すよ」
「いいぜぇ」
ポチッ
ガガガガ…
「揺れてる!」
「うおおおぉ!壁がぁ!」
突然それぞれの壁が回転し始めた。
そしてスマホが震え、確認すると「迷路の通路が変わりました」と表示された。
僕が押したボタンは壁ごと動いて道が変わる仕掛けだったようだ。
ふと見上げるとそこには砕がいなかった。
「もう1回やれば…」
そう思ったがパネルはもう反応しなかった。
「このままいくか…」
新たに出来た道を見ると、そこには京君がいた。
「あれ…?」
京君の前にはパネルがあった、だが京君はそれを無視して去っていったのだ。
ダイダイックの合図と共に鉄の扉が開いた。
「うわぁ、一気に扉に入ろうとするから詰まってるなぁ」
「早い者勝ちだからね」
「よし、俺たちも行こうぜぇ」
「そうだね、京君は?」
「僕は1人で行くよ、ジョーさんとはここでちょっとだけお別れー」
「ん?どうしてだ?京」
「別々で探した方がいいかなって、罠に2人でハマるのも怖いしさ」
「それもそうだな、また会おう」
「それにしてもどこがどこだか、壁も同じ色でずっと景色が変わらないなぁ」
「でもこっちはまだ通ってないよ」
「お、そうかぁ、あれ、これじゃないかぁ?」
砕が天井を指さした、そこにはパネルがあった。
「あ、本当だ、でもなんか遠いね」
「ここにちっちゃい足場があるなぁ、ロッククライミング的なやつかぁ?」
指が引っかかる足場が壁のところどころにあった。
「俺は指太いしなぁ、稗田っちいけるかぁ?」
「頑張ってみるね」
僕はゆっくりと上に上がっていく。
命綱が無いから落ちたら死にはしないだろうが、大分痛いだろう。
「お、いけそうだなぁ」
「と、届け…」
プルプル震える手でスマホをパネルに近づける。
ゴゴゴゴ…
突然迷路が揺れだした。
「うわっ!」
僕は危うく落下しかけたけど、砕が支えてくれた。
「なんだぁ?これが危険なことってやつかぁ?」
「危なかった…」
「あれ、このままタッチできるんじゃないかぁ?」
ちょうど肩車の形になっていた。
「ジャンプするぞぉ、いっせーのっ」
砕がジャンプすると、楽々とタッチできた。
「簡単に届いたよ」
「よかったぜぇ」
僕達はさっきのパネルがあった場所から、また出発していた。
「ところでよぉ、今ポイントいくつなんだぁ?稗田っちぃ」
「えーっと、ちょっと待ってね」
僕はスマホを取り出し、ポイントを確認した。
「12ポイントだった」
「凄いなぁ、俺は8ポイントだぁ」
「それでも高いと思うよ、っていうか砕がポイント取った方がいいね」
「まあそうだなぁ、ジョーと京はポイントいくつなんだろうなぁ」
「きっと同じくらいだよ、他の人がどのくらいクリアできてるのか分からないけど」
「お、またあったなぁ」
またパネルがあった、でもちょっと見た目が違う。
「ちょっと触らないで、危ないかも」
「え、どうしてだぁ?」
「これ仕掛けかもしれない」
「たしかにさっきのとは色が違うけどよぉ」
「一応砕は離れてて、僕が押してみる」
「おうぅ」
砕は僕から少し離れ、静かに見守っていた。
「押すよ」
「いいぜぇ」
ポチッ
ガガガガ…
「揺れてる!」
「うおおおぉ!壁がぁ!」
突然それぞれの壁が回転し始めた。
そしてスマホが震え、確認すると「迷路の通路が変わりました」と表示された。
僕が押したボタンは壁ごと動いて道が変わる仕掛けだったようだ。
ふと見上げるとそこには砕がいなかった。
「もう1回やれば…」
そう思ったがパネルはもう反応しなかった。
「このままいくか…」
新たに出来た道を見ると、そこには京君がいた。
「あれ…?」
京君の前にはパネルがあった、だが京君はそれを無視して去っていったのだ。
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