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第6章
#64就寝
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どうしよう、目が合ってしまった。
急いで身を隠したけど…バレたか?でも外は暗いし…頼む…
「おい大丈夫かぁ?」
「目が合っちゃった、バレてないといいんだけど」
「本当かぁ?すまねぇ、俺が見ようなんて言ったから、それにポイントが先に減っちまったのも俺のせいだしよぉ」
砕は弱々しい声で僕に謝罪してきた。
「大丈夫大丈夫、砕に救われてきたからここまで残れたんだ、きっと今もバレてないし頑張ろう」
「本当にごめんなぁ」
「全然大丈夫だって、もう寝よう」
僕は電話を切ってベッドに入った。
この遊園地に来るまでずっと気をつけていたはずなのに、なぜか急に気が緩み始めてる。
ここで過ごすことが楽しくなってきたんだ。
友達ができて、色々遊んだり、助け合ったり。
だからずっとウコイック達が悪者なのかなんなのか分からない。
ずっと優しいんだ、僕達を何かしらの形でだんだんと落としていってるの以外は。
いつこれは終わるんだろう、九野さんが言っていたようにもう終わるのか。
もうこんなこと考えてないで寝ないと。
ピロロンピロロン
スマホから音が鳴った。
アラームなんて付けたっけな…
僕はとりあえずアラームを止めた。
あ、そうだ、ポイント減ってたりしないかな。
…よかった、減ってない、バレてなかったみたいだ。
ホッとしたのも、束の間。
スマホに着信だ。
ん?ピンキックからだ。
「はい、もし…」
「これは全員に音声を送信している~今から広場に集合だ~」
今から広場に集合か、砕起きてるかな…
僕は砕に電話をかけた。
…繋がらない、寝ているんだろう。
起こすべきか、先に行くべきか。
昨日「まだ来てない人には伝えておいて~」みたいなことを言ってたし、とりあえず行くか。
「あなたたち~っ、おっはよ~っ!」
「今日は午後まで自由時間です~、アトラクションの近くに屋台が出てるからそこで朝ごはん食べてね~」
屋台か、遊園地らしいな。
不思議と昨日はお腹が空かなかったけれど、起きてからずっとお腹が空いている。
「今からスマホにクーポン送るから、いくつかの屋台から選んで使ってくれ~」
「美味しいよ~っ!」
「ていう感じで、またなんかあったら園内放送なり電話なりで伝えるから~」
「またね~っ」
僕はまず砕の家に向かった。
家の前まで行くとちょうど砕が出てきた。
「…んー、おぉ、おはようぅ」
砕はフラフラした足で門を開けた。
「今ピンキックの話で、アトラクションの方に屋台ができてて、そこに朝ごはんが…」
「朝ごはんだとぉ!早く行くぞ稗田っちぃ!」
砕はさっきまでの足つきとは真逆で走っていった。
「遅いぞ稗田っちぃ!先に買っちまったぞぉ!」
屋台は、カレー、牛丼、焼きそば、ラーメン、からあげ、たこ焼きの6店。
どれにしようかな…ていうか砕先に買ってたのか。
スマホを見るとクーポンが表示されていた。
カレー無料とか、焼きそば無料とか、無料のクーポンが1つずつあるようだ。
僕は迷った末、牛丼にした。
「あの、牛丼1杯ください」
「はーい」
屋台の中には警察官の格好をした人が1人、まあ見た目は料理をする格好ではない。
「やっぱり牛丼か…」
「…え?」
「いや、なんでも」
急に警察官が呟いた。
やっぱりってなんだろう。
「はい、お待たせ」
「ありがとうございます」
去り際に見た警察官の顔は、どこか見覚えがあった。
急いで身を隠したけど…バレたか?でも外は暗いし…頼む…
「おい大丈夫かぁ?」
「目が合っちゃった、バレてないといいんだけど」
「本当かぁ?すまねぇ、俺が見ようなんて言ったから、それにポイントが先に減っちまったのも俺のせいだしよぉ」
砕は弱々しい声で僕に謝罪してきた。
「大丈夫大丈夫、砕に救われてきたからここまで残れたんだ、きっと今もバレてないし頑張ろう」
「本当にごめんなぁ」
「全然大丈夫だって、もう寝よう」
僕は電話を切ってベッドに入った。
この遊園地に来るまでずっと気をつけていたはずなのに、なぜか急に気が緩み始めてる。
ここで過ごすことが楽しくなってきたんだ。
友達ができて、色々遊んだり、助け合ったり。
だからずっとウコイック達が悪者なのかなんなのか分からない。
ずっと優しいんだ、僕達を何かしらの形でだんだんと落としていってるの以外は。
いつこれは終わるんだろう、九野さんが言っていたようにもう終わるのか。
もうこんなこと考えてないで寝ないと。
ピロロンピロロン
スマホから音が鳴った。
アラームなんて付けたっけな…
僕はとりあえずアラームを止めた。
あ、そうだ、ポイント減ってたりしないかな。
…よかった、減ってない、バレてなかったみたいだ。
ホッとしたのも、束の間。
スマホに着信だ。
ん?ピンキックからだ。
「はい、もし…」
「これは全員に音声を送信している~今から広場に集合だ~」
今から広場に集合か、砕起きてるかな…
僕は砕に電話をかけた。
…繋がらない、寝ているんだろう。
起こすべきか、先に行くべきか。
昨日「まだ来てない人には伝えておいて~」みたいなことを言ってたし、とりあえず行くか。
「あなたたち~っ、おっはよ~っ!」
「今日は午後まで自由時間です~、アトラクションの近くに屋台が出てるからそこで朝ごはん食べてね~」
屋台か、遊園地らしいな。
不思議と昨日はお腹が空かなかったけれど、起きてからずっとお腹が空いている。
「今からスマホにクーポン送るから、いくつかの屋台から選んで使ってくれ~」
「美味しいよ~っ!」
「ていう感じで、またなんかあったら園内放送なり電話なりで伝えるから~」
「またね~っ」
僕はまず砕の家に向かった。
家の前まで行くとちょうど砕が出てきた。
「…んー、おぉ、おはようぅ」
砕はフラフラした足で門を開けた。
「今ピンキックの話で、アトラクションの方に屋台ができてて、そこに朝ごはんが…」
「朝ごはんだとぉ!早く行くぞ稗田っちぃ!」
砕はさっきまでの足つきとは真逆で走っていった。
「遅いぞ稗田っちぃ!先に買っちまったぞぉ!」
屋台は、カレー、牛丼、焼きそば、ラーメン、からあげ、たこ焼きの6店。
どれにしようかな…ていうか砕先に買ってたのか。
スマホを見るとクーポンが表示されていた。
カレー無料とか、焼きそば無料とか、無料のクーポンが1つずつあるようだ。
僕は迷った末、牛丼にした。
「あの、牛丼1杯ください」
「はーい」
屋台の中には警察官の格好をした人が1人、まあ見た目は料理をする格好ではない。
「やっぱり牛丼か…」
「…え?」
「いや、なんでも」
急に警察官が呟いた。
やっぱりってなんだろう。
「はい、お待たせ」
「ありがとうございます」
去り際に見た警察官の顔は、どこか見覚えがあった。
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