リピートライフ

花畑 空間

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第6章

#62テスト後

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少し経つとピンキックとダイダイックが動き出した。
「残念だね~」
「まだ名前思い出してないのはちょっとね~っ」
2人が顔を見合わせてそう言うと、それぞれ別の人を指さした。
「そこと」
「そこ~っ」
「「またね~っ」」
そして、指をさされた人は落ちた。

突然の事で何が起こったか分からなかったが、どうやら名前を思い出していなかったようだ。
落ちた人が知らなかったから安心してしまっている自分が怖い。
「他は星マークを間違えてなかったからセーフだ~」
「ポイントはもうスマホに送ったわ~っ、まあほとんどが全問正解なんだけど~っ」
まあ、問題がつい最近のことだからなぁ。
「ポイントは私たちの判断で減らされたりもするから、常に気をつけておけよ~」
先に言ってくれれば着いていかなかったのに…
「ていう感じでテストは以上だ~」
「今から自由行動よ~っ」
「自由行動とはいっても10時までに家に入ってないと閉め出されて、閉園後の怖~いことが待ってるから気をつけろよ~」
いわゆるがあるのか、怖いことが何か分からないが、良いことではないのはたしかだ。
「スマホで今の時間が分かるから確認しな~」
またアプリが増えてる、時計のアプリだ。
今の時刻は8時、あと2時間か…
「じゃあ解散~」
「また明日ね~っ」

僕達もそのまま解散し、それぞれ別の方へ。
僕は図書館が気になって噴水へ。
「本は何があるんだろうな…あれ?」
「あ、こんにちは」
そこには今までちゃんと話したことのない九野さんがベンチに座っていた、京君のチームの人だ。
「あの…よければ横どうぞ」
「え、あぁすみません」

 なんで横に座ったのか、ずっとぎこちない。
そうだ、なんで泣いてたか聞いてみようかな…
「あの…失礼かもしれないんですけど、どうして飛行機のところで泣かれてたんですか?」
「ああ…私あそこに来た時に原先輩のことを…あ、私と同じチームだった女性の人と私はここに来る前から知り合いだったんです、それをさっき思い出して、それで一気に泣いてしまって」
あの人か…
「そうだったんですか、ごめんなさい初めて話したのに踏み込んだ話をしてしまって」
「全然大丈夫ですよ」
九野さんは微笑んだ。

「そういえば、あの僕のチームの体の大きな人分かります?」
「砕さん…でしたっけ」
「そう、それとそちらのチームの…」
「同僚だったんですよね?北条さんから聞きましたよ、お洋服も同じだったみたいで」
「そうなんです、最初の頃に比べてみんな色々と思い出してきたというか、繋がりが色々あって驚きの連続ですよね」
「ですねー、でもなんで私たちここにいるんでしょうね」
たしかにまだ明かされてないな、ここに集められた理由…
「なんででしょう…」
「うーん…」
「でもそろそろここからかもしれませんよ」
「え?」

「だって、ここまでの流れで考えると、今私たちはってことになります、じゃあ次は大学生?専門生?まあどちらにしろもう大人になります」
「でも、人生をやり直すってウコイックが言ってたからおじいちゃんとかになるまでになるんじゃ?」
「ここにいる人みんな若い人たちしかいないじゃないですか、だからこれ以上長くなったらやり直すどころか先に行っちゃうと思うんですよ」
「ていうことは、これの次がラスト?でもラストだとして本当に出れるのか…」
「まあそこは分からないですけどね」
「…あ、そうだ、そろそろ僕はこれで、図書館見てきます」
「そうですか、いってらっしゃい!」
僕は九野さんと別れ、図書館へ向かった。
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