リピートライフ

花畑 空間

文字の大きさ
上 下
50 / 113
第6章

#49慣れてきた

しおりを挟む
ふと気づくとになっている。
靄に入り、しばらく歩き、そしたらだ。
砕と日向ちゃんは無事だろうか、あんな砕、見てられなかったな…
というか、櫻さんから日向ちゃんをって…ことなのかな…
日向ちゃんは一瞬明るくなってたけど、また暗くなって、さっきは喋れてたけど、また櫻さんの件で暗くなって…
どうにかしたいけど、櫻さんが日向ちゃんをいつも面倒見てたから何をすればいいか分からないし、何よりまだ出会って数日だ。
櫻さんは姉妹だから昔から知っているだろうし…
あれ?
なんで櫻さんはあんなに昔のことを思い出してたんだろう…
個人差なのか?日向ちゃんは最初、僕と同じように名前を覚えてなかったし。

ぐっ…頭に痛みがきた…
今回は痛みが大きい、頭が脈を打つようにズキズキと。
ただ、どの記憶か分からないけど、心の見えない隙間が埋まった感じがする、そして安心感のようなものが押し寄せてくる。
…やっと思い出せた、ずっと疑問に残っていたお母さんの顔が、安心感の正体はこれだったのかもしれないな…

「起きろ、稗田っち」
いつもは砕だけど、今回はジョーさんの声が聞こえてきた。
何回目だ、これ、もう慣れてきた。
「…ここは?」
「さあな、とりあえず起きとけば損は無いだろ、さあ、手を掴め」
ジョーさんが差し伸べてくれた手を掴み、僕は立ち上がった。
そこは真っ白な壁に囲まれ、真ん中に大きな施設が建っている。
「起きたな~?」
ウコイックが施設の中から出てきた、見た目は最初にウコイックが着てた警官服と全く同じものだった、そして手にはこれも最初に警官が持っていた拡声器。
「どうだ~原点回帰ってやつだ~」
口調も最初の時に似ている、寄せてるのか?
「お前たちにはとりあえず着替えてもらう~さあ着いてこい~」
ウコイックはそういうと施設に戻っていった。
「じゃあ先行くぞ、あと砕はそこにいる、できれば連れてきた方がいいかもな」
ジョーさんは先にウコイックに付いて行った。

「砕、大丈夫?」
「まあ大丈夫だぜぇ、あの後部屋で少し落ち着いてきた時に日向ちゃんを抱えて靄に入ったんだぁ、急がないとってなぁ」
砕はとりあえずは元気になったようだ。
「それで、日向ちゃんは?」
「ここに来てからはまだ見てないなぁ、お、あそこにいるぞぉ」
日向ちゃんはウコイックに付いて行っていた。
「行こう、砕」
「おうぅ!」

「日向ちゃん?大丈夫?」
「いい、来ないで」
「えっ…」
「いいから来ないでって、あなたも…」
日向ちゃんに話しかけてから1度も日向ちゃんはこっちを見てくれない、口調も荒くなっている。
「分かった、あの、落ち着いたら…」
「…」

「どうしたんだろうなぁ、日向ちゃん」
「様子がおかしい、思い出した記憶に何か嫌な思い出とかあったのかな」
「まあお姉ちゃんがいなくなるってのも相当心にくるだろうしなぁ」
少し日向ちゃんから距離を置き、僕達も付いて行った。

「付いてきたな~まあいつも通り赤と青の扉があるから入ってくれ~服装はだ~」
自由?珍しいな、いつもはウコイックと同じ服なのに。
「よし、行こうぜぇ」
砕は早速扉へ入った、僕も後を追って入る。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

逢いに来ました、真野先生

弘生
ホラー
不可解を持たない人間なんていない。 みんな辻褄の合わない何かしらを感じて、何かしらを迷って、何かしらの解を嵌めようとする。 高校美術教師を辞した男が山小屋に逃れ、描けない絵を孤独に描き続けている。 ある日を境に、教え子たちがやってきて、不思議で不可解な打ち明け話を始める。 たまたま出会ってしまった怪なのか、心の奥に潜む黒い怪なのか。 元美術教師の中に解はあるのか。 暗闇の奥で何かが共鳴していくような、曖昧な何となく怖いお話にしたい。

希望が丘駅前商店街~透明人間の憂鬱~

白い黒猫
ライト文芸
ここは東京郊外松平市にある希望が丘駅前商店街、通称【ゆうYOU ミラーじゅ希望ヶ丘】。 国会議員の重光幸太郎先生の膝元であるこの土地にある商店街は、パワフルで個性的な人が多く明るく元気な街。就職浪人になりJazzBarを経営する伯父の元で就職活動をしながら働く事になった東明(とうめい)透(ゆき)は、商店街のある仕事を担当する事になり……。 ※ 鏡野ゆうさんの『政治家の嫁は秘書様』に出てくる商店街が物語を飛び出し、仲良し作家さんの活動スポットとなってしまいました。その為に同じ商店街に住む他の作家さんのキャラクターが数多く物語の中で登場して活躍しています。鏡野ゆうさん及び、登場する作家さんの許可を得て創作させて頂いております。  コラボ作品はコチラとなっています。 【政治家の嫁は秘書様】  https://www.alphapolis.co.jp/novel/210140744/354151981 【希望が丘駅前商店街 in 『居酒屋とうてつ』とその周辺の人々 】  https://www.alphapolis.co.jp/novel/274274583/188152339 【日々是好日、希望が丘駅前商店街-神神飯店エソ、オソオセヨ(にいらっしゃいませ)】  https://www.alphapolis.co.jp/novel/177101198/505152232 【希望が丘駅前商店街~看板娘は招き猫?喫茶トムトム元気に開店中~】  https://ncode.syosetu.com/n7423cb/ 【希望が丘駅前商店街 ―姉さん。篠宮酒店は、今日も平常運転です。―】  https://www.alphapolis.co.jp/novel/172101828/491152376  【Blue Mallowへようこそ~希望が丘駅前商店街】  https://www.alphapolis.co.jp/novel/265100205/427152271 【希望が丘駅前商店街~透明人間の憂鬱~】  https://www.alphapolis.co.jp/novel/265100205/427152271 【希望が丘駅前商店街~黒猫のスキャット~】  https://www.alphapolis.co.jp/novel/265100205/813152283

餅を崇拝する宗教の話

輪島ライ
ホラー
餅を崇拝する新興宗教「臼臼教」は、運営する老人福祉施設で老人たちを無償で受け入れていた。その秘密を探るため、雑誌記者は施設を取材に訪れる。 ※この作品は「小説家になろう」「アルファポリス」「カクヨム」「エブリスタ」に投稿しています。

王太子殿下の小夜曲

緑谷めい
恋愛
 私は侯爵家令嬢フローラ・クライン。私が初めてバルド王太子殿下とお会いしたのは、殿下も私も共に10歳だった春のこと。私は知らないうちに王太子殿下の婚約者候補になっていた。けれど婚約者候補は私を含めて4人。その中には私の憧れの公爵家令嬢マーガレット様もいらっしゃった。これはもう出来レースだわ。王太子殿下の婚約者は完璧令嬢マーガレット様で決まりでしょ! 自分はただの数合わせだと確信した私は、とてもお気楽にバルド王太子殿下との顔合わせに招かれた王宮へ向かったのだが、そこで待ち受けていたのは……!? フローラの明日はどっちだ!?

呪縛 ~呪われた過去、消せない想い~

ひろ
ホラー
 二年前、何者かに妹を殺された―――そんな凄惨な出来事以外、主人公の時坂優は幼馴染の小日向みらいとごく普通の高校生活を送っていた。しかしそんなある日、唐突に起こったクラスメイトの不審死と一家全焼の大規模火災。興味本位で火事の現場に立ち寄った彼は、そこでどこか神秘的な存在感を放つ少女、神崎さよと名乗る人物に出逢う。彼女は自身の身に宿る〝霊力〟を操り不思議な力を使うことができた。そんな現実離れした彼女によると、件の火事は呪いの力による放火だということ。何かに導かれるようにして、彼は彼女と共に事件を調べ始めることになる。  そして事件から一週間―――またもや発生した生徒の不審死と謎の大火災。疑いの目は彼の幼馴染へと向けられることになった。  呪いとは何か。犯人の目的とは何なのか。事件の真相を追い求めるにつれて明らかになっていく驚愕の真実とは―――

りんこにあったちょっと怖い話☆

更科りんこ
ホラー
【おいしいスイーツ☆ときどきホラー】 ゆるゆる日常系ホラー小説☆彡 田舎の女子高生りんこと、友だちのれいちゃんが経験する、怖いような怖くないような、ちょっと怖いお話です。 あま~い日常の中に潜むピリリと怖い物語。 おいしいお茶とお菓子をいただきながら、のんびりとお楽しみください。

リアンの白い雪

ちくわぶ(まるどらむぎ)
恋愛
その日の朝、リアンは婚約者のフィンリーと言い合いをした。 いつもの日常の、些細な出来事。 仲直りしていつもの二人に戻れるはずだった。 だがその後、二人の関係は一変してしまう。 辺境の地の砦に立ち魔物の棲む森を見張り、魔物から人を守る兵士リアン。 記憶を失くし一人でいたところをリアンに助けられたフィンリー。 二人の未来は? ※全15話 ※本作は私の頭のストレッチ第二弾のため感想欄は開けておりません。 (全話投稿完了後、開ける予定です) ※1/29 完結しました。 感想欄を開けさせていただきます。 様々なご意見、真摯に受け止めさせていただきたいと思います。 ただ、皆様に楽しんでいただける場であって欲しいと思いますので、 いただいた感想をを非承認とさせていただく場合がございます。 申し訳ありませんが、どうかご了承くださいませ。 もちろん、私は全て読ませていただきます。 ※この作品は小説家になろうさんでも公開しています。

意味が分かると怖い話【短編集】

本田 壱好
ホラー
意味が分かると怖い話。 つまり、意味がわからなければ怖くない。 解釈は読者に委ねられる。 あなたはこの短編集をどのように読みますか?

処理中です...