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第4章
#37制限時間
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探してない場所…
ちょっと1回落ち着いて整理しよう。
まず探せる場所は全部探した、これは絶対にそうなはず。
えっと、たしか響子さん達を隠したのが砕で、隠れる側が学校に入ってからそんなに経たないで探し始めたから、多分近くにいるはずなんだ。
4階か、行けても3階。
今から探すのか…僕も逃げ切れるか心配だ。
もういっそのこと置いて……いや、ダメだ、本当にこんな事考える自分が嫌だ。
砕は友達だ、すぐ探して、すぐに学校を出る。
こんなこと考えてても時間が過ぎるだけだ、早く探そ………あれ?
あのグッドサインを振ってた人…どこから降りてきたんだ?
待て、まさか。
やっぱりだ、この階段、ミドリックから説明されてない、焦ってたから違和感に気づかなかったのか。
ここからあの人は降りてきたんだよな、もしかしてグッドサインを振ってたのって、親指で上を指してたのか?
人に居場所を教えるのは禁止だから、なるべく気づかれないように教えてくれたんだ。
早く上に向かおう!
階段を上がると、屋上へ出た、こんな場所説明されてない、ミドリックのことだし、わざと教えなかったかもしれないな。
屋上に砕がいた、見つけた瞬間安心感に襲われた。
そう、襲われたんだ、早く外に行かないといけないのに、すごい脱力感で体に力が入りそうにない。
「おい、大丈夫かぁ?」
砕が近寄ってきた、砕の後ろを見ると、まだ何人か人がいた、やばい、もう何も考えられない。
「よく分かったなぁ、校内放送で屋上に隠れてもいいって急に言われてよぉ」
早く…出ないと…
「大丈夫か?おい、とりあえず学校出るかぁ、みんなぁ、俺先に行くぜぇ、隠れきれよぉ」
…一瞬意識が遠のいていたけど、今分かる、砕に背負われて、下へ向かっている。
砕が偶然下に連れて行ってたけど、もし砕があのまま屋上にいたら僕達は閉じ込めれていた…
…あの人達は……やだ……いやだ……………
「大丈夫かぁ、今助けてやるからなぁ」
砕が優しく語りかけてくる、でもルールで返事が出来ないし、出そうとしても声が出そうにない。
「よぉし、もう外だぁ、急ぐぞぉ!」
僕達は外へ出た。
ガシャンッ!キーンコーンカーンコーン
後ろから音が聞こえた。
「ん、なんだぁ?」
砕はゆっくり後ろを振り返った、僕も背負われてるから砕の後ろから見えた。
学校のチャイムとともにシャッターが閉まっていた。
あの人たちは…もう閉じ込められてるんだ……
「え、どういうことだよこれぇ」
「く…砕」
「大丈夫かぁ、稗田っちぃ、今おろすからな」
僕は本当のルールを教えるために声を出そうとしたけど、思うように出ない、心からどっと疲れたんだ…
「砕君、本当はね…」
櫻さんは話し始めた。
内容は頭が回ってなくてよく聞き取れなかったけど、砕の驚いた声だけはちゃんと聞こえる。
「じゃあ俺、稗田っちに見つけられなかったら、死ぬまで学校にいたってことかぁ?」
「そうよ」
少し落ち着いてきて話が聞こえてきた。
「じゃあ…あいつら…」
砕は珍しく唖然としている、あんなに元気なやつなのにここまで落ち込むなんて。
赤ちゃんのとことかが結構優しかったから油断してた…ここは残酷だ。
僕は少し力が戻ってきた。
ゆっくり立ち上がり、周りを見た。
「良かった…」
ペアがいる人は安心してたり。
「うわぁぁぁぁぁあああ!!!!」
崩れ落ちて泣いてる人もいれば。
「……」
言葉すら出てない人も。
ちょいちょい相方がいない人がいる、胸が苦しくなる…
でも僕が知ってる人達はみんな相方を見つけているようだ、それはまだ良かったかもしれない。
響子さんも見つかってるようだ、相方は南島さんだ、良かった。
緋彩ちゃんもいるし、ツージーさんも。
京君はもうチームのみんなと明るく話している、ジョーさんと日向ちゃんと戦った女の人。
複雑だ、本当に。
安心した人、絶望した人、嬉しい人、悲しい人、バラバラだ。
それを見ると僕の感情もバラバラになっていく。
「じゃあ~本当のこと言っていくわ~」
ミドリックは、あの喋り方で説明を始めた。
「隠れる側のお前らは、探す側に見つけられなかったら、死ぬまで学校に閉じ込められてたんだわ~」
「見つけてくれたことに感謝するんだわ~」
ミドリックは適当にそういうと、頭の後ろに腕を回し、ぶらぶらし始めた。
疲れた、ほんとに疲れた。
頭がおかしくなりそうだ。
もう叫びたい。
「ごめんね」
いつの間にかウコイックがミドリックの隣にいた。
「ごめんね、本当にごめんね、みんな」
ウコイックは辛そうな表情をしている。
ならどうして助けないんだ!なんて思うけど、ここはあくまでミドリックのステージってことなのかな…
「ねえ、ミドリック、次のゲームの前に、みんなに少し休憩をあげない~?」
「まあいいよ~任せるんだわ~」
「じゃあ、みんな休憩して落ち着いてね~」
次のゲームもあるのか…まあ休憩があるんだ、休もう…
ちょっと1回落ち着いて整理しよう。
まず探せる場所は全部探した、これは絶対にそうなはず。
えっと、たしか響子さん達を隠したのが砕で、隠れる側が学校に入ってからそんなに経たないで探し始めたから、多分近くにいるはずなんだ。
4階か、行けても3階。
今から探すのか…僕も逃げ切れるか心配だ。
もういっそのこと置いて……いや、ダメだ、本当にこんな事考える自分が嫌だ。
砕は友達だ、すぐ探して、すぐに学校を出る。
こんなこと考えてても時間が過ぎるだけだ、早く探そ………あれ?
あのグッドサインを振ってた人…どこから降りてきたんだ?
待て、まさか。
やっぱりだ、この階段、ミドリックから説明されてない、焦ってたから違和感に気づかなかったのか。
ここからあの人は降りてきたんだよな、もしかしてグッドサインを振ってたのって、親指で上を指してたのか?
人に居場所を教えるのは禁止だから、なるべく気づかれないように教えてくれたんだ。
早く上に向かおう!
階段を上がると、屋上へ出た、こんな場所説明されてない、ミドリックのことだし、わざと教えなかったかもしれないな。
屋上に砕がいた、見つけた瞬間安心感に襲われた。
そう、襲われたんだ、早く外に行かないといけないのに、すごい脱力感で体に力が入りそうにない。
「おい、大丈夫かぁ?」
砕が近寄ってきた、砕の後ろを見ると、まだ何人か人がいた、やばい、もう何も考えられない。
「よく分かったなぁ、校内放送で屋上に隠れてもいいって急に言われてよぉ」
早く…出ないと…
「大丈夫か?おい、とりあえず学校出るかぁ、みんなぁ、俺先に行くぜぇ、隠れきれよぉ」
…一瞬意識が遠のいていたけど、今分かる、砕に背負われて、下へ向かっている。
砕が偶然下に連れて行ってたけど、もし砕があのまま屋上にいたら僕達は閉じ込めれていた…
…あの人達は……やだ……いやだ……………
「大丈夫かぁ、今助けてやるからなぁ」
砕が優しく語りかけてくる、でもルールで返事が出来ないし、出そうとしても声が出そうにない。
「よぉし、もう外だぁ、急ぐぞぉ!」
僕達は外へ出た。
ガシャンッ!キーンコーンカーンコーン
後ろから音が聞こえた。
「ん、なんだぁ?」
砕はゆっくり後ろを振り返った、僕も背負われてるから砕の後ろから見えた。
学校のチャイムとともにシャッターが閉まっていた。
あの人たちは…もう閉じ込められてるんだ……
「え、どういうことだよこれぇ」
「く…砕」
「大丈夫かぁ、稗田っちぃ、今おろすからな」
僕は本当のルールを教えるために声を出そうとしたけど、思うように出ない、心からどっと疲れたんだ…
「砕君、本当はね…」
櫻さんは話し始めた。
内容は頭が回ってなくてよく聞き取れなかったけど、砕の驚いた声だけはちゃんと聞こえる。
「じゃあ俺、稗田っちに見つけられなかったら、死ぬまで学校にいたってことかぁ?」
「そうよ」
少し落ち着いてきて話が聞こえてきた。
「じゃあ…あいつら…」
砕は珍しく唖然としている、あんなに元気なやつなのにここまで落ち込むなんて。
赤ちゃんのとことかが結構優しかったから油断してた…ここは残酷だ。
僕は少し力が戻ってきた。
ゆっくり立ち上がり、周りを見た。
「良かった…」
ペアがいる人は安心してたり。
「うわぁぁぁぁぁあああ!!!!」
崩れ落ちて泣いてる人もいれば。
「……」
言葉すら出てない人も。
ちょいちょい相方がいない人がいる、胸が苦しくなる…
でも僕が知ってる人達はみんな相方を見つけているようだ、それはまだ良かったかもしれない。
響子さんも見つかってるようだ、相方は南島さんだ、良かった。
緋彩ちゃんもいるし、ツージーさんも。
京君はもうチームのみんなと明るく話している、ジョーさんと日向ちゃんと戦った女の人。
複雑だ、本当に。
安心した人、絶望した人、嬉しい人、悲しい人、バラバラだ。
それを見ると僕の感情もバラバラになっていく。
「じゃあ~本当のこと言っていくわ~」
ミドリックは、あの喋り方で説明を始めた。
「隠れる側のお前らは、探す側に見つけられなかったら、死ぬまで学校に閉じ込められてたんだわ~」
「見つけてくれたことに感謝するんだわ~」
ミドリックは適当にそういうと、頭の後ろに腕を回し、ぶらぶらし始めた。
疲れた、ほんとに疲れた。
頭がおかしくなりそうだ。
もう叫びたい。
「ごめんね」
いつの間にかウコイックがミドリックの隣にいた。
「ごめんね、本当にごめんね、みんな」
ウコイックは辛そうな表情をしている。
ならどうして助けないんだ!なんて思うけど、ここはあくまでミドリックのステージってことなのかな…
「ねえ、ミドリック、次のゲームの前に、みんなに少し休憩をあげない~?」
「まあいいよ~任せるんだわ~」
「じゃあ、みんな休憩して落ち着いてね~」
次のゲームもあるのか…まあ休憩があるんだ、休もう…
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