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第3章
#31敗者側 演技終了
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場面は変わり、最初の森の中へ。
「私基本さ~家でサボるタイプだから~テレビ見てるんだよね~だからテレビでニュース見た時びっくりしちゃったわ~」
金髪の女性が言った。
「私もあのまま学校サボっちゃった、とりあえずここら辺だったよね」
少し歩くと前からドスドスと一人のサボり仲間の男が歩いてきた、昨日急に歩き出した方ではない男だ。
「てくてくてくてく」
左から登場して、そのまま過ぎ去っていった。
「ねえ、ひとみ、今のって康二だったよね、追いかける?」
「よし、行こ~」
金髪の女性はひとみって名前なのか、そしてあの男は康二、急に名前が出てきた。
「ここら辺に行ってたよね~」
「あ、康二いた~!なんか壁に向かってずっと歩いてない~?キモっ」
「ねえ康二、なにやってんの?」
「てくてくてくてく」
「いや、答えてよ、もうそういうのいいから」
「てくてくてくてく」
「はぁ…私帰る、そういうの嫌い」
「は?…ねえ、康二~、翔太は~?」
もう1人が翔太なのか。
「てくてくてくてく」
「ねえってば!」
背景に向かって歩き続ける康二の顔を覗き込み、は驚いた顔をした。
「なんで泣いてるの!辛いなら辞めなよ!なんとか言って!」
「てくてくてくてく」
「ほんっとキモいんだけど!もう知らない!」
ひとみが叫ぶと暗転した。
「ねえ、ひとみ、あれから康二どうだった?」
みゆきは家で電話をかけていた。
「いや~?あの後私も帰ってから見てないけど?そっちは~?落ち着いた?」
「まあ、私もカッとなってたから」
「落ち着いたなら良かったね~、ん、ピンポンなったから行くわ、はーい」
「行ってらっしゃい、あ、携帯持ってくのね」
「うん、話したいから、はーい、今開けまーす…は?」
「どうしたの?」
「なんか康二がずっとインターホンに向かって歩いてるんだけど、キモっ」
「ええ、おかしいね、あと、まだ言ってる?」
「うん、言ってる、てくてく~って…あっ……」
「ん、どうかした?」
「…」
「ひとみ?」
「てくてくてくてく」
薄くだけどひとみの声で、てくてくと聞こえてきた、凄い鳥肌が立ってきた。
「ひとみ?あなたもふざけてるの?ねえ?」
「てくてく……」
そのまま声が遠くなっていった。
「もう、怖いよ、家行くよ?」
「…」
声がしなくなって、暗転した、急に暗転したからみんなビクってしてた。
「ねえ、いる?ひとみ?」
みゆきの家とは別の背景になった。
「うーん、え、何このデカいの」
床に人?のようなものがあった。
「え、このアクセサリー、康二?やだ、干からびてるみたい」
顔と思われるものにアクセサリーが付いていた、たしかに康二に付いていた物だ。
「どゆこと?ほんとに、わかんない」
「てくてくてくてく」
次はひとみが登場した、さっきの康二と同じ歩き方、同じセリフで。
「きゃぁ!何?私へのドッキリ?怖い系は嫌いだから!もうやめて!」
「てくてくてくてく」
また壁にぶつかって、そのまま歩いていた。
「ねえ、なんでひとみはそんな顔してるの、なんで、ドッキリなんでしょ?泣きそうな顔しないでよ、ひとみってそんな演技できないじゃない、ねえひとみ…」
「てくてくてくてく」
「私…帰るわ、もう知らない、謝っても許さないから、謝るなら最後よ」
「てくてくてくてく」
「もう分かった」
そして場面は変わる。
「はぁ、もう怖いよお母さん、なんで倒れちゃったの」
みゆきは家に一人らしい。
「ていうか、もしあれが嘘じゃないなら…てくてくってのは感染する?翔太から康二、康二からひとみ、でもなんでだろう、最後に話しかけたとか?」
「えーと…え、辻褄合う、これ」
たしかに翔太に康二が「待てよ!」って言って、次に康二にひとみが「もう知らない!」って言って、てくてくが移った。
「てことは…」
ピンポーン
「ぎゃぁぁぁぁぁ!!!!」
叫んだのはみゆき…じゃなくて砕だ、真横に居たから鼓膜が破れそうだ。
みゆきもこっちを向いて驚いてる。そしてそのまま暗転した。
明るくなると、砕は体育座りしている足に頭を埋めていた。
後ろを見ると日向ちゃんが櫻さんにくっついて震えていた、櫻さんは平気そう。
「2人とも怖かったみたいね」
櫻さんは微笑みながら言った。
「え~、演技は90点~!怖さもめっちゃ良い~!でも、怖すぎ~!無理~!途中から見てなかった~!ちょっとアオイックと話してくる~」
ウコイックはそういうと、舞台裏へ向かった。
「ではぁ~!審議の結果ぁぁ~~~!!今回のチーム対抗お芝居大会は~~?!!ドゥルドゥルドゥルドゥル~!」
アカイックが舞台に立って結果発表している、チーム対抗とか言ってなかったのに付け足してる。
「敗者側の勝利ぃぃ~~!!!でも、これで有利になることはございません~~!!」
有利不利は無いのか、発表までがメインだったのかもしれない。
「じゃぁ~~!!!」
なんだ?
「僕はこれで~」
アカイックは舞台裏に消えていった。
「じゃ~みんなお疲れ様~、よく頑張ったね~、失ったチームメイトも…キイック…まあいたけど~!無事、終わることが出来ました~!とりあえず今日は解散~!」
もう、解散するらしい。
「あ、夜ご飯忘れてた~、まあアカイックがなんか作ってくれるよきっと~」
相変わらず適当だ。
「あ、背景とか道具とかはそのまんまでいいよ~僕達が片付けとくからゆっくり休んでて~」
ウコイックに似合わない優しい言葉をかけられ、僕達は素直に部屋に戻った。
「私基本さ~家でサボるタイプだから~テレビ見てるんだよね~だからテレビでニュース見た時びっくりしちゃったわ~」
金髪の女性が言った。
「私もあのまま学校サボっちゃった、とりあえずここら辺だったよね」
少し歩くと前からドスドスと一人のサボり仲間の男が歩いてきた、昨日急に歩き出した方ではない男だ。
「てくてくてくてく」
左から登場して、そのまま過ぎ去っていった。
「ねえ、ひとみ、今のって康二だったよね、追いかける?」
「よし、行こ~」
金髪の女性はひとみって名前なのか、そしてあの男は康二、急に名前が出てきた。
「ここら辺に行ってたよね~」
「あ、康二いた~!なんか壁に向かってずっと歩いてない~?キモっ」
「ねえ康二、なにやってんの?」
「てくてくてくてく」
「いや、答えてよ、もうそういうのいいから」
「てくてくてくてく」
「はぁ…私帰る、そういうの嫌い」
「は?…ねえ、康二~、翔太は~?」
もう1人が翔太なのか。
「てくてくてくてく」
「ねえってば!」
背景に向かって歩き続ける康二の顔を覗き込み、は驚いた顔をした。
「なんで泣いてるの!辛いなら辞めなよ!なんとか言って!」
「てくてくてくてく」
「ほんっとキモいんだけど!もう知らない!」
ひとみが叫ぶと暗転した。
「ねえ、ひとみ、あれから康二どうだった?」
みゆきは家で電話をかけていた。
「いや~?あの後私も帰ってから見てないけど?そっちは~?落ち着いた?」
「まあ、私もカッとなってたから」
「落ち着いたなら良かったね~、ん、ピンポンなったから行くわ、はーい」
「行ってらっしゃい、あ、携帯持ってくのね」
「うん、話したいから、はーい、今開けまーす…は?」
「どうしたの?」
「なんか康二がずっとインターホンに向かって歩いてるんだけど、キモっ」
「ええ、おかしいね、あと、まだ言ってる?」
「うん、言ってる、てくてく~って…あっ……」
「ん、どうかした?」
「…」
「ひとみ?」
「てくてくてくてく」
薄くだけどひとみの声で、てくてくと聞こえてきた、凄い鳥肌が立ってきた。
「ひとみ?あなたもふざけてるの?ねえ?」
「てくてく……」
そのまま声が遠くなっていった。
「もう、怖いよ、家行くよ?」
「…」
声がしなくなって、暗転した、急に暗転したからみんなビクってしてた。
「ねえ、いる?ひとみ?」
みゆきの家とは別の背景になった。
「うーん、え、何このデカいの」
床に人?のようなものがあった。
「え、このアクセサリー、康二?やだ、干からびてるみたい」
顔と思われるものにアクセサリーが付いていた、たしかに康二に付いていた物だ。
「どゆこと?ほんとに、わかんない」
「てくてくてくてく」
次はひとみが登場した、さっきの康二と同じ歩き方、同じセリフで。
「きゃぁ!何?私へのドッキリ?怖い系は嫌いだから!もうやめて!」
「てくてくてくてく」
また壁にぶつかって、そのまま歩いていた。
「ねえ、なんでひとみはそんな顔してるの、なんで、ドッキリなんでしょ?泣きそうな顔しないでよ、ひとみってそんな演技できないじゃない、ねえひとみ…」
「てくてくてくてく」
「私…帰るわ、もう知らない、謝っても許さないから、謝るなら最後よ」
「てくてくてくてく」
「もう分かった」
そして場面は変わる。
「はぁ、もう怖いよお母さん、なんで倒れちゃったの」
みゆきは家に一人らしい。
「ていうか、もしあれが嘘じゃないなら…てくてくってのは感染する?翔太から康二、康二からひとみ、でもなんでだろう、最後に話しかけたとか?」
「えーと…え、辻褄合う、これ」
たしかに翔太に康二が「待てよ!」って言って、次に康二にひとみが「もう知らない!」って言って、てくてくが移った。
「てことは…」
ピンポーン
「ぎゃぁぁぁぁぁ!!!!」
叫んだのはみゆき…じゃなくて砕だ、真横に居たから鼓膜が破れそうだ。
みゆきもこっちを向いて驚いてる。そしてそのまま暗転した。
明るくなると、砕は体育座りしている足に頭を埋めていた。
後ろを見ると日向ちゃんが櫻さんにくっついて震えていた、櫻さんは平気そう。
「2人とも怖かったみたいね」
櫻さんは微笑みながら言った。
「え~、演技は90点~!怖さもめっちゃ良い~!でも、怖すぎ~!無理~!途中から見てなかった~!ちょっとアオイックと話してくる~」
ウコイックはそういうと、舞台裏へ向かった。
「ではぁ~!審議の結果ぁぁ~~~!!今回のチーム対抗お芝居大会は~~?!!ドゥルドゥルドゥルドゥル~!」
アカイックが舞台に立って結果発表している、チーム対抗とか言ってなかったのに付け足してる。
「敗者側の勝利ぃぃ~~!!!でも、これで有利になることはございません~~!!」
有利不利は無いのか、発表までがメインだったのかもしれない。
「じゃぁ~~!!!」
なんだ?
「僕はこれで~」
アカイックは舞台裏に消えていった。
「じゃ~みんなお疲れ様~、よく頑張ったね~、失ったチームメイトも…キイック…まあいたけど~!無事、終わることが出来ました~!とりあえず今日は解散~!」
もう、解散するらしい。
「あ、夜ご飯忘れてた~、まあアカイックがなんか作ってくれるよきっと~」
相変わらず適当だ。
「あ、背景とか道具とかはそのまんまでいいよ~僕達が片付けとくからゆっくり休んでて~」
ウコイックに似合わない優しい言葉をかけられ、僕達は素直に部屋に戻った。
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