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第3章
#17話
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僕は道具班のいる机に戻り、作業を始めた。
台本班に今まで作った道具や衣装を見せて、足りないものを聞いて作っていく。
ほとんどはOKだった、化け物役が馬の顔なのは渋々納得してもらったのだけれど。
「じゃあ、台本班に聞いた足りないものメモったんで作っていきましょうか」
まだどんよりとした空気が流れてるものの、作業は進んでいった。
「ここって黄色でしたっけ南島さん」
「そうですね、そこは黄色でここは青です」
僕は和ませる意味も兼ねて積極的に話すようにした、会話が無いとみんなが思い出してしまいそうだから。
「ちょっとみんな~、聞いて~」
キイックが声をかけた。
「あの二人についてなんだけど~、まだ新しい情報は無いんだけど、ウコイックと相談して他に隠れれる場所は無いか聞いてみるね~、だからみんなは安心して作業してね~」
あくまでも嘘を突き通すようだ。
「えーと、じゃ、頑張ってね~」
キイックは部屋に戻った。
「とりあえずは洋一さんのことは考えないで大丈夫そうですね」
「あの、稗田さん、ちょっとこっちに来てもらえますか?」
急に緋彩ちゃんが話しかけてきた。
「いいけど、なんで?」
「ちょっと謝りたいことが…」
謝られることなんて思いつかないがとりあえず着いて行った。
「謝りたいことって?」
「ごめんなさい!うちのリーダーが稗田さんのチームに酷い言い方しちゃって、まあもう落ちちゃったんですけどね…」
どうやらここに来てからキイックに落とされた女性と同じチームだったようだ。
「あの体の大きな人と一緒に1階に降りてたから同じチームなんだなって思って言ったんですけど、合ってますか?」
「合ってるよ、でも緋彩ちゃんはあの人とチームだったんだね」
「私、自分の意思をちゃんと持ってないっていうか、流されやすいタイプで、あの人って気が強かったじゃないですか、それでほぼ無理やりチームにさせられたんです」
「そうだったんだね、でも緋彩ちゃんが悪くないのに謝る必要は無いからね」
「はい、ありがとうございます…」
話が終わり、僕と緋彩ちゃんは机に戻った、今日は移動が多いな、風呂とかキイックの部屋とか、話すために移動したりとか。
「ちょっと稗田君いい?」
響子さんが僕に話しかけてきた。
「ちょっと話したいことが」
またか、またなのか、と思ったが別件だと思うし、重ねないようにしよう。
「私のチームの部屋で話しましょう、鍵は私が持ってるから」
と響子さんは2階へ向かったので、僕も向かった。
「話したいことっていうのはね、洋一君のことなの、貴方たしかキイックの部屋に入ったわよね、そこで何話したか聞かせてくれる?ちょっと長かったし気になっちゃって」
うーん、これは言うべきか言わないべきか。
「洋一さんのことはあんまり話さなかったですね、作業は進んでるかとか聞いてきましたね、はい…」
嘘をついてしまった、最初の時より顔には出てないと思うが、それでもまだ嘘は慣れない。
「そうなのね…変な事聞いちゃったわね、ごめんなさいね」
「いえいえ、心配になるのは仕方ないです」
「私ね、ちゃんと覚えてはないんだけど、私はたしか上司だったの、でも部下に怖がられててそれが嫌だったんだけど、ここに来てからみんな一体になって何かをするっていうのが楽しくて、それで1人でも欠けるのが嫌なのよね」
「そうですか…たまにちょっと怖い時もありますけど、なんか指摘する時とか、でも、みんな響子さんが優しさで言ってるのは分かってますから安心してください」
「…そうね、ありがとう…!」
響子さんは涙ぐんだ。
今日はカウンセラーにでもなった気分だ、色んな人と深い話をしているから。
僕達は1階に降り、机に戻った。
「ねえ稗田君」
次は蒼さんが、なんだこのラッシュは。
「今日はモテモテだねぇ、モテ期来たんじゃないー?」
ニヤニヤしながら蒼さんは言ってきた。
「違いますよ!色々話すタイミングが重なってるだけですっ!」
「もう~、必死になっちゃって~」
そんなやり取りがあり、道具班はすっかり明るくなっていた、蒼さんの明るさは凄いな、みんなまで明るくしてくれる。
和やかなムードの中、僕達はまた作業を始めた。
台本班に今まで作った道具や衣装を見せて、足りないものを聞いて作っていく。
ほとんどはOKだった、化け物役が馬の顔なのは渋々納得してもらったのだけれど。
「じゃあ、台本班に聞いた足りないものメモったんで作っていきましょうか」
まだどんよりとした空気が流れてるものの、作業は進んでいった。
「ここって黄色でしたっけ南島さん」
「そうですね、そこは黄色でここは青です」
僕は和ませる意味も兼ねて積極的に話すようにした、会話が無いとみんなが思い出してしまいそうだから。
「ちょっとみんな~、聞いて~」
キイックが声をかけた。
「あの二人についてなんだけど~、まだ新しい情報は無いんだけど、ウコイックと相談して他に隠れれる場所は無いか聞いてみるね~、だからみんなは安心して作業してね~」
あくまでも嘘を突き通すようだ。
「えーと、じゃ、頑張ってね~」
キイックは部屋に戻った。
「とりあえずは洋一さんのことは考えないで大丈夫そうですね」
「あの、稗田さん、ちょっとこっちに来てもらえますか?」
急に緋彩ちゃんが話しかけてきた。
「いいけど、なんで?」
「ちょっと謝りたいことが…」
謝られることなんて思いつかないがとりあえず着いて行った。
「謝りたいことって?」
「ごめんなさい!うちのリーダーが稗田さんのチームに酷い言い方しちゃって、まあもう落ちちゃったんですけどね…」
どうやらここに来てからキイックに落とされた女性と同じチームだったようだ。
「あの体の大きな人と一緒に1階に降りてたから同じチームなんだなって思って言ったんですけど、合ってますか?」
「合ってるよ、でも緋彩ちゃんはあの人とチームだったんだね」
「私、自分の意思をちゃんと持ってないっていうか、流されやすいタイプで、あの人って気が強かったじゃないですか、それでほぼ無理やりチームにさせられたんです」
「そうだったんだね、でも緋彩ちゃんが悪くないのに謝る必要は無いからね」
「はい、ありがとうございます…」
話が終わり、僕と緋彩ちゃんは机に戻った、今日は移動が多いな、風呂とかキイックの部屋とか、話すために移動したりとか。
「ちょっと稗田君いい?」
響子さんが僕に話しかけてきた。
「ちょっと話したいことが」
またか、またなのか、と思ったが別件だと思うし、重ねないようにしよう。
「私のチームの部屋で話しましょう、鍵は私が持ってるから」
と響子さんは2階へ向かったので、僕も向かった。
「話したいことっていうのはね、洋一君のことなの、貴方たしかキイックの部屋に入ったわよね、そこで何話したか聞かせてくれる?ちょっと長かったし気になっちゃって」
うーん、これは言うべきか言わないべきか。
「洋一さんのことはあんまり話さなかったですね、作業は進んでるかとか聞いてきましたね、はい…」
嘘をついてしまった、最初の時より顔には出てないと思うが、それでもまだ嘘は慣れない。
「そうなのね…変な事聞いちゃったわね、ごめんなさいね」
「いえいえ、心配になるのは仕方ないです」
「私ね、ちゃんと覚えてはないんだけど、私はたしか上司だったの、でも部下に怖がられててそれが嫌だったんだけど、ここに来てからみんな一体になって何かをするっていうのが楽しくて、それで1人でも欠けるのが嫌なのよね」
「そうですか…たまにちょっと怖い時もありますけど、なんか指摘する時とか、でも、みんな響子さんが優しさで言ってるのは分かってますから安心してください」
「…そうね、ありがとう…!」
響子さんは涙ぐんだ。
今日はカウンセラーにでもなった気分だ、色んな人と深い話をしているから。
僕達は1階に降り、机に戻った。
「ねえ稗田君」
次は蒼さんが、なんだこのラッシュは。
「今日はモテモテだねぇ、モテ期来たんじゃないー?」
ニヤニヤしながら蒼さんは言ってきた。
「違いますよ!色々話すタイミングが重なってるだけですっ!」
「もう~、必死になっちゃって~」
そんなやり取りがあり、道具班はすっかり明るくなっていた、蒼さんの明るさは凄いな、みんなまで明るくしてくれる。
和やかなムードの中、僕達はまた作業を始めた。
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