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第3章
#11台本
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とりあえず出してきた分の服をたたんだ、いつの間にかフリースペースから漏れていた声も静かになっていた。
「んー、疲れたーー」
蒼さんがあくびをしながら体を伸ばした。
「じゃ、また後でね~」
フリースペースからキイックの声が聞こえ、扉が開き、中からぞろぞろと人が出てきた。
砕が凄い笑顔だ、不気味なぐらいに。
「おーい、俺受かったぞぉ!」
砕が嬉しそうにこっちに向かってきた。
「ごめん、ちょっと外すね」
僕は道具班に声をかけ、砕達に話を聞きに行った。
「とりあえず砕は受かっただね、櫻さんと日向ちゃんは?」
「それがね、キイックが「せっかく来てくれたから、みんな合格~」って言ったのよねぇ」
櫻さんはちょっと不満そうに言った。
「じゃあみんな受かったんですね」
「で、その後にウコイックが「でも、一応演技してみて~、練習も兼ねて~」なんて言うもんでよぉ、ちょっと終わるのが遅くなったってわけだぁ」
名前間違えてるし…まあ合格したなら良かった。
あ、そういえば、名前思い出したこと言うタイミング無かったな。
「あの、僕、名前思い出したんです」
「「えええ!!!」」
みんな驚いていた。
「僕の名前は稗田利人です、実は最初ここで起きた時に思い出してて」
「「おおー」」
「呼ばれたい名前とかあるかぁ?」
「んー、任せるよ」
「じゃあ稗田っちみたいなのどうだぁ」
「それで!」
とりあえず名前を伝えることはできた。
「稗田君のいる道具班は作業進んだの?」
「とりあえず服をたたみ終えて、あとは台本に合わせて衣装とか小道具とかです」
「頑張ってね稗田君…!」
日向ちゃんが珍しく喋った、オーディションに行く前より少し明るくなってる気もする、何か良いことでもあったんだろうか。
「ありがとう、じゃあ、あっち戻るね」
僕は手を振り道具班に戻ろうとした、その時。
「できたぁぁぁぁ!!!!!」
驚いて勢いよく振り向いてしまった、声はホワイトボードの方からだった。
「とりあえず台本出来たよキイックぅぅ!!!」
1人の女性が何枚もの紙を持ち、フリースペースに勢いよく入って行った。
少ししてキイックと女性が出てきた、キイックはみんなに向かって話し始めた。
「みんな~、台本班の頑張りによって台本が出来上がりました~ぱちぱち~」
みんなで拍手した。
「とりあえずこれを元にみんな準備に取り掛かってね~」
キイックは紙を指差した。
これで僕らも衣装作ったりできるぞ、さて、どんな内容なんだろう。
…ほぉ、呪いによって化け物の見た目になった王子様と、街で1番綺麗な女性が恋に落ちていって、最後には呪いが解けてハッピーエンド……なーんかどこかで聞いたことあるような話だけど、まあいいことにしよう。
僕は机に戻った、もうみんな服を仕分けしていて、僕も手伝った。
女性用と男性用と、あと、馬の被り物とか…
「これ、化け物の顔に使えそうじゃない?」
と洋一さんが馬の被り物を取った、これ使うのか、そう思ったが他に化け物っぽいのも無かったため、化け物役の顔は馬になった。
「んー、疲れたーー」
蒼さんがあくびをしながら体を伸ばした。
「じゃ、また後でね~」
フリースペースからキイックの声が聞こえ、扉が開き、中からぞろぞろと人が出てきた。
砕が凄い笑顔だ、不気味なぐらいに。
「おーい、俺受かったぞぉ!」
砕が嬉しそうにこっちに向かってきた。
「ごめん、ちょっと外すね」
僕は道具班に声をかけ、砕達に話を聞きに行った。
「とりあえず砕は受かっただね、櫻さんと日向ちゃんは?」
「それがね、キイックが「せっかく来てくれたから、みんな合格~」って言ったのよねぇ」
櫻さんはちょっと不満そうに言った。
「じゃあみんな受かったんですね」
「で、その後にウコイックが「でも、一応演技してみて~、練習も兼ねて~」なんて言うもんでよぉ、ちょっと終わるのが遅くなったってわけだぁ」
名前間違えてるし…まあ合格したなら良かった。
あ、そういえば、名前思い出したこと言うタイミング無かったな。
「あの、僕、名前思い出したんです」
「「えええ!!!」」
みんな驚いていた。
「僕の名前は稗田利人です、実は最初ここで起きた時に思い出してて」
「「おおー」」
「呼ばれたい名前とかあるかぁ?」
「んー、任せるよ」
「じゃあ稗田っちみたいなのどうだぁ」
「それで!」
とりあえず名前を伝えることはできた。
「稗田君のいる道具班は作業進んだの?」
「とりあえず服をたたみ終えて、あとは台本に合わせて衣装とか小道具とかです」
「頑張ってね稗田君…!」
日向ちゃんが珍しく喋った、オーディションに行く前より少し明るくなってる気もする、何か良いことでもあったんだろうか。
「ありがとう、じゃあ、あっち戻るね」
僕は手を振り道具班に戻ろうとした、その時。
「できたぁぁぁぁ!!!!!」
驚いて勢いよく振り向いてしまった、声はホワイトボードの方からだった。
「とりあえず台本出来たよキイックぅぅ!!!」
1人の女性が何枚もの紙を持ち、フリースペースに勢いよく入って行った。
少ししてキイックと女性が出てきた、キイックはみんなに向かって話し始めた。
「みんな~、台本班の頑張りによって台本が出来上がりました~ぱちぱち~」
みんなで拍手した。
「とりあえずこれを元にみんな準備に取り掛かってね~」
キイックは紙を指差した。
これで僕らも衣装作ったりできるぞ、さて、どんな内容なんだろう。
…ほぉ、呪いによって化け物の見た目になった王子様と、街で1番綺麗な女性が恋に落ちていって、最後には呪いが解けてハッピーエンド……なーんかどこかで聞いたことあるような話だけど、まあいいことにしよう。
僕は机に戻った、もうみんな服を仕分けしていて、僕も手伝った。
女性用と男性用と、あと、馬の被り物とか…
「これ、化け物の顔に使えそうじゃない?」
と洋一さんが馬の被り物を取った、これ使うのか、そう思ったが他に化け物っぽいのも無かったため、化け物役の顔は馬になった。
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