リピートライフ

花畑 空間

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第3章

#8次なるステップへ

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どれほど歩いたのだろう、なんならのか?
途中から感覚が無くなっていたが、何か進んでる気もする。
ぐっ…頭を殴られたように衝撃が走った。
あれ、自分の名前が分かる?
なんだなんだ、思い出してきてるぞ。
まるで滝行の水のような勢いで記憶が流れ込む、でも何を思い出してるか明確には分からない。
それを思い出したことにからだ、元からあった記憶のように感じるのだ。
そして頭が痛い、すごいキーンとする、色々思い出したからなのだろうか。
とにかく先へ進まないと。

痛みが和らいできた、感覚も少し戻ってきた。
あれ、僕仰向けになってるのか?歩いてたはずじゃ?
「おいぃ!しっかりしろぉ!」
砕の声?
まだ冴えない頭に砕の大きな声が響く…ん?檻の中にいた時と似てるな…デジャブを感じる。
ていうか、起きないと…
僕は急いで起き上がり、辺りを見渡した、そこには櫻さんに砕、日向ちゃんもいた、そして別の人達も。
「よかったぁ!死んだのかと思ったぜぇ…」
砕は少し泣いていた。砕の目にも涙、まあ元から優しいけど。
まずは状況を把握しないと。
「櫻さん、ここは?」
「私たちも知らないのよ、ただみんなに話を聞いたら分かったことがあってね、ここに集まってるチームは全員さっきの対抗戦をチームみたいなの」
もう勝敗が関わってきたのか?
「アカイックかウコイックは来てないんですか?」
「そうねぇ一応「全員起きたら行くね~」って放送は流れたわ」
他の人を見ても全員起きてる、じゃあ僕が最後だったのか?
「よ~し、全員起きたね~」
現れたのは…
「やあ勝者側の皆さん、僕はキイック、見ての通りウコイックの黄色バージョンさ~!」
やはり勝者側だったのか、それにアカイックに続きキイックか、でも
「やあ~、モデルチェンジしてたら遅れちゃった~!」
ウコイックが現れ…?!
「モデルチェンジって言ってもいわゆるだよ~!僕も君たちもまた1つ成長したのさ~!それに合わせて僕は体がレベルア~ップ!」
ウコイックはさっきまでの赤ちゃんの体とは違い、体が少しだけ大きくなっている、顔も少し大人になった。
「僕を見て分かるかな~?これは幼稚園児さ~、まあ保育園児でもいいけど~」
まあどちらにせよ、赤ちゃんから成長したってことなのだろう。
「え~、早速だけど今回やることを発表するね~」
ほんとに急だな。
「それは、お遊戯会だよ~!!」
お遊戯会、また小さな子がやりそうなことだ。
「まあ詳しいことは一斉に説明するから、こっちに来てね~」
ウコイックが扉から出ていった。
そういえばこの部屋をまだちゃんと見ていなかったな。
部屋は割と広く木造だ、2階に続くであろう階段もある、部屋の真ん中には大きな丸い木のテーブルがあって、木の椅子も用意されている。
とりあえずウコイックを待たせると何があるか分からない、扉を出よう。
僕達は扉を出た、すると広いドーム型の部屋に出た、そして反対側にはこっちと同じぐらいの人数が既に座っていた。
「さあ、勝者側の人達~そこに並んで座ってね~」
僕らの前にはキイック、反対側の人達の前には青いウコイック、とでも言うのだろうか。
そして真ん中には、「は~い、みんな注目~!説明始めるよ~」ウコイックが台に立っている。
「え~、みんなにはお遊戯会ってだけ伝えたと思うけど~、正確には、お芝居してもらいま~す」
お芝居するのか。
「まず勝者側のリーダーはキイック、敗者側はね~」
やっぱりアオイックだったのか、当たってちょっと嬉しかった。
「ちなみに今回はことがあるから、気をつけてね~」
そうか、すっかり忘れてた、元々命がかかってたんだった。
「ちなみに権利はキイックとアオイックが持ってるよ~それぞれのリーダーの機嫌を損ねないようにね~」
これは気をつけないといけなさそうだ、リーダーの言うことは絶対ってことだな。
「勝者側のキイックは穏やかな性格、敗者側のアオイックは冷たい性格だから、よろしくね~」
ここがさっきのに関わってくるのか、勝ったからその分リーダーが優しくて落とされにくいっていうことだな。
「じゃ、詳しい説明はさっきの部屋でリーダーから聞いてね~僕はここで待ってるから~」
ウコイックの話は終わったようだ。
はぁ、それにしても、
ずっと睨んできてるのがビンビン伝わる、きっと大きく勝敗が関わってきたからだろう。
「おいてめぇら、勝者側に喧嘩売ってたら~」
とアオイックのドスの効いた声が響いた。
結構遠くにいるのにその緊張感は伝わってくる、きっと近くで聞いたら泡吹いて倒れそうだ。
「じゃ、みんな行こうか~」
キイックの優しい声に癒されつつ僕らはさっきの部屋に戻った。
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