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14 番外編)陽吉、天野家を紹介する。
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(再 天野家の紹介。陽吉がお届けします。)
(依子)よーい…始めっ!)
あ、天野家は総勢十八人。敷地は…まぁ広く、療養所、その続きに母屋があり、母親の花江、月冬、妻の椿さんが暮らしています。
その隣りに私の家族と光吉家族の暮らす家。その向かいに照吉の家族が住む家があります。昔は照吉の住む家に家族が住まい、私の家は泊まり患者が使う療養棟でありました。そこに続きで光吉の家を増設し、今の形になっております。
増設した際に、風呂場を光吉宅の横に広く作り直し、大人と子供二、三人は裕に入れる湯船にしました。毎日賑やかでございます。
私の妻、依子(よりこ)はお茶屋の娘にして助産師で、久尾屋さんの菜々ちゃん、千陽ちゃん、蒼助さんの妹、安記さんの息子さんも取り上げております。私と依子で今の大川療養所をやっております!
子供は十五歳の巳春、十三歳の夏以、五歳の秋奈と男ばかりで、女を切望した依子によって可愛らしい名前ばかりになってしまいました…気が強くて参ります。その名前に息子達も不満たらたらで、私は苦笑いするしかありません。(汗)
光吉のところには妻の理代さん、十七歳のあやめ、十五歳の葵一、十歳の小梅(こうめ)がいて、照吉のところには妻のみゆきさん、七歳の海里(かいり)、五歳の知空(ともあき)、四歳の道留(みちる)がいます。
まだ手の掛かる子供達がいるので、妻達は毎日家中を走り回っております…頭が上がりません。
先日あやめの結婚話がまとまり、次は小梅かな?と考えておりますが、もしかしたら巳春か葵一が連れてくるかも?と期待を寄せている次第でございます。(私も早く孫が見たいのです。)しかし、巳春の医学塾の卒業はまだ先なので、学生結婚をするような子ではないので希望は薄いかな…。(涙)
夏以も勉強は良く出来たので、医学塾へ進学するものと思っておりましたが、意外に薬の方に興味を持ち、ならばと知り合いの薬学研究所への弟子入りを志願してはと提案しましたが、なんやかんやと久尾屋にお世話になる事になり…今は母屋の掃除をしていると聞いて、よく分からない次第です。(謎)
秋奈や他の子達はまだ寺子屋に通ったり家にいたりと将来の事などまだ考えている様子はないのでわかりませんが、健康に毎日楽しく暮らしてくれればと思っております。
え、照吉?照吉の紹介がまだ?あ、あぁ、すみません。末の弟、照吉は旅籠で男衆をやっております。給金が良い代わりに滅多に帰って来られません。新婚時代もそんな感じで。なので兄弟揃って同じ時期に結婚したのに、子供がだいぶ遅くなりました。(笑)
店の名前?えぇっと、確か…四月菖蒲(しがつしょうぶ)です。お洒落な名前ですよね。北の国寄りの遠い村でやっております、是非ご利用…え、あ、すみません。四月菖蒲は登録制だそうで、誰もが行ってすぐ泊まれる訳ではないそうです。(…みゆきさん、そうなんですか?)(みゆき)はい。)
最後にぐだぐだになってしまい申し訳ありません。あと、照吉の妻みゆきさんは元々、四月菖蒲の仲居さんです。今は専業主婦として子供達の世話をやってくれております。
では…。え?月冬、あ、はい。(焦)
月冬兄さんは天野家の長男なのですが、私達兄弟がこちらに帰って来た時に…そ、その、奉公先から帰られて。それからしばらく経って椿さんがお嫁にきまして。子供はおりませんが、ふたり仲良くしておりますし、私達の子供の面倒をよくみてくれております。
椿さんのお父様はそこの(指差す)、お寺の住職さんで、我が家にもよくいらっしゃって下さいます。私の仕事は医者ですので不幸があった時などはご相談にのらせていただいたりと、大変お世話になっております。
…父親である雪庵の親友でもあり、私達家族を気に掛けて下さって…とても良い人で。(泣)
何かありましたらご相談にのって下さるお方です。どうぞお寺にお参りに行ってみて下さい、紫陽花の綺麗なお寺ですよ。
え、寺の名前…?…はて、何だったかな。
あ、ちなみに、私の医師名は霜庵(そうあん)と申します、以後お見知り置きを!
(終わりっ!)(依子)お疲れ様っ!)
(とうちゃん、おしっこ。)(えっ!?(依子)えっ?!)
完。
(依子)よーい…始めっ!)
あ、天野家は総勢十八人。敷地は…まぁ広く、療養所、その続きに母屋があり、母親の花江、月冬、妻の椿さんが暮らしています。
その隣りに私の家族と光吉家族の暮らす家。その向かいに照吉の家族が住む家があります。昔は照吉の住む家に家族が住まい、私の家は泊まり患者が使う療養棟でありました。そこに続きで光吉の家を増設し、今の形になっております。
増設した際に、風呂場を光吉宅の横に広く作り直し、大人と子供二、三人は裕に入れる湯船にしました。毎日賑やかでございます。
私の妻、依子(よりこ)はお茶屋の娘にして助産師で、久尾屋さんの菜々ちゃん、千陽ちゃん、蒼助さんの妹、安記さんの息子さんも取り上げております。私と依子で今の大川療養所をやっております!
子供は十五歳の巳春、十三歳の夏以、五歳の秋奈と男ばかりで、女を切望した依子によって可愛らしい名前ばかりになってしまいました…気が強くて参ります。その名前に息子達も不満たらたらで、私は苦笑いするしかありません。(汗)
光吉のところには妻の理代さん、十七歳のあやめ、十五歳の葵一、十歳の小梅(こうめ)がいて、照吉のところには妻のみゆきさん、七歳の海里(かいり)、五歳の知空(ともあき)、四歳の道留(みちる)がいます。
まだ手の掛かる子供達がいるので、妻達は毎日家中を走り回っております…頭が上がりません。
先日あやめの結婚話がまとまり、次は小梅かな?と考えておりますが、もしかしたら巳春か葵一が連れてくるかも?と期待を寄せている次第でございます。(私も早く孫が見たいのです。)しかし、巳春の医学塾の卒業はまだ先なので、学生結婚をするような子ではないので希望は薄いかな…。(涙)
夏以も勉強は良く出来たので、医学塾へ進学するものと思っておりましたが、意外に薬の方に興味を持ち、ならばと知り合いの薬学研究所への弟子入りを志願してはと提案しましたが、なんやかんやと久尾屋にお世話になる事になり…今は母屋の掃除をしていると聞いて、よく分からない次第です。(謎)
秋奈や他の子達はまだ寺子屋に通ったり家にいたりと将来の事などまだ考えている様子はないのでわかりませんが、健康に毎日楽しく暮らしてくれればと思っております。
え、照吉?照吉の紹介がまだ?あ、あぁ、すみません。末の弟、照吉は旅籠で男衆をやっております。給金が良い代わりに滅多に帰って来られません。新婚時代もそんな感じで。なので兄弟揃って同じ時期に結婚したのに、子供がだいぶ遅くなりました。(笑)
店の名前?えぇっと、確か…四月菖蒲(しがつしょうぶ)です。お洒落な名前ですよね。北の国寄りの遠い村でやっております、是非ご利用…え、あ、すみません。四月菖蒲は登録制だそうで、誰もが行ってすぐ泊まれる訳ではないそうです。(…みゆきさん、そうなんですか?)(みゆき)はい。)
最後にぐだぐだになってしまい申し訳ありません。あと、照吉の妻みゆきさんは元々、四月菖蒲の仲居さんです。今は専業主婦として子供達の世話をやってくれております。
では…。え?月冬、あ、はい。(焦)
月冬兄さんは天野家の長男なのですが、私達兄弟がこちらに帰って来た時に…そ、その、奉公先から帰られて。それからしばらく経って椿さんがお嫁にきまして。子供はおりませんが、ふたり仲良くしておりますし、私達の子供の面倒をよくみてくれております。
椿さんのお父様はそこの(指差す)、お寺の住職さんで、我が家にもよくいらっしゃって下さいます。私の仕事は医者ですので不幸があった時などはご相談にのらせていただいたりと、大変お世話になっております。
…父親である雪庵の親友でもあり、私達家族を気に掛けて下さって…とても良い人で。(泣)
何かありましたらご相談にのって下さるお方です。どうぞお寺にお参りに行ってみて下さい、紫陽花の綺麗なお寺ですよ。
え、寺の名前…?…はて、何だったかな。
あ、ちなみに、私の医師名は霜庵(そうあん)と申します、以後お見知り置きを!
(終わりっ!)(依子)お疲れ様っ!)
(とうちゃん、おしっこ。)(えっ!?(依子)えっ?!)
完。
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