92 / 100
第92話
しおりを挟む
「いやだ、死にたくない、誰か、誰か助けてくれぇえーーーーっ!」
黒山はそう叫びながら海を泳いで逃げようとした。
ラグネシアという巨大なレッドドラゴンの登場についに精神が破壊されてしまったのだろう。
ここは我がダンジョン島からかなり離れたところにある。
人が死ぬ気で泳いでもどこにもたどり着けはしない。
「…あの人間を消し飛ばせばいいのか?」
「いやいやその必要はありません」
登場シーンだけで黒山の心をへし折ったのでもう彼女の出番はないのだ。
もちろん黒山には海をテキトーに逃げられてもめんどくさいので逃走も封じておこう。
「なっなんだこいつらっ!?」
黒山が何かに気付き驚いた声をあげる。
奴の周りには海を泳ぐ何者かが黒山を包囲していた、彼らが海面にちょこっと顔を出す。
それはシャチのような姿をした存在だった、いつぞやのスケルトンシップを沈める時に遠目に眺めるだけだったあの精霊たちである。
ハルカに確認したところあの精霊たちの名前はマリンランサーという名前の精霊らしい、体当たりすると様々なものに風穴を開けるほど物理的な攻撃力が高いそうだ。
その上で魔法とかもポンポン使うらしいのでかなり強い精霊らしい、モフリンベアーどちらが戦ったら強いのだろうかと、そんなことを考える私だ。
マリンランサーに包囲された黒山に最早逃げ場などない。
さて最後の仕上げと行くか。
「ハルカ、アヤメ…」
「分かったわ」
「任せなさ~い!」
久しぶりに2人が黒い銃の姿へと変身し、私がそれを装備する。
その様子を黒山は驚愕した顔でみていた、更に驚く事になるがね。
何故なら私はその銃口を黒山に向けたからだ。
2人が銃に変身したのもそうだが直接銃口を向けられた事に黒山はめっちゃくちゃビビる。
「まさか……あの2人も人間じゃなかったというのか?」
「まあその通りですね」
「貴様それで本当に私を殺すというのか? 本気か!?」
それについて私は無言で答える、こう言う時の無言ってかなり怖いよね?
正直言ってここで消してしまった方が後々ことを考えると…そんな風に思わないでもないのだ。
しかしそれでも……ね。
「まずお前には身の程というものを理解してもらわなくてはって事さ……『黒刃鎖龍弾《ドラグーンバレット》』」
二つの銃口から弾丸が放たれる。
その弾丸は黒山から少し離れた場所へ 飛んで行き海面に同時に着弾。
そこに紫色に輝く魔法陣が展開され一体の巨大な龍が現れる。
その長い胴体は黒いの鎖のような形状をしていて無数の黒い刃が全身から生えていた。
そしてその頭はドラゴンのそれを思わせるが頭の先端はとにかく鋭利で巨大な刃のようになっている。
相変わらずの全身凶器な漆黒の龍が現れた。
「ほうっ仮初めの命を与えられた存在を使役するか、なかなかやるな…ヒロキ」
「お誉めに預かり光栄です、ラグネシアさん」
「ネシアで構わん」
「……分かった、ネシア」
どうやら彼女にも少しは認められたらしい、そして黒山は更に狼狽えていた。
「バカな……こんな化け物を操るというのか? お前みたいな人間が…」
「これで理解できましたか? 私たちがその気になれば、黒山…お前程度の虫けらはいつでも排除することが出来るということが」
「いっ一河広樹……貴様ーーっ!」
「もし理解できないというのなら……」
私、と言うか実際はハルカとアヤメのスキルによって召喚された黒い龍はその刃物のような頭を黒山の真横に叩きつける。
その衝撃で海面から何メートルか上空に吹っ飛ぶ黒山。
ヤツは悲鳴をあげながら海面にドボン。
そして浮かび上がると長いこと海面に浮かんでいることもあり青白くなっていた黒山の顔はさらに悪くなっていた。
するとマリンランサー達が黒山の周囲から若干の距離を取った、何故だろう。
「ヒロキさん、あの男…」
「ヒロキ君~あいつ漏らしたわ~」
「…………そうか」
黒山は失禁した。
我がダンジョンの海を汚すとは許せんと思いつつも何て情けなく哀れな男なんだという哀れみの感情も浮かんでしまった。
怒りと哀れみの感情が私の心の中で溢れそうだ、そして黒山はそんな自らの情けなさすぎる現実を受け入れられないのか白目をむいてで気絶した。
そんな私は黒山を見て一言。
「ドラグーン、とりあえず黒山が沈むそうになったらに引き上げて起こして。契約書にサインするって言うまでは助けないから」
ここら辺は厳しくに行こうと思います。
また漏らしても譲らんよ。
黒山はそう叫びながら海を泳いで逃げようとした。
ラグネシアという巨大なレッドドラゴンの登場についに精神が破壊されてしまったのだろう。
ここは我がダンジョン島からかなり離れたところにある。
人が死ぬ気で泳いでもどこにもたどり着けはしない。
「…あの人間を消し飛ばせばいいのか?」
「いやいやその必要はありません」
登場シーンだけで黒山の心をへし折ったのでもう彼女の出番はないのだ。
もちろん黒山には海をテキトーに逃げられてもめんどくさいので逃走も封じておこう。
「なっなんだこいつらっ!?」
黒山が何かに気付き驚いた声をあげる。
奴の周りには海を泳ぐ何者かが黒山を包囲していた、彼らが海面にちょこっと顔を出す。
それはシャチのような姿をした存在だった、いつぞやのスケルトンシップを沈める時に遠目に眺めるだけだったあの精霊たちである。
ハルカに確認したところあの精霊たちの名前はマリンランサーという名前の精霊らしい、体当たりすると様々なものに風穴を開けるほど物理的な攻撃力が高いそうだ。
その上で魔法とかもポンポン使うらしいのでかなり強い精霊らしい、モフリンベアーどちらが戦ったら強いのだろうかと、そんなことを考える私だ。
マリンランサーに包囲された黒山に最早逃げ場などない。
さて最後の仕上げと行くか。
「ハルカ、アヤメ…」
「分かったわ」
「任せなさ~い!」
久しぶりに2人が黒い銃の姿へと変身し、私がそれを装備する。
その様子を黒山は驚愕した顔でみていた、更に驚く事になるがね。
何故なら私はその銃口を黒山に向けたからだ。
2人が銃に変身したのもそうだが直接銃口を向けられた事に黒山はめっちゃくちゃビビる。
「まさか……あの2人も人間じゃなかったというのか?」
「まあその通りですね」
「貴様それで本当に私を殺すというのか? 本気か!?」
それについて私は無言で答える、こう言う時の無言ってかなり怖いよね?
正直言ってここで消してしまった方が後々ことを考えると…そんな風に思わないでもないのだ。
しかしそれでも……ね。
「まずお前には身の程というものを理解してもらわなくてはって事さ……『黒刃鎖龍弾《ドラグーンバレット》』」
二つの銃口から弾丸が放たれる。
その弾丸は黒山から少し離れた場所へ 飛んで行き海面に同時に着弾。
そこに紫色に輝く魔法陣が展開され一体の巨大な龍が現れる。
その長い胴体は黒いの鎖のような形状をしていて無数の黒い刃が全身から生えていた。
そしてその頭はドラゴンのそれを思わせるが頭の先端はとにかく鋭利で巨大な刃のようになっている。
相変わらずの全身凶器な漆黒の龍が現れた。
「ほうっ仮初めの命を与えられた存在を使役するか、なかなかやるな…ヒロキ」
「お誉めに預かり光栄です、ラグネシアさん」
「ネシアで構わん」
「……分かった、ネシア」
どうやら彼女にも少しは認められたらしい、そして黒山は更に狼狽えていた。
「バカな……こんな化け物を操るというのか? お前みたいな人間が…」
「これで理解できましたか? 私たちがその気になれば、黒山…お前程度の虫けらはいつでも排除することが出来るということが」
「いっ一河広樹……貴様ーーっ!」
「もし理解できないというのなら……」
私、と言うか実際はハルカとアヤメのスキルによって召喚された黒い龍はその刃物のような頭を黒山の真横に叩きつける。
その衝撃で海面から何メートルか上空に吹っ飛ぶ黒山。
ヤツは悲鳴をあげながら海面にドボン。
そして浮かび上がると長いこと海面に浮かんでいることもあり青白くなっていた黒山の顔はさらに悪くなっていた。
するとマリンランサー達が黒山の周囲から若干の距離を取った、何故だろう。
「ヒロキさん、あの男…」
「ヒロキ君~あいつ漏らしたわ~」
「…………そうか」
黒山は失禁した。
我がダンジョンの海を汚すとは許せんと思いつつも何て情けなく哀れな男なんだという哀れみの感情も浮かんでしまった。
怒りと哀れみの感情が私の心の中で溢れそうだ、そして黒山はそんな自らの情けなさすぎる現実を受け入れられないのか白目をむいてで気絶した。
そんな私は黒山を見て一言。
「ドラグーン、とりあえず黒山が沈むそうになったらに引き上げて起こして。契約書にサインするって言うまでは助けないから」
ここら辺は厳しくに行こうと思います。
また漏らしても譲らんよ。
1
お気に入りに追加
76
あなたにおすすめの小説
仰っている意味が分かりません
水姫
ファンタジー
お兄様が何故か王位を継ぐ気満々なのですけれど、何を仰っているのでしょうか?
常識知らずの迷惑な兄と次代の王のやり取りです。
※過去に投稿したものを手直し後再度投稿しています。
【完結】悪役令嬢の断罪現場に居合わせた私が巻き込まれた悲劇
藍生蕗
ファンタジー
悪役令嬢と揶揄される公爵令嬢フィラデラが公の場で断罪……されている。
トリアは会場の端でその様を傍観していたが、何故か急に自分の名前が出てきた事に動揺し、思わず返事をしてしまう。
会場が注目する中、聞かれる事に答える度に場の空気は悪くなって行って……
幼馴染の彼女と妹が寝取られて、死刑になる話
島風
ファンタジー
幼馴染が俺を裏切った。そして、妹も......固い絆で結ばれていた筈の俺はほんの僅かの間に邪魔な存在になったらしい。だから、奴隷として売られた。幸い、命があったが、彼女達と俺では身分が違うらしい。
俺は二人を忘れて生きる事にした。そして細々と新しい生活を始める。だが、二人を寝とった勇者エリアスと裏切り者の幼馴染と妹は俺の前に再び現れた。
ああ、もういらないのね
志位斗 茂家波
ファンタジー
……ある国で起きた、婚約破棄。
それは重要性を理解していなかったがゆえに起きた悲劇の始まりでもあった。
だけど、もうその事を理解しても遅い…‥‥
たまにやりたくなる短編。興味があればぜひどうぞ。
私は、忠告を致しましたよ?
柚木ゆず
ファンタジー
ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私マリエスは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢ロマーヌ様に呼び出されました。
「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」
ロマーヌ様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は常に最愛の方に護っていただいているので、貴方様には悪意があると気付けるのですよ。
ロマーヌ様。まだ間に合います。
今なら、引き返せますよ?
英雄一家は国を去る【一話完結】
青緑
ファンタジー
婚約者との舞踏会中、火急の知らせにより領地へ帰り、3年かけて魔物大発生を収めたテレジア。3年振りに王都へ戻ったが、国の一大事から護った一家へ言い渡されたのは、テレジアの婚約破棄だった。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい
一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。
しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。
家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。
そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。
そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。
……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる