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第79話
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ちょっと意味が分からなかったので尋ねる。
「アヤメ、侵入者が来たってどういうこと? それにアズサが捕まったって…」
「そのままの意味よ。なんか武器持ったマッチョな人間が新居に侵入してきてアズサを捕まえてたの、アタシは見つからずにこっちに来れたんだけど…」
アヤメが嘘を言う理由はない、と言うか一応家には鍵をかけていたはずだ。
中から開けない限りは…と思うがしかし我が家の鍵は普通の田舎の一軒家のそれ。
防犯機能的なものがあるかと言われるとほとんどないに等しいだろう。
とにもかくにも状況を確認するしかないか。
私たちはダンジョンゲートの方に向かった。
そして走ること少し、ダンジョンゲートが見えてくる。
ダンジョン ゲートの入り口の中は光に満たされていてその奥の方が見えることはない。
しかし扉の向こうのやり取りするの声くらいなら実は聞こえてたりするのだ。
向こうの目的は不明だが少し聞き耳を立てて様子を見てみる。
私は口の前に人差し指を立てて一緒に連れてきたアヤメとさゆり静かに無言になるようにとジェスチャーを送る。
そしてダンジョンゲートの前で少し聞き耳を立てた。
聞いた覚えのない男の声が聞こえてくるぞ。
「くそっ! やはりダンジョンゲートは直接出入りすることは俺たちにはできないか?」
「おいっ小娘このゲートを通過する方法を知っているなら言えよ? その方が身の為だぞ!」
「……やはりダンジョンマスターが現れるのを待って不意打ちで無力化するしかないか?」
「だなっ確か説明だとダンジョンマスターは三十過ぎのどこにでもいる普通のおっさんらしい」
「拘束した後はどうする?」
「決まってる。俺たちのスキルと拘束用のアイテムで自由を奪いこのダンジョンを我々の為に使いたくなるように教育をして、ダンジョンを手に入れる。それだけだ」
聞こえて来た声は全部で五つ、最初と最後の声は同一人物の物と思われる。
その内容は碌なもんじゃない。
「「「………………」」」
なるほどなるほど。
ちょろっと聞き耳を立てただけだがダンジョンゲートの向こうにいる連中に対しての手心を加えようかどうかを迷っていた私の感情が消えたよ。
一度ダンジョンゲートから離れて2人とやり取りをする。
「なんかとんでもないのが来てるっぽいね…」
「アレは明らかにダンジョン関連の犯罪集団だと思われます、あの手の連中からは碌な噂を聞きません」
だろうね、話してる内容が完全にいち社会人のそれては質が違うもの。
「ここから向こうの状況を知るにはハルカの力を借りるのが一番だ、アヤメ、ハルカは今日どこにいるんだい?」
「ハルカなら呼べば来ると思うわよ?」
「分かった、ハルカーもし聞こえてるならこっちに瞬間移動してきてくれ」
「何かしら?」
ハルカが一瞬で現れた。
「こっちの状況は理解している?」
「いえっ私は今さっきまでダンジョンにも新居にもいなかったから、ただヒロキさんの状況は逐一確認してたから来ただけよ?」
私の状況を逐一?
気になる話だが今は無視する。
「そうか、なら…」
俺はハルカに現在の状況を可能な限り説明した。
話を理解したハルカは『千里眼』を使って向こうの状況を確認する。
「…確かにあのアズサって子は捕まってるわ」
「アズサは今どんな状況なんですか!?」
「命に別称はないわ、拘束されていると言っても両手を後ろでに掴まれて捕まっているだけよ。瞬間移動で不意をつけばすぐに助けられるわ」
ハルカの言葉にさゆりがホッとしたようだ。
「それなら後の問題はこの連中の目的と どうやってこの新居を突き止めたかだね、どうやら私の情報がどこかから流れたらしい…」
「……何? みんな集まってどうしたの?」
少しシリアスな感じになっていた時に 響が戻ってきた。
私はもう一度現在の状況を説明する。
「そんなの許せないわっ私の刀の錆にしてやる!」
「私のスキルで焼き払ってやろうと思います」
「落ち着いて2人とも…」
せっかく買った新しい新居を君らのスキルで破壊されたくないよ。
そう言えばその侵入してきた連中が我が家のことを気遣ってくれているかも分からないんだよな…。
一刻も早く連中を無力化して家の状態を確認したい。
もちろんアズサが無事だというのを確認するのが優先だけど。
ハルカの言うことを疑うわけではないけど自身の目で見てみないとやはり心配なものは心配なのだ。
「まず赤城さんと紺野さんはここで待機していて」
「そんな」
「何で!?」
「2人はまだ学生だから、こんな危険な連中の相手をさせられないよ。それに状況によってはこっちとしてもその侵入者たちに対して少々手厳しい事をしなければならなくなるかもしれない…少なくとも子供が見ていい物かおすすめはできないからね」
私の言葉に響とさゆりは納得はできないといった顔をしながらも無言となる。
ハルカとアヤメの方を見ると2人は無言で頷いた。
「仕掛けるなら先手必勝で一瞬で終わらせよう」
「勿論わかってるわ!」
「あの人間たちに慈悲は必要ないわね」
そして私たちは行動を開始した。
「アヤメ、侵入者が来たってどういうこと? それにアズサが捕まったって…」
「そのままの意味よ。なんか武器持ったマッチョな人間が新居に侵入してきてアズサを捕まえてたの、アタシは見つからずにこっちに来れたんだけど…」
アヤメが嘘を言う理由はない、と言うか一応家には鍵をかけていたはずだ。
中から開けない限りは…と思うがしかし我が家の鍵は普通の田舎の一軒家のそれ。
防犯機能的なものがあるかと言われるとほとんどないに等しいだろう。
とにもかくにも状況を確認するしかないか。
私たちはダンジョンゲートの方に向かった。
そして走ること少し、ダンジョンゲートが見えてくる。
ダンジョン ゲートの入り口の中は光に満たされていてその奥の方が見えることはない。
しかし扉の向こうのやり取りするの声くらいなら実は聞こえてたりするのだ。
向こうの目的は不明だが少し聞き耳を立てて様子を見てみる。
私は口の前に人差し指を立てて一緒に連れてきたアヤメとさゆり静かに無言になるようにとジェスチャーを送る。
そしてダンジョンゲートの前で少し聞き耳を立てた。
聞いた覚えのない男の声が聞こえてくるぞ。
「くそっ! やはりダンジョンゲートは直接出入りすることは俺たちにはできないか?」
「おいっ小娘このゲートを通過する方法を知っているなら言えよ? その方が身の為だぞ!」
「……やはりダンジョンマスターが現れるのを待って不意打ちで無力化するしかないか?」
「だなっ確か説明だとダンジョンマスターは三十過ぎのどこにでもいる普通のおっさんらしい」
「拘束した後はどうする?」
「決まってる。俺たちのスキルと拘束用のアイテムで自由を奪いこのダンジョンを我々の為に使いたくなるように教育をして、ダンジョンを手に入れる。それだけだ」
聞こえて来た声は全部で五つ、最初と最後の声は同一人物の物と思われる。
その内容は碌なもんじゃない。
「「「………………」」」
なるほどなるほど。
ちょろっと聞き耳を立てただけだがダンジョンゲートの向こうにいる連中に対しての手心を加えようかどうかを迷っていた私の感情が消えたよ。
一度ダンジョンゲートから離れて2人とやり取りをする。
「なんかとんでもないのが来てるっぽいね…」
「アレは明らかにダンジョン関連の犯罪集団だと思われます、あの手の連中からは碌な噂を聞きません」
だろうね、話してる内容が完全にいち社会人のそれては質が違うもの。
「ここから向こうの状況を知るにはハルカの力を借りるのが一番だ、アヤメ、ハルカは今日どこにいるんだい?」
「ハルカなら呼べば来ると思うわよ?」
「分かった、ハルカーもし聞こえてるならこっちに瞬間移動してきてくれ」
「何かしら?」
ハルカが一瞬で現れた。
「こっちの状況は理解している?」
「いえっ私は今さっきまでダンジョンにも新居にもいなかったから、ただヒロキさんの状況は逐一確認してたから来ただけよ?」
私の状況を逐一?
気になる話だが今は無視する。
「そうか、なら…」
俺はハルカに現在の状況を可能な限り説明した。
話を理解したハルカは『千里眼』を使って向こうの状況を確認する。
「…確かにあのアズサって子は捕まってるわ」
「アズサは今どんな状況なんですか!?」
「命に別称はないわ、拘束されていると言っても両手を後ろでに掴まれて捕まっているだけよ。瞬間移動で不意をつけばすぐに助けられるわ」
ハルカの言葉にさゆりがホッとしたようだ。
「それなら後の問題はこの連中の目的と どうやってこの新居を突き止めたかだね、どうやら私の情報がどこかから流れたらしい…」
「……何? みんな集まってどうしたの?」
少しシリアスな感じになっていた時に 響が戻ってきた。
私はもう一度現在の状況を説明する。
「そんなの許せないわっ私の刀の錆にしてやる!」
「私のスキルで焼き払ってやろうと思います」
「落ち着いて2人とも…」
せっかく買った新しい新居を君らのスキルで破壊されたくないよ。
そう言えばその侵入してきた連中が我が家のことを気遣ってくれているかも分からないんだよな…。
一刻も早く連中を無力化して家の状態を確認したい。
もちろんアズサが無事だというのを確認するのが優先だけど。
ハルカの言うことを疑うわけではないけど自身の目で見てみないとやはり心配なものは心配なのだ。
「まず赤城さんと紺野さんはここで待機していて」
「そんな」
「何で!?」
「2人はまだ学生だから、こんな危険な連中の相手をさせられないよ。それに状況によってはこっちとしてもその侵入者たちに対して少々手厳しい事をしなければならなくなるかもしれない…少なくとも子供が見ていい物かおすすめはできないからね」
私の言葉に響とさゆりは納得はできないといった顔をしながらも無言となる。
ハルカとアヤメの方を見ると2人は無言で頷いた。
「仕掛けるなら先手必勝で一瞬で終わらせよう」
「勿論わかってるわ!」
「あの人間たちに慈悲は必要ないわね」
そして私たちは行動を開始した。
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