58 / 100
第58話
しおりを挟む
「おそらく、私の瞬間移動に近い能力をあのレッドドラゴンは持っていると思うわ」
「あ~そうか」
なるほど瞬間移動か。
それならこの問答無用な感じも納得できる。
登場の時と同様にあまりにもいきなりだったのでちょっと混乱してしまった私だ。
そう理解してみると少し落ち着いたので改めて自分たちが今どこにいるのか周囲の状況を確認してみよう。
あの赤い髪の美女が城と言っていただけに内装しか知らないがまさに中世のお城のような感じに見受けられる。
本物の中世のお城なんて見たこともないんだけどとにかく凄いねとしか言えない感じの内装だ。
壁は真っ白で床は白い代理石のようだった。
そこに赤く精緻な刺繍が施された絨毯が敷かれていて天井には大きく豪華なシャンデリア幾つもあり、その光がこの広い空間を照らしていた。
端から端まで視線を動かせば大きな階段なども見える。
本当に何かのおとぎ話に出てくるお城の中にでも来てしまった感じだ。
こんなのが火山にあるだなんて普通は信じられないな。
唖然とする私にふふんといった感じで レッドドラゴンらしい美女が口を開いた。
「ここが我が城、赤竜城だ。本来なら直ぐにでも話をしてやりたいが…まあそれはそれとして、まずはお前たちは服を着るといい」
彼女は既に服を着ていた、どんなミラクルな早業を使ったのだろうか。
白を基調としたドレスで金色の金属で 所々装飾されていて胸元は開いている。
なんかこんな格好したゲームキャラとかいそう。
バトルドレスといえばいいのか、そんな感じの服装である。
そのドレスの上から白いモフモフがついた赤いマントを羽織っている。
そういう姿をするとまさに女王様といった感じに見えるな、とても偉そうだ。
そんな彼女が言葉を言い終えた瞬間、周囲にまた謎の集団が出現した。
この人たちも瞬間移動を持っているのか?
現れたのはメイド服を着込んだ若い女性の集団である。
しかしただの人間ではない、その女性たちは耳が若干とんがっていて頭から角が生えていた。
「この者たちは我が眷属でこの城の使用人である。言うことに従ってさっさと着替えてこい」
眷属ってことは彼女たちもドラゴンなのか?
ドラゴンメイドさんか。
念のためハルカとアヤメの方を見てみるが特に警戒はしていない。
ならダンジョンの主という全く持ってそんな実感がないとしても、そんな私がオロオロするのもあれなので美女の言葉に「分かりました」と返事してドラゴンメイドさん達の言うことに従うとしよう。
ドラゴンメイドさんの一人である銀髪セミショートで金色の瞳を持つ綺麗な女性が一人前に出る。
「ようこそ赤竜城へ、私がお客様方の対応するメイドのミスラです。どうぞこちらへ…」
「分かりました」
案内してくれるみたいなのでメイドさんの後について行く。
ちなみにの話だが下半身はタオルで隠しているとはいえ普通にさっきまで温泉に入っていたので我々はずぶ濡れだ。
足元の高そうな絨毯がだいぶ濡れてるのだけど…これ後で文句とか言われないのかな。
そんな場違いなことを考えてしまう私だった。
ドラゴンメイドのミスラの案内でハルカとアヤメとは別の部屋に案内された。
普通なら頼れる2人と離されるとか見知らぬ城では怖いと感じそうなのだが、不思議とそんな感じはしない。
ダンジョンで生活するようになって悪意やら敵意を持ってる相手とそうじゃない相手がなんとなく判断出来るようになってきたのだ。
少なくともあの赤い髪の美女やこのメイドさんのミスラとそれ以外のメイドたちも悪意や敵意を持ってる感じはしなかった。
案内された部屋には大きなクローゼットがありそこに掛けられた服やらズボンやらをミスラがテキパキと用意してくれる。
私はそれらを着る前に手渡された乾いたタオルで身体をフキフキしてる最中である。
直ぐ近くで綺麗なメイドさんがいるのに身体を拭くことや腰のタオルを取るのには若干抵抗があったが仕方ないか。
色々と諦めた私は渡された服を着る、まるで着せ替え人形だな。
まあその人形がアラサーのおっさんでは映える物も映えないのだが…。
私が服を着ると前のボタンだったりをこれまたテキパキととめてくれるミスラだった。
正にできるメイドって感じだ。
無論本物のメイドなんて生まれて始めて見るのでよく分からないけど。
「……こっこれで良いんでしょうか?」
「はいっお召し物がよく似合っておりますよ、お客様」
部屋には大きな鏡が備えられいる。
その鏡で見る自分はどう見ても服に着られているのだけどね…。
まあリップサービスだよね、分かってますとも。
部屋のドアが開いた。
見るとハルカとアヤメが来ていた。
共に美しいドレス姿だ、まああの2人は着ている女性も美人なので様になっているんだけどね。
こうして見ると足の長さとか身体のラインの出来からして違うんだよな~。
「ヒロキ君、どうよこの……どうしたの? 表情が暗いわよ?」
「何か気に入らない事がありましたかお客様?」
「いいや……何でもないよ」
胴長短足……この言葉をここまで見せつけられる機会が来ようとはな。
我ながら場違いな所でダメージを受けている私である。
「あ~そうか」
なるほど瞬間移動か。
それならこの問答無用な感じも納得できる。
登場の時と同様にあまりにもいきなりだったのでちょっと混乱してしまった私だ。
そう理解してみると少し落ち着いたので改めて自分たちが今どこにいるのか周囲の状況を確認してみよう。
あの赤い髪の美女が城と言っていただけに内装しか知らないがまさに中世のお城のような感じに見受けられる。
本物の中世のお城なんて見たこともないんだけどとにかく凄いねとしか言えない感じの内装だ。
壁は真っ白で床は白い代理石のようだった。
そこに赤く精緻な刺繍が施された絨毯が敷かれていて天井には大きく豪華なシャンデリア幾つもあり、その光がこの広い空間を照らしていた。
端から端まで視線を動かせば大きな階段なども見える。
本当に何かのおとぎ話に出てくるお城の中にでも来てしまった感じだ。
こんなのが火山にあるだなんて普通は信じられないな。
唖然とする私にふふんといった感じで レッドドラゴンらしい美女が口を開いた。
「ここが我が城、赤竜城だ。本来なら直ぐにでも話をしてやりたいが…まあそれはそれとして、まずはお前たちは服を着るといい」
彼女は既に服を着ていた、どんなミラクルな早業を使ったのだろうか。
白を基調としたドレスで金色の金属で 所々装飾されていて胸元は開いている。
なんかこんな格好したゲームキャラとかいそう。
バトルドレスといえばいいのか、そんな感じの服装である。
そのドレスの上から白いモフモフがついた赤いマントを羽織っている。
そういう姿をするとまさに女王様といった感じに見えるな、とても偉そうだ。
そんな彼女が言葉を言い終えた瞬間、周囲にまた謎の集団が出現した。
この人たちも瞬間移動を持っているのか?
現れたのはメイド服を着込んだ若い女性の集団である。
しかしただの人間ではない、その女性たちは耳が若干とんがっていて頭から角が生えていた。
「この者たちは我が眷属でこの城の使用人である。言うことに従ってさっさと着替えてこい」
眷属ってことは彼女たちもドラゴンなのか?
ドラゴンメイドさんか。
念のためハルカとアヤメの方を見てみるが特に警戒はしていない。
ならダンジョンの主という全く持ってそんな実感がないとしても、そんな私がオロオロするのもあれなので美女の言葉に「分かりました」と返事してドラゴンメイドさん達の言うことに従うとしよう。
ドラゴンメイドさんの一人である銀髪セミショートで金色の瞳を持つ綺麗な女性が一人前に出る。
「ようこそ赤竜城へ、私がお客様方の対応するメイドのミスラです。どうぞこちらへ…」
「分かりました」
案内してくれるみたいなのでメイドさんの後について行く。
ちなみにの話だが下半身はタオルで隠しているとはいえ普通にさっきまで温泉に入っていたので我々はずぶ濡れだ。
足元の高そうな絨毯がだいぶ濡れてるのだけど…これ後で文句とか言われないのかな。
そんな場違いなことを考えてしまう私だった。
ドラゴンメイドのミスラの案内でハルカとアヤメとは別の部屋に案内された。
普通なら頼れる2人と離されるとか見知らぬ城では怖いと感じそうなのだが、不思議とそんな感じはしない。
ダンジョンで生活するようになって悪意やら敵意を持ってる相手とそうじゃない相手がなんとなく判断出来るようになってきたのだ。
少なくともあの赤い髪の美女やこのメイドさんのミスラとそれ以外のメイドたちも悪意や敵意を持ってる感じはしなかった。
案内された部屋には大きなクローゼットがありそこに掛けられた服やらズボンやらをミスラがテキパキと用意してくれる。
私はそれらを着る前に手渡された乾いたタオルで身体をフキフキしてる最中である。
直ぐ近くで綺麗なメイドさんがいるのに身体を拭くことや腰のタオルを取るのには若干抵抗があったが仕方ないか。
色々と諦めた私は渡された服を着る、まるで着せ替え人形だな。
まあその人形がアラサーのおっさんでは映える物も映えないのだが…。
私が服を着ると前のボタンだったりをこれまたテキパキととめてくれるミスラだった。
正にできるメイドって感じだ。
無論本物のメイドなんて生まれて始めて見るのでよく分からないけど。
「……こっこれで良いんでしょうか?」
「はいっお召し物がよく似合っておりますよ、お客様」
部屋には大きな鏡が備えられいる。
その鏡で見る自分はどう見ても服に着られているのだけどね…。
まあリップサービスだよね、分かってますとも。
部屋のドアが開いた。
見るとハルカとアヤメが来ていた。
共に美しいドレス姿だ、まああの2人は着ている女性も美人なので様になっているんだけどね。
こうして見ると足の長さとか身体のラインの出来からして違うんだよな~。
「ヒロキ君、どうよこの……どうしたの? 表情が暗いわよ?」
「何か気に入らない事がありましたかお客様?」
「いいや……何でもないよ」
胴長短足……この言葉をここまで見せつけられる機会が来ようとはな。
我ながら場違いな所でダメージを受けている私である。
3
お気に入りに追加
76
あなたにおすすめの小説
仰っている意味が分かりません
水姫
ファンタジー
お兄様が何故か王位を継ぐ気満々なのですけれど、何を仰っているのでしょうか?
常識知らずの迷惑な兄と次代の王のやり取りです。
※過去に投稿したものを手直し後再度投稿しています。
【完結】悪役令嬢の断罪現場に居合わせた私が巻き込まれた悲劇
藍生蕗
ファンタジー
悪役令嬢と揶揄される公爵令嬢フィラデラが公の場で断罪……されている。
トリアは会場の端でその様を傍観していたが、何故か急に自分の名前が出てきた事に動揺し、思わず返事をしてしまう。
会場が注目する中、聞かれる事に答える度に場の空気は悪くなって行って……
ああ、もういらないのね
志位斗 茂家波
ファンタジー
……ある国で起きた、婚約破棄。
それは重要性を理解していなかったがゆえに起きた悲劇の始まりでもあった。
だけど、もうその事を理解しても遅い…‥‥
たまにやりたくなる短編。興味があればぜひどうぞ。
英雄一家は国を去る【一話完結】
青緑
ファンタジー
婚約者との舞踏会中、火急の知らせにより領地へ帰り、3年かけて魔物大発生を収めたテレジア。3年振りに王都へ戻ったが、国の一大事から護った一家へ言い渡されたのは、テレジアの婚約破棄だった。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
冤罪をかけられ、彼女まで寝取られた俺。潔白が証明され、皆は後悔しても戻れない事を知ったらしい
一本橋
恋愛
痴漢という犯罪者のレッテルを張られた鈴木正俊は、周りの信用を失った。
しかし、その実態は私人逮捕による冤罪だった。
家族をはじめ、友人やクラスメイトまでもが見限り、ひとり孤独へとなってしまう。
そんな正俊を慰めようと現れた彼女だったが、そこへ私人逮捕の首謀者である“山本”の姿が。
そこで、唯一の頼みだった彼女にさえも裏切られていたことを知ることになる。
……絶望し、身を投げようとする正俊だったが、そこに学校一の美少女と呼ばれている幼馴染みが現れて──
学園長からのお話です
ラララキヲ
ファンタジー
学園長の声が学園に響く。
『昨日、平民の女生徒の食べていたお菓子を高位貴族の令息5人が取り囲んで奪うという事がありました』
昨日ピンク髪の女生徒からクッキーを貰った自覚のある王太子とその側近4人は項垂れながらその声を聴いていた。
学園長の話はまだまだ続く……
◇テンプレ乙女ゲームになりそうな登場人物(しかし出てこない)
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げています。
幼馴染の彼女と妹が寝取られて、死刑になる話
島風
ファンタジー
幼馴染が俺を裏切った。そして、妹も......固い絆で結ばれていた筈の俺はほんの僅かの間に邪魔な存在になったらしい。だから、奴隷として売られた。幸い、命があったが、彼女達と俺では身分が違うらしい。
俺は二人を忘れて生きる事にした。そして細々と新しい生活を始める。だが、二人を寝とった勇者エリアスと裏切り者の幼馴染と妹は俺の前に再び現れた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる