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第3章『決戦、ヘンタイ寝取り悪魔』

第1話『本性』

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「ううっぐっ!・・・」

場所は木々に囲まれた場所だった、森の中にありながらそこだけ何故か1本しか木が生えていない。とても大きな大樹がある。

ムートは地面に倒れていた。
身体には小さな傷が幾つもありかなりいたぶられる様に攻撃された後が伺える。

そんなムートを見下ろす様にしているのはバッカスである、その両隣にはアップルとフロメラがまるで人形の様な意思がなく、能面の様な顔をして棒立ちしている。完全に洗脳魔法の支配下である。

ムートは苦しい表情をしながらもバッカスをにらみ付けて声を荒げる。

「バッカス!これは一体どう言う事だ!ここはどこなんだ!俺達は確か冒険者ギルドにいて・・・」

ムートの言葉にバッカスはいやらしく笑った。

「あん?まだそんなことも分からねぇのか?まっ所詮は駆け出しだしな、いいぜ冥土の土産に色々教えてやるよ。お前はギルドの奥に連れて行って適当なクエストの話をしてる最中に魔法で眠らせた、後は俺が転移魔法で運んだのさ」

ちなみに時間が夜なのは、3人を眠らせた後、バッカスは普通にギルドの仕事を片付けていたからだったりする。

「そっそんなこと聞いてんじゃねぇ!なんで俺を攻撃する!?なんでアップルとフロメラがお前の隣にいるんだ!?」

「ううん?それはなぁ~~」

バッカスがフロメラに手を伸ばしてその巨乳を鷲掴む。

「ッ!辞めろバッカス!フロメラ!何で抵抗しないんだよ!?」

「そんなの俺の魔法の支配下にあるからに決まってんだろ?コイツらみて普通じゃない事くらい気付けよ」

「まっ魔法の支配下!?」

「そうさ、あのファルセスの住民も!冒険者も!みんな俺の魔法でコントロールされてんのさ!お前もなムート!」

ウソである、街の人間全てを魔法でコントロールするなんて言うのは流石にバッカスでも出来ない。

この男に出来るのは記憶を多少改竄したりして本来そこにいない人間がいても違和感を覚えなくしたり、逆にいるはずの人間がいなくても、何の疑問も持たない様にするのが限界だったりする。

その力を使って街の美人や女冒険者をギルド職員として偽装したりしていた。
そしていつもは冒険者ギルドの地下にある部屋に監禁している。

カレナが見つけた全裸の女性達がギルド職員として働かされていたのだ。

「バッカス、お前の目的は何だ!俺達やファルセスの街の人間に何をしようと・・・」

「あ?クククッソイツは趣味と実益を兼ねての・・・遊びだな?」

「あっ遊びだと?」

「ああっそうだ、ムート!今のお前は俺にボコられてまともに動けない。そんなのお前の前で、この2人を犯すんだよ!」

「ッ!?なっなんだと」

ムートの顔を見て、バッカスはニヤリとわらった。

「いい顔だ、俺はなぁ~~目の前で好きな女を犯されるテメェらザコ冒険者の顔を見るのが大好きなんだよ!これまでも何組もの冒険者パーティーをこの趣味の為に潰してきたのさ」

バッカスのヘンタイ性癖暴露。バッカスは心底楽しそうにブサイクな満面の笑みを浮かべる。

「こっこのヘンタイ野郎が!」

「最初は街の人間で少しずつ我慢してたんだが・・・やっぱり我慢が出来なくてな、昨日は王都の冒険者組合の女スパイが現れたよ。まっ返り討ちにして手駒にしてやったがな」

(カレナはあの胡散臭いクロノとパーティーを組んだ事がある、ヤツを捕らえるには最適な人材だろう、ギルドの方も俺の女達で職員を固めておいた、あの男が冒険者ギルドでカレナの捜索する依頼を受ければ・・・確実に殺すだろう)

バッカスは黒野が緑地竜を倒した事を警戒していた。何より黒野にはバッカスの魔法が通用しなかったのである。

これは黒野が持つ魔物の知識によってバッカスに対して不信感を持っていた為だ、バッカスの魔法は相手がある程度心を許していないと効果を発揮しない。

だからこそ時間をかけて少しずつ街の人間の信頼を得てきたのである。

「クククッムート、俺様はなぁ~~実はもう一つ大好きなもんがあるんだよ」

フロメラの胸を揉みながらバッカスは喋る。

「それは、お前が殺されて魔物のエサにする時、この女達の洗脳魔法解くんだ。すると目の前でお前が殺される場面を見るよな?そんな絶望的な状況を目の当たりした表情を楽しみながら犯す事なんだよ~~」

バッカスのヘンタイ性癖のヤバさは留まる事を知らない、レッドゾーンに向かって一直線である。

「さっさっきから本当に気持ち悪い事ばっかり言いやがって!キモいんだよテメェ!」

「まぁ性癖の話だ、気持ち悪いと感じるヤツはいる。だが俺様が楽しければそれで良いんだよ!」

バッカスの笑い声が更に大きくなった時である。

突然地面にヒビが入り無数の木の根が現れた。

「なっ何だよこれは!?」

「あ~~すまん、お前の怒りと憎しみの感情が余程美味そうだったんだろう。女を犯して更にキレさせようとしたんだが、もう我慢できねぇってよ」

ムートはその時。バッカスの背後の大樹が異形の怪物に変化するのをその目で見た。




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