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第一章『冒険者として活動します』
第2話『冒険者ギルド』
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中に入る、やっぱり外以上に冒険者達でギルドの中は賑わっていた。
ゴツい。怖い。直ぐキレそうと言う三拍子が揃っているぞ。おっかねぇ。
「この人達に混じって働くのか・・・」
まあまだ冒険者になってもいないので捕らぬタヌキの皮算用って話だ。
先ずは受付らしき場所にむかう、受付にはゴツい男達ではなくかなり若くて綺麗な女性が立っていたので直ぐに分かった。
「すみません、冒険者になってお金を稼ぎたいのですが・・・」
「え?冒険者になるんですか?」
「はいっそうです」
やはりこの日本人的な中肉中背の身体では冒険者になると言うの信じられないらしい。
この冒険者ギルドの平均的な身長の人と比べても多分10センチくらいは私が低いからな。
ガタイの良し悪しでは最早プロレスラーともやし野郎くらいに隔たりがある。
彼らの腕が私の足くらい太い、そんな人々がなるのが冒険者って事なんだろうな。
「あの、クエストの依頼とかではないんですか?もしも冒険者が必要でもお金が無いと言うのなら一時的にギルドが依頼報酬を用意して・・・」
あっ何か勘違いさせてしまった、いかんいかん。
「いえっ依頼とかではなく、普通にお金が無くてこの街で生活出来ないから、冒険者になろうとしているだけです」
「ぼっ冒険者は命の危険がかなりありますよ?失礼ながら武器どころか防具も持っていない方には・・・」
「いやっ流石に魔物を相手にするつもりは、あの~採集クエスト的な物はありませんか?」
「・・・採集クエストでも基本的に魔物がいる危険な場所に行くことは変わりません。命の危険性は大差ありませんよ?」
成る程、云われて見ればその通りである。
どうやら私は過去にしたゲームの知識や小説の創作情報を鵜呑みにし過ぎていた様だ。
ここは少なくとも私にとってはゲームでも何でもない、現実なのだ。
ゲームみたいにコンティニューとかを期待して死んで何とかなるだろうとか馬鹿な勘違いは流石にしているつもりはないが、それと大差ない感じでまたあの危険な森とか似たような場所に行くのに深く物事を考えていなかった。
時間を停められると言う切り札が強力過ぎるが故であり、単純に私と言う人間が足下を掬われやすい人間だと言う事だ、恥ずかしい限りである。
「貴女の言うとおりですね」
「そうですよ?だから冒険者はレベルも高くてステータスも高い方達以外の人は冒険者になれても1年も経たずに死ぬ人がとても多いんです。
私達冒険者ギルドの人間には街にいる間のフォローまだしか出来ません、街の外に出て行けばそこから先は自分しか頼れる人はいないんですよ?。
冒険者になるのはそこを理解して・・・」
なっなんか一気に喋り出してきたな。
まあそれもこれも私自身のこのケンカすら碌にしてきた事のない正にザッ一般人な見た目が故だが。
しかしこの受付譲さんはよく喋る、けど言ってる事は的を得ているし、この世界の情報を殆ど持たない私にはむしろ有り難い事だ。
「確かに冒険者ギルドが斡旋するクエストには街での便利屋さん見たいなクエストもありますよ?しかしあれは冒険者と街の人達との繋がりを持ってもらう為であり、報酬が安いからと言って毛嫌いしたりましてや私達ギルドの職員に文句を・・・」
あっこれは誰かの単なる愚痴だな。
ここで口を挟ませてもらおう。
「成る程、ギルドの方も大変なんですね。それでは冒険者になるには何か書類などを作成する必要はあったりしますか?」
「え?ああっそ、そうでしたね。『魂の石版』に記された貴女の名前やレベルをこの書類にお願いします」
いつの間にか愚痴っていた自身の失態にパニクったのか今度は素直に冒険者になる書類を出してくれた。
私は書類を書き込み、それを受け取った彼女は何やらカードをカウンターに置いた。
「これは?」
「これは冒険者ギルドで発行されるギルドカードです身分証明書としも使えます、けど冒険者になっても可能なら街の中で出来るクエストを本当にオススメしますよ?」
見た目、高校生くらいなのに人に気を使える彼女に私は内心嬉しかった。
私が彼女の年頃に、こんな言葉を誰かに言えただろうか?。
彼女の心配が現実にならない様に、今後は気を引き締めて冒険者としてクエストとやらを受けたいな。
「分かりました、気をつける様にします」
そしてその後は冒険者として最低限の知識について聞いておく。
魔物を倒したらこの街まで運ばなければならないとか、その魔物の素材を買い取りとかをしているのかとか、その手のテンプレと言えるシステムがあるのかについて聞かせてもらった。
彼女からは『魔物と戦う気全開じゃないですか』って視線を向けられたけど仕方ない。
宿も食事も先ずはお金がないと手に入らないんだ、お腹が空いたし少し休みたいけどまだ頑張ろう。
クエストは私がいた森にあるファンタジーな植物とかを取ってくると言う感じの採集クエストを適当に受けた。
しかし本音を言うと私の狙いは採集ではなく魔物だ。
魔物は食べられたり、冒険者の装備の素材になるヤツは買い取りして貰えるのだそうだ。それも結構な金額で。
私は当面の生活費を稼ぐ為に、冒険者ギルドを後にした。
ゴツい。怖い。直ぐキレそうと言う三拍子が揃っているぞ。おっかねぇ。
「この人達に混じって働くのか・・・」
まあまだ冒険者になってもいないので捕らぬタヌキの皮算用って話だ。
先ずは受付らしき場所にむかう、受付にはゴツい男達ではなくかなり若くて綺麗な女性が立っていたので直ぐに分かった。
「すみません、冒険者になってお金を稼ぎたいのですが・・・」
「え?冒険者になるんですか?」
「はいっそうです」
やはりこの日本人的な中肉中背の身体では冒険者になると言うの信じられないらしい。
この冒険者ギルドの平均的な身長の人と比べても多分10センチくらいは私が低いからな。
ガタイの良し悪しでは最早プロレスラーともやし野郎くらいに隔たりがある。
彼らの腕が私の足くらい太い、そんな人々がなるのが冒険者って事なんだろうな。
「あの、クエストの依頼とかではないんですか?もしも冒険者が必要でもお金が無いと言うのなら一時的にギルドが依頼報酬を用意して・・・」
あっ何か勘違いさせてしまった、いかんいかん。
「いえっ依頼とかではなく、普通にお金が無くてこの街で生活出来ないから、冒険者になろうとしているだけです」
「ぼっ冒険者は命の危険がかなりありますよ?失礼ながら武器どころか防具も持っていない方には・・・」
「いやっ流石に魔物を相手にするつもりは、あの~採集クエスト的な物はありませんか?」
「・・・採集クエストでも基本的に魔物がいる危険な場所に行くことは変わりません。命の危険性は大差ありませんよ?」
成る程、云われて見ればその通りである。
どうやら私は過去にしたゲームの知識や小説の創作情報を鵜呑みにし過ぎていた様だ。
ここは少なくとも私にとってはゲームでも何でもない、現実なのだ。
ゲームみたいにコンティニューとかを期待して死んで何とかなるだろうとか馬鹿な勘違いは流石にしているつもりはないが、それと大差ない感じでまたあの危険な森とか似たような場所に行くのに深く物事を考えていなかった。
時間を停められると言う切り札が強力過ぎるが故であり、単純に私と言う人間が足下を掬われやすい人間だと言う事だ、恥ずかしい限りである。
「貴女の言うとおりですね」
「そうですよ?だから冒険者はレベルも高くてステータスも高い方達以外の人は冒険者になれても1年も経たずに死ぬ人がとても多いんです。
私達冒険者ギルドの人間には街にいる間のフォローまだしか出来ません、街の外に出て行けばそこから先は自分しか頼れる人はいないんですよ?。
冒険者になるのはそこを理解して・・・」
なっなんか一気に喋り出してきたな。
まあそれもこれも私自身のこのケンカすら碌にしてきた事のない正にザッ一般人な見た目が故だが。
しかしこの受付譲さんはよく喋る、けど言ってる事は的を得ているし、この世界の情報を殆ど持たない私にはむしろ有り難い事だ。
「確かに冒険者ギルドが斡旋するクエストには街での便利屋さん見たいなクエストもありますよ?しかしあれは冒険者と街の人達との繋がりを持ってもらう為であり、報酬が安いからと言って毛嫌いしたりましてや私達ギルドの職員に文句を・・・」
あっこれは誰かの単なる愚痴だな。
ここで口を挟ませてもらおう。
「成る程、ギルドの方も大変なんですね。それでは冒険者になるには何か書類などを作成する必要はあったりしますか?」
「え?ああっそ、そうでしたね。『魂の石版』に記された貴女の名前やレベルをこの書類にお願いします」
いつの間にか愚痴っていた自身の失態にパニクったのか今度は素直に冒険者になる書類を出してくれた。
私は書類を書き込み、それを受け取った彼女は何やらカードをカウンターに置いた。
「これは?」
「これは冒険者ギルドで発行されるギルドカードです身分証明書としも使えます、けど冒険者になっても可能なら街の中で出来るクエストを本当にオススメしますよ?」
見た目、高校生くらいなのに人に気を使える彼女に私は内心嬉しかった。
私が彼女の年頃に、こんな言葉を誰かに言えただろうか?。
彼女の心配が現実にならない様に、今後は気を引き締めて冒険者としてクエストとやらを受けたいな。
「分かりました、気をつける様にします」
そしてその後は冒険者として最低限の知識について聞いておく。
魔物を倒したらこの街まで運ばなければならないとか、その魔物の素材を買い取りとかをしているのかとか、その手のテンプレと言えるシステムがあるのかについて聞かせてもらった。
彼女からは『魔物と戦う気全開じゃないですか』って視線を向けられたけど仕方ない。
宿も食事も先ずはお金がないと手に入らないんだ、お腹が空いたし少し休みたいけどまだ頑張ろう。
クエストは私がいた森にあるファンタジーな植物とかを取ってくると言う感じの採集クエストを適当に受けた。
しかし本音を言うと私の狙いは採集ではなく魔物だ。
魔物は食べられたり、冒険者の装備の素材になるヤツは買い取りして貰えるのだそうだ。それも結構な金額で。
私は当面の生活費を稼ぐ為に、冒険者ギルドを後にした。
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