俺は神殺し!…(偽)~ダンジョンでパパッと稼いで地上ではのんびりスローライフ~

どらいあい

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第二章 クラフトスキルと依頼

第82話

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「おはようございます日影さん」

「ああっおはよう」

「……一応聞きますが何があったんですか?」

「まあ色々あったんだよ……」

 訝しげな表情を浮かべるミルティに俺は適当な返事をした。
 ちょっと疲れていたからだ、疲れた理由は簡単だ昨日一睡もせずにいたからな。

 別に一晩中モンスターを戦っていたとかではない。
 モンスターたちは俺のスキルでその数の大半を減らしていったらいつのまにか逃げていた。
 或いは殆ど全滅させてしまったのだろう。
 そして今回の夜戦にて俺は新たな称号とスキルを得た。

【おめでとうございます、長時間の夜間での戦闘とモンスターの大量討伐により称号『暗闇の蹂躙者』を獲得しました。新たなスキル『ミッドナイトブリンガー』『ミッドナイトミスト』『ブラックアサシネイト』を獲得しました】

【暗闇の蹂躙者】
【夜に真価を発揮する引きニートの如き力。夜間の戦闘において全ステータスがかなり強化される、新婚さんが夜に元気になるのはお盛んな時にも心強い味方となる称号】

 なかなかに悪くない称号だ、まあ俺は『神殺し(偽)』のままにしとくけど。
 スキルについては数が多いな…能力の確認はまた今度にする。

 そして称号やスキルゲットを喜ぶ前に面倒くさい事が起きる。
 今宮のやつが真っ暗闇な草原に散らばった魔石を全て回収しようとか言い始めやがったんだ。

 そんなの朝になってからでいいだろうという俺と守咲の言葉には耳を貸さずにスマホの明かりだけを頼りに暗い草原の中に突っ込んで行きやがった。

 モンスターたちがまた出てくる可能性もあるというのに全く…というわけで渋々俺は休むのをやめて今宮を手伝う事にした。
 そして俺が行くと真面目な守咲もといった感じだ。

 結局3人はそれぞれの持つスマホの明かりと何本ものオーラブレードの先にレインボーフレアを灯して明かりを確保し魔石を集めていたわけである。
 本当に疲れた、なんであんなバカみたいなことをやったんだろうと思う。

 今宮とかほっとけば良かった、結局モンスターも現れなかったしな。
 おかげで俺と守咲は完全な寝不足だ。

 しかし朝になったからといって3人で休むとかそんな警戒心ゼロな真似は出来ないので俺が起きて見張りをしてる、今宮と守咲はテントの中で爆睡している。

 今宮は集めに集めた魔石を突っ込んだコンビニ袋やリュックサックを抱きしめながら寝ている、守咲がパンとか何かを買ってきた時にそれを入れていた袋とかリュックサックである。

「それではわたくしが来たわけですし、今から休むんですか?」

「いやっ今日のノルマを先に済ませる、さっさとこの依頼も終わらせたいしな。俺1人で行ってくるからミルティはあの2人のお守りを頼む」

「分かりましたわ、モンスターが現れたらわたくしが対処しておきます」

 「任せた」

 俺は籠を背中に、そして両手で一個ずつ掴んで雪山ダンジョンへと向けて歩いて行った。分かっていたことだかこの手の依頼も1人でやった方が一番早い。

 それぞれの籠に満杯になるように鉱石を積んで後は持って普通に歩く、モンスターが出て来たらオーラブレードで三枚に下ろして魔石を回収する。

 そんな感じのことを今宮と守咲がノコノコと起きてくるまでの間に三往復することができた、元同僚たちに事前に頼まれていた量にはまだまだ足りないが少なくとも今日のノルマとしては十分だろう。

「よしっ俺も一回帰って寝るか」

 と言う訳で今宮たちが起きてきたら今度は俺がテントで寝た。

 その後、俺が寝てる間に魔石の取り分に対して今宮のバカが自分が拾った分は全て自分のものだとか訳の分からないことを言い出して守咲にドン引きされていた。

 目覚めた俺に「お前舐めてんのか、お前の取り分なんざお前自身が倒した数体分だけに決まってんだろが!」と言われたらポンコツがマジのマジ泣きをしてミルティが俺を責めるような目で見てきたりと、しょうもないイベントが所々勃発した。

 そんなこんなで俺はどうにか元同僚に頼まれてた鉱石を集めることが出来たのだ。
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