俺は神殺し!…(偽)~ダンジョンでパパッと稼いで地上ではのんびりスローライフ~

どらいあい

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第二章 クラフトスキルと依頼

第80話

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「う~~納得できないんですけど…」

「うるせえっいいからさっさと夜食の準備をしろよポンコツ」

「ポッポポポポンコツッ!? また言いましたねポンコツ先輩!」

 簀巻きから解放したら今宮が舐めた態度だったので俺は速攻で仕事を押し付けた。

 このバカは今日のパチンコで稼いだ金の大半をすりやがったのだ。
 ダンジョンを出て連絡を取ったら金がなくなったから明日にでもダンジョンに行きませんかみたいなことを言ってきやがった。

 どこに行きたいか話し合いたいからという理由をつけて俺の家に一度集合することを提案してみると、ノコノコこいつは現れた。

 そしてどこぞで仕入れた縄を用意していた俺にパパッと簀巻きにされてここに持って来られたというわけだ。

 暴れる簀巻き女を運ぶ時は人の有無に気を使ったが寂れたパチンコ屋に運ぶだけだったから人に見つかることもなかったのは運が良かったな。

「歩さん、さすがにあんまりでは?」

「凛、この馬鹿に関しては全部自業自得だからあんまり優しい態度を取る必要はないぞ」

「ひどいですよ先輩~さっきからあんまりじゃないですか~」

「歩さん……今宮さんは一体何をしたと言うんですか?」

「ダンジョンで稼いだ報酬をパチでほとんどすりやがったんだよこのバカは。コイツを自由にさせているといくら金を持たせても意味がない、ダンジョンに拉致して無理やり労働させてる方が俺たちと社会の為にもいくらか建設的なんだ」

「……………」

 守咲が無言となり今宮から数歩ほど離れた。
 それはそのままあの2人の心の距離だというところだな。

「はぁ~めんどくさいなぁ、なんで私がこんなことを……」

「……ちゃんと働いたらその分の魔石くらいは確保してやるからちゃんと働け」

「全力で働かさせていただきます!」

 現金なやっちゃなこのポンコツは。
 今宮はテキパキと準備をしだした、今回夜営するにあたりそのままでも簡単に食べれる物を守咲は準備していた。

 しかしここはそう遠くない場所に雪山 なんてものがあるダンジョンだ、夜は冷える。
 だから暖かい物をいくつか用意したいと思った。

 ならばどうするかと言うと単純にガスコンロを用意してそれで煮炊きするってだけだけどな、後は暖を取るための焚き火とかも準備する。

 この焚き火が枝を探すのが地味に面倒くさかった、このダンジョンには木々が生えてはいるんだが焚き火とかするのに適した枝が落ちてるダンジョンというのが実は少ないのだ。

 だから俺の田舎にポツンと一軒家みたいな家の近くにある森からなんか燃えそうな枝を事前に袋に入れてきた。

 今はそれを燃やしてパチパチといい音を出している、ダンジョンは焚き火した後のマナーみたいなもんとかを言うやつはほとんどいないからいいんだよな。

 何故ならそういう焚き火をした跡とかも次に来た時なぜか消えているからな。
 理由?
 そんなもん知らん。

「…それにしてもこの鉱石の量、結構集めたもんですね」

「はい歩さんや他の探索者と共に頑張りました!」

「守咲さんは真面目ですね~立派ですよ~守咲さんが頑張った分だけ私は少し手抜きは出来る気がして嬉しいです」

「……今宮さん?」

「言葉を慎めポンコツ」

 守咲に向かって舐めたことを抜かす今宮に苦言を呈す。
 本当にこの馬鹿は放っておくと無限に調子に乗ってくるからな。

 お調子乗りの青春十八切符でも買っているのだろうか、無駄に乗りまくってんじゃないぞ。

 細かく飴と鞭の鞭の方を与えておかねばならない、油断ならない駄馬だ。

 その後今宮が買ってきたパンだったりを食べて俺の方はガスコンロでお湯を沸かしてカップラーメンとかインスタントコーヒーだったりを準備する。

 後インスタントのコーンスープとかも準備した。
 それ、を食べてお腹が膨れると自然と気分もリフレッシュする。

 ここはダンジョンだ、あまり気を抜いていい場所ではないが基本的にモンスターが出ない場所だと分かっていると存外こういうキャンプの真似事をするのは悪くない気がするな。

 そんなことを考えていた時だった、俺の持つ謎の感知センサーが何やら妙な気配を察知する。

「……何だと?」

 それはこの闇夜に紛れる無数のモンスターと思われる存在の気配だった。
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