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第四章 名前持ちのダンジョン
第40話
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現れたモンスターはガーゴイルだ。
石っぽい身体とハゲ頭に一本角を持つ悪魔のような姿をしたモンスターで体は硬いくせに普通にコウモリのような羽根を持ち空を飛んで襲ってくる。
はっきり言ってこれまで戦ってきたスライムとかグリーンワームに比べたら完全な格上でそれっ反則だと思うんだよねって感じのモンスターだ。
石っぽい身体は本当にただの刃物なんかでは傷一つつかない、と言うか矢とか拳銃なんかでもダメージは普通にゼロ。
固い石じゃなくて石っぽいわけのわからん金属でできるんじゃないのかなあいつの体って感じの頑丈さを有している。
そんなモンスターが空飛んでワラワラとこちらに向かってきている。
「ガーゴイルは空飛べるくせになんで灰道を進んでる時は出てこないんだろうな」
「さぁね、そんなのこのダンジョンの支配者にでも聞いてみればいいんじゃないかしら?」
「このダンジョンの支配者か『搾取王の廃道』なんだからその搾取王ってやつがこのダンジョンの王様なのかもな」
「それよりどうしますか? すでにガーゴイル達はこちらに接近中です、先手を打つなら早い方がいいと思いますが…」
天海の言う通りだな、しかしまずはリーダーにお伺いを立てるとしますか。
「愛華、それでどうすんだ? 俺は遠距離攻撃はできないから盾くらいにしかならないぞ」
俺は嘘を言った。
ゴッドブレイクアローを使ったら何も残らなくなってしまうのであんなもんは実質使用不可能スキルだからな。
あっそれなら嘘を言っていないことになるのだろうか。
俺が自問自答していると愛華から新しい指示が来た。
「ふんっならあゆむはガーゴイルたちに接近して適当に注意を引き付けて、向こうは数が多いから囲まれたりしたら大変よ。そうなるとこっちも迂闊に攻撃できないから、あくまで距離を取っての陽動に専念して」
「分かった、それじゃあ行ってくる」
「行ってくるって本当に武器を持ってないんですよね……?」
「必要ない、武器なら向こうからもう来てる」
「………はい?」
頭上に?マークでも浮かべてそうな顔をする天海。
俺はそれに構わずガーゴイルたちに突撃した。
距離を取れと言われたがそれだと素手の俺にできることはあまりない、とりあえず大きな声を出して連中の意識を向けさせる。
「おいっこの空飛ぶ石像野郎! 石像の分際で空を飛ぶとかどういうこった、カッパみたいな顔した不細工悪魔が、そんな調子に乗った羽根なんかつけてんじゃねぇよお前らにふさわしいのはそんな羽根じゃなくてそのハゲ頭の防御力アップの為の皿じゃねぇのかあ~? まっそのハゲ頭の方がお似合いだぜ!」
俺の分かりやすい挑発が効いたのかどうかわからない、ただ現れたガーゴイルは全て俺の方に向かってきた。
もしかしたらヘイトを稼ぎすぎちまったかな。
高速で迫るガーゴイル達の体当たり攻撃や伸びた爪でのひっかき攻撃を紙一重で次々と躱す俺。
「『サモン・リビングソード』!」
「遠距離支援攻撃をします!」
愛華が使役するリビングソード二本がガーゴイル達に襲いかかる。
宙を飛来する斬撃と刺突は硬いはずのガーゴイルの体を切り飛ばしたり突き刺したりしている。
あの剣、切れ味すごっステータスが高いからって調子こいてわざと受けたりとかしないでよかったわ…。
天海は腰から拳銃を抜いてガーゴイル達を撃ってる、本来なら銃弾でガーゴイルには傷一つつけられない。だが天海の攻撃はガーゴイルの硬い身体に穿っていた。
しかし銃弾がめり込んでいたりはしない。
あれはただの拳銃じゃないな、体を穿っても弾丸がめり込んでいないのはあの拳銃の弾が火薬により発射される銃弾じゃないからだ。
あれはおそらく魔弾専用の拳銃だ。
魔弾はモンスターの魔石を加工することで作られる特殊な弾丸でモンスターたちに対して有効なダメージを与えることができる代物である。
逆に通常の拳銃や刀剣ではまずモンスターにまともにダメージを与えることはできない。
俺は以前ネットで見た動画だと、自動小銃を使ってリザードマン、あの体は人間っぽい感じの二足歩行する頭は完全にトカゲってモンスター、あれを数人で囲んで撃ちまくった動画があった。
リザードマンはマジでピンピンしてたんだよ。
詳しい理屈なんか高卒の俺にわかるわけはないがとにかくそんな感じで通常の武器ではまともにモンスターにダメージを通すことはできないというのが世界の常識である。
つまり天海が持っている銃はモンスターにダメージを与えられる以上、ただの銃ではないということだ。
おっとあの2人が強力な攻撃をしたことで向こうの方を気にするガーゴイルが出てきたな。
俺はガーゴイル対してヘイトを稼ぐために挑発を開始する。
「この不細工な雑魚モンスターどもが! お前らみたいな魔石をドロップするためだけに生まれたような存在が、俺たち探索者に喧嘩売ること自体間違いなんだよ!」
あっ駄目だ、さすがにもう暴言吐いてくるやつよりも実際に攻撃してくるやつの方がヘイトは高いようである。
2体ほど愛華と天海の方に向かった。
仕方ないので素早く走って先行する2体のガーゴイルに追いつく。
そしてジャンプして飛んでるガーゴイルの片方の足をつかむとそのままもう片方にそのガーゴイルをぶん投げた。
2体のガーゴイルはぶつかり、お互いに粉々になってしまった。
よしっこれで少しは戦闘に貢献したかな。
石っぽい身体とハゲ頭に一本角を持つ悪魔のような姿をしたモンスターで体は硬いくせに普通にコウモリのような羽根を持ち空を飛んで襲ってくる。
はっきり言ってこれまで戦ってきたスライムとかグリーンワームに比べたら完全な格上でそれっ反則だと思うんだよねって感じのモンスターだ。
石っぽい身体は本当にただの刃物なんかでは傷一つつかない、と言うか矢とか拳銃なんかでもダメージは普通にゼロ。
固い石じゃなくて石っぽいわけのわからん金属でできるんじゃないのかなあいつの体って感じの頑丈さを有している。
そんなモンスターが空飛んでワラワラとこちらに向かってきている。
「ガーゴイルは空飛べるくせになんで灰道を進んでる時は出てこないんだろうな」
「さぁね、そんなのこのダンジョンの支配者にでも聞いてみればいいんじゃないかしら?」
「このダンジョンの支配者か『搾取王の廃道』なんだからその搾取王ってやつがこのダンジョンの王様なのかもな」
「それよりどうしますか? すでにガーゴイル達はこちらに接近中です、先手を打つなら早い方がいいと思いますが…」
天海の言う通りだな、しかしまずはリーダーにお伺いを立てるとしますか。
「愛華、それでどうすんだ? 俺は遠距離攻撃はできないから盾くらいにしかならないぞ」
俺は嘘を言った。
ゴッドブレイクアローを使ったら何も残らなくなってしまうのであんなもんは実質使用不可能スキルだからな。
あっそれなら嘘を言っていないことになるのだろうか。
俺が自問自答していると愛華から新しい指示が来た。
「ふんっならあゆむはガーゴイルたちに接近して適当に注意を引き付けて、向こうは数が多いから囲まれたりしたら大変よ。そうなるとこっちも迂闊に攻撃できないから、あくまで距離を取っての陽動に専念して」
「分かった、それじゃあ行ってくる」
「行ってくるって本当に武器を持ってないんですよね……?」
「必要ない、武器なら向こうからもう来てる」
「………はい?」
頭上に?マークでも浮かべてそうな顔をする天海。
俺はそれに構わずガーゴイルたちに突撃した。
距離を取れと言われたがそれだと素手の俺にできることはあまりない、とりあえず大きな声を出して連中の意識を向けさせる。
「おいっこの空飛ぶ石像野郎! 石像の分際で空を飛ぶとかどういうこった、カッパみたいな顔した不細工悪魔が、そんな調子に乗った羽根なんかつけてんじゃねぇよお前らにふさわしいのはそんな羽根じゃなくてそのハゲ頭の防御力アップの為の皿じゃねぇのかあ~? まっそのハゲ頭の方がお似合いだぜ!」
俺の分かりやすい挑発が効いたのかどうかわからない、ただ現れたガーゴイルは全て俺の方に向かってきた。
もしかしたらヘイトを稼ぎすぎちまったかな。
高速で迫るガーゴイル達の体当たり攻撃や伸びた爪でのひっかき攻撃を紙一重で次々と躱す俺。
「『サモン・リビングソード』!」
「遠距離支援攻撃をします!」
愛華が使役するリビングソード二本がガーゴイル達に襲いかかる。
宙を飛来する斬撃と刺突は硬いはずのガーゴイルの体を切り飛ばしたり突き刺したりしている。
あの剣、切れ味すごっステータスが高いからって調子こいてわざと受けたりとかしないでよかったわ…。
天海は腰から拳銃を抜いてガーゴイル達を撃ってる、本来なら銃弾でガーゴイルには傷一つつけられない。だが天海の攻撃はガーゴイルの硬い身体に穿っていた。
しかし銃弾がめり込んでいたりはしない。
あれはただの拳銃じゃないな、体を穿っても弾丸がめり込んでいないのはあの拳銃の弾が火薬により発射される銃弾じゃないからだ。
あれはおそらく魔弾専用の拳銃だ。
魔弾はモンスターの魔石を加工することで作られる特殊な弾丸でモンスターたちに対して有効なダメージを与えることができる代物である。
逆に通常の拳銃や刀剣ではまずモンスターにまともにダメージを与えることはできない。
俺は以前ネットで見た動画だと、自動小銃を使ってリザードマン、あの体は人間っぽい感じの二足歩行する頭は完全にトカゲってモンスター、あれを数人で囲んで撃ちまくった動画があった。
リザードマンはマジでピンピンしてたんだよ。
詳しい理屈なんか高卒の俺にわかるわけはないがとにかくそんな感じで通常の武器ではまともにモンスターにダメージを通すことはできないというのが世界の常識である。
つまり天海が持っている銃はモンスターにダメージを与えられる以上、ただの銃ではないということだ。
おっとあの2人が強力な攻撃をしたことで向こうの方を気にするガーゴイルが出てきたな。
俺はガーゴイル対してヘイトを稼ぐために挑発を開始する。
「この不細工な雑魚モンスターどもが! お前らみたいな魔石をドロップするためだけに生まれたような存在が、俺たち探索者に喧嘩売ること自体間違いなんだよ!」
あっ駄目だ、さすがにもう暴言吐いてくるやつよりも実際に攻撃してくるやつの方がヘイトは高いようである。
2体ほど愛華と天海の方に向かった。
仕方ないので素早く走って先行する2体のガーゴイルに追いつく。
そしてジャンプして飛んでるガーゴイルの片方の足をつかむとそのままもう片方にそのガーゴイルをぶん投げた。
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