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第三章 後輩、キモの化身と相対す
第31話
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そして芋虫ばっか出てくるダンジョンでしばらく芋虫狩りを続けた結果。
「先輩、新しい称号で『虫駆除業者』っていうの手に入れました」
「おーそうか、倒した数は50匹くらいだったな。その数で新しい称号を得られるならお前は地道にやればちゃんとした称号を手に入れるタイプの探索者だろうな」
ちなみに俺はまだその称号を持っていない。
「なるほど、どうやら私には先輩を上回る探索者の才能があったみたいですね」
こいつをこのままこのダンジョンに放置して帰ったらどんな顔するのか見てみたくなるな。
「才能云々の話はもういい、それより早く魔石を回収しろ、そろそろダンジョンを出て休憩しないか? 俺だって妙に大きな芋虫の相手なんかしたくねぇんだよ」
「先輩も虫とか苦手ですもんね~」
当たり前だよ。
芋虫だけじゃないムカデにしろゲジゲジにしろハチもハエやクモも全部嫌いだ。
あんなもん好きな奴ってやつがこの世にいるのか?
なんかテレビでそういうのいたなそう言えば……まっ好みなんていうのは人それぞれだからな仕方ないか。
「ただ俺はああいうのは苦手だ、むしろ人間並にデカイ方が敵としてマシかもしれないな」
「私から言わせればそんなの悪夢でしかないんですけど…まあ確かに完全にモンスターっていう方が探索者から言わせればまだいいのかもしれませんね」
「その通りだ、何よりそこそこ大きいモンスターは何十体って数で群れないからな」
「そういうもんなんですか?」
「ああっ例えば蟻に似た大きなモンスターがいるとするだろう、それが普通のアリみたいに何百匹も一緒になって群れてたら食料とかはどうすんだよって話さ、あいつらは小さいからこそあの数の群れを維持できるんだ。デカくなったらそこら辺にすぐに限界が訪れるだろうな」
「なるほど、けどダンジョンのモンスターって一体何食って生きてるんですか?」
「そんなもんは知らん」
とりあえず目的の称号ゲットは果たしたわけだし話をさっさと切り上げてもう魔石集めすることにした。
この雑魚モンスターの魔石じゃグラム単価だから量を集めなくちゃ金にならない、せめてこのポンコツ後輩に多少は金を持たせてやりたいもんである。
すると今宮のやつが魔石を拾う手を止めて、どこかをじーっと見つめている。
「どうした何かあったのか?」
「なんか……あそこが気になるんですよ、違和感があるというか何というか……」
今宮は違和感を感じたらしい、魔石拾いの掃除が一段落したのでその違和感の正体とやらを確認しに行った。
「先輩、先にいっときますけど本当にただの違和感ですからね? 何もなかったとしても責任とかはとれませんよ?」
「ダンジョンじゃあ探索者が違和感を持つっていうのは存外バカにできないもんだ、いいから行ってみるぞ」
そして後輩が違和感があると言った壁のところまで来る、俺には相変わらず何も感じないが…。
とりあえず殴ってみるか。俺はダンジョンの壁をパンチした、すると壁が崩れてしまった。
ちょっとやりすぎちゃったかなと思っていると。
「まさか……先輩、これはいわゆる隠し通路ってやつじゃないですか?」
そう、ダンジョンの壁は崩れてその奥に続く道が現れたのだ。
「お~いおいおい、こいつはもう……」
「ですね、これはもう行くしかありませんね! ここで行かなかったらお前ら探索者やめちまえって話ですよ」
「全く持ってその通りだな」
そんなわけで俺たちは全く準備もしていないのに謎の未発見ルートらしき場所へ足を踏み入れた。
冷静な探索者がいればお前らの方こそ探索者なんかやめちまえと言われる行動を俺たちは取ったのだ。
その結果……。
「うわぁあああああーーーーーっ!? もう最悪、何なんですかアレッ!?」
「俺が知るか! あんなモンスター見たこともねぇわ!」
そのルートの奥にて、俺たちは見たこともない気持ちの悪いモンスターに追われる羽目になってしまったのだ。
「先輩、新しい称号で『虫駆除業者』っていうの手に入れました」
「おーそうか、倒した数は50匹くらいだったな。その数で新しい称号を得られるならお前は地道にやればちゃんとした称号を手に入れるタイプの探索者だろうな」
ちなみに俺はまだその称号を持っていない。
「なるほど、どうやら私には先輩を上回る探索者の才能があったみたいですね」
こいつをこのままこのダンジョンに放置して帰ったらどんな顔するのか見てみたくなるな。
「才能云々の話はもういい、それより早く魔石を回収しろ、そろそろダンジョンを出て休憩しないか? 俺だって妙に大きな芋虫の相手なんかしたくねぇんだよ」
「先輩も虫とか苦手ですもんね~」
当たり前だよ。
芋虫だけじゃないムカデにしろゲジゲジにしろハチもハエやクモも全部嫌いだ。
あんなもん好きな奴ってやつがこの世にいるのか?
なんかテレビでそういうのいたなそう言えば……まっ好みなんていうのは人それぞれだからな仕方ないか。
「ただ俺はああいうのは苦手だ、むしろ人間並にデカイ方が敵としてマシかもしれないな」
「私から言わせればそんなの悪夢でしかないんですけど…まあ確かに完全にモンスターっていう方が探索者から言わせればまだいいのかもしれませんね」
「その通りだ、何よりそこそこ大きいモンスターは何十体って数で群れないからな」
「そういうもんなんですか?」
「ああっ例えば蟻に似た大きなモンスターがいるとするだろう、それが普通のアリみたいに何百匹も一緒になって群れてたら食料とかはどうすんだよって話さ、あいつらは小さいからこそあの数の群れを維持できるんだ。デカくなったらそこら辺にすぐに限界が訪れるだろうな」
「なるほど、けどダンジョンのモンスターって一体何食って生きてるんですか?」
「そんなもんは知らん」
とりあえず目的の称号ゲットは果たしたわけだし話をさっさと切り上げてもう魔石集めすることにした。
この雑魚モンスターの魔石じゃグラム単価だから量を集めなくちゃ金にならない、せめてこのポンコツ後輩に多少は金を持たせてやりたいもんである。
すると今宮のやつが魔石を拾う手を止めて、どこかをじーっと見つめている。
「どうした何かあったのか?」
「なんか……あそこが気になるんですよ、違和感があるというか何というか……」
今宮は違和感を感じたらしい、魔石拾いの掃除が一段落したのでその違和感の正体とやらを確認しに行った。
「先輩、先にいっときますけど本当にただの違和感ですからね? 何もなかったとしても責任とかはとれませんよ?」
「ダンジョンじゃあ探索者が違和感を持つっていうのは存外バカにできないもんだ、いいから行ってみるぞ」
そして後輩が違和感があると言った壁のところまで来る、俺には相変わらず何も感じないが…。
とりあえず殴ってみるか。俺はダンジョンの壁をパンチした、すると壁が崩れてしまった。
ちょっとやりすぎちゃったかなと思っていると。
「まさか……先輩、これはいわゆる隠し通路ってやつじゃないですか?」
そう、ダンジョンの壁は崩れてその奥に続く道が現れたのだ。
「お~いおいおい、こいつはもう……」
「ですね、これはもう行くしかありませんね! ここで行かなかったらお前ら探索者やめちまえって話ですよ」
「全く持ってその通りだな」
そんなわけで俺たちは全く準備もしていないのに謎の未発見ルートらしき場所へ足を踏み入れた。
冷静な探索者がいればお前らの方こそ探索者なんかやめちまえと言われる行動を俺たちは取ったのだ。
その結果……。
「うわぁあああああーーーーーっ!? もう最悪、何なんですかアレッ!?」
「俺が知るか! あんなモンスター見たこともねぇわ!」
そのルートの奥にて、俺たちは見たこともない気持ちの悪いモンスターに追われる羽目になってしまったのだ。
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