俺は神殺し!…(偽)~ダンジョンでパパッと稼いで地上ではのんびりスローライフ~

どらいあい

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第二章 謎スライムとツインテール

第21話

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「くたばれ、『サモン・リビングソード』!」

「うわあぶな、殺す気かよ」

  ダンジョンにて、辛くも転移して来た謎スライムを俺は圧倒し八つ裂きにしようとしたら逃した。
 だがそれについてはどうでもいいだろう。
 しかしその後に続いての連戦とかふざけんなよ。

 それを俺はしていた。
 相手は無罪の俺を変態で犯罪者と抜かす女探索者だ、下手に強いヤツと戦ってギア上げたもんだから人間相手だとデコピンでも身体を消し飛ばしてしまいそうだからまともに喧嘩も出来ないでいる俺である。

 茶髪ツインテールのクソ女探索者め、コイツ本気で何の装備もしていない俺にスキルを発動しやがった。

 そのスキルは発動させると同時に自身の周囲に宙に浮かぶ二本の長剣を出現させた。

 それを操り攻撃を仕掛けてきた、ぱっと見分かり難いかもだがあの二本の剣は生きている。

 リビングソード、確か剣自体が本体の生きた長剣で今みたいに宙に浮かんで襲い掛かってくるダンジョンのモンスターだ。

 つまりサモン・リビングソードというスキルはそのままヤツらを召喚し使役するスキルなわけか。
 サモン系のスキルだな悪くないスキルだ。

 発動させたら敵に向かって飛んでいくだけの攻撃スキルとは違いあれは出現させてる間ならあのリビングソードは自動的に攻撃するし相手の攻撃も防いでくれる攻防一体の有用なスキルと言えるだろう。

 そんなスキルを持ってるヤツが、ダンジョンの見回りなんていう楽なアルバイトをしている理由はわからないがな。

 それよりも何よりもコイツがマジで俺を殺そうとしているんじゃないかと思えるくらいさっきから何の遠慮もない攻撃を仕掛けてきていることの方が問題だ。

「安心しなさい、殺しはしないわよ。ただ逃げない様に何回か刺しとくだけだから!」

「それは殺しはしないがそれ以外は何でもするって言ってるんだよな!? ふざけんなよイカレてんぞアンタ!」

 宙に浮かぶ二本のリビングソードはそれぞれ別の攻撃を繰り出す。
 片方は宙を滑る様に動き大振りの斬撃をかましてくる。

 そしてもう片方は素早く前後に動き連続で突きを放ってくるのだ、攻撃スピードの違う上に別々の攻撃をされると対処するときに地味に神経を使うので厄介だな。

「誰がイカレてるですって!? もう許さないわ! 死ねぇっ!」

「………そう言う所が、うわっおっと……ほっはっとっ!」

 『神殺し(偽)』の称号によってステータスがぶっ壊れている以上、俺がこの攻撃に当たることもなければ当たったところであの長剣が砕けるくらいだけにしかならないであろうことは想像できる。

 ただそうなったらなったで結局は面倒くさい事になる可能性は高いので躱してるのだ。
 絶対に逆恨みされるだろうからな。

 そして見回りのアルバイトをしているコイツは、何か異常があったらこの探索者から探索者ギルドの方に報告が上がる。

 つまり全裸の犯罪者に攻撃スキルは当てたら、そのスキルの方が破壊されましたなんて報告される訳だ。

 俺が人間の姿をしたわけのわからない危険度ランクSオーバーのモンスター扱いされる可能性すらあった。

 故にかわす俺は自身のステータスを誤魔化す為に茶髪ツインテールのスキルを躱す躱す躱す~。
 絶対に躱さなければならないのだ!

「こっこの……さっきからなんで逃げてばっかりなのよ、さっさと死ねーー!」

「探索者が探索者を殺したりしたら普通に犯罪だからな! やめろやめろっ!」

 ちなみに俺は片手で自分の大事なところを隠し、もう片方の手でお尻の方を隠している。
 両手が使えない状態の俺に何の躊躇もなく二本の生きた剣で攻撃を仕掛けてやがるのだから本当にふざけているな茶髪ツインテール。

 ちなみにヤツ自身は近づいてこない、俺だって全裸の人間それも野郎になんかに近づきたくはないのでその気持ちはわかるがな……。

「死ね死ね死ねーーー!」

 気持ちは分かるがさっきまでの建前はどこに行ったんだと言ってやりたい。
 そして死んだりは絶対にしない。

 それにしても空中で自在に動き回る剣っていうのは本当に厄介だな、言っちゃ悪いが動きが制限されるダンジョン内でこういうスキルとかってマジでムカつく、使ってくるヤツは死ねって感じだ。

 モンスター以上に人間相手に強力なスキルだからなこういうのって、そんな感じで死の鬼ごっこを繰り返しているとちょっとした事件が起こった。

 俺のステータスがやたらとおかしい影響なのか俺はモンスターの気配とか人間の気配をやたらと敏感に察知出来る様になっている。

 まるで探索レーダーのように、それが今俺たちが戦闘を行っているところに無数のモンスターが接近していると俺に知らせてきていた。
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