俺は神殺し!…(偽)~ダンジョンでパパッと稼いで地上ではのんびりスローライフ~

どらいあい

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第二章 謎スライムとツインテール

第17話

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 俺はわけのわからない謎スライムを取り逃してしまった、本当にふざけてるぞアレ。
  何を自分から喧嘩吹っ掛けといてやばくなったら速攻で逃げるとかどこのメタル系スライムだよ。

 ふざけんじゃねえぞ……まあそれって基本的にダンジョンで探索者がしている行動ではあるんだけどな。
 勝てるモンスターには速攻で戦いをしかけ、勝てないモンスターと分かったら全力で逃げるのだ。

 逃げるのは恥ではない、生き残ったものが勝者だ的な? そんな論理を人間同士で言い合って納得し合っているが……これ逆の逃げられる側の立場に立つとマジで腹を立つ。

 本当にムカつくなんてもんじゃない、何なんだあのクソスライムほんまマジで許せんわ。

「今度会ったらマジぶっ倒してやる」

 そんな煮え滾るマグマのような怒りを覚えた俺はその場で地団駄を踏んだ、するとダンジョン全体がグラグラで揺れる。

 やべぇ『神殺し(偽)』の称号を持つ俺のステータスで本気で地団駄とかするとダンジョン揺れんのかよ、急いで冷静になり怒り任せの行動を控えるようにした。

 現在の広いドーム状の空間には大型バスが余裕で通り抜けられそうなくらい大きく真ん丸なトンネルがいくつも開いている、あのバカスライムが好き放題に極大ビーム攻撃を発射したからだ。

 まあ………俺がぶっ放した攻撃スキルの破壊の跡がドーム状の天井の上部分を巨大なクレーターにしてたりもするが、これもクソスライムのせいにしとこ。

 ダンジョンが崩落したなんて話は聞いたことはないが本当に崩落しない保証はどこにもない。
 こんな危険な場所はさっさと出るべきだろう。

 そうは思いつつもやっぱり先ほどアナウンスで流れたいくつかの情報が気になる。
 頭の中に流れたあのアナウンスの情報を基本的に俺たち探索者が忘れることはない。

 さっきのアナウンスが言ってたよな、あのスライム。エンジェルスライムとか天使スライムとかじゃなくて七光りスライムとかって……。

 正直あんな強さのスライム見たことも聞いたこともない。
 俺が『神殺し(偽)』の称号を持ってなければ瞬殺されてたぞ間違いなく。

 下手をすればなんたらゴッドスライム的な名前のまさに神殺しの称号(しつこいようだが偽物)を持つ俺が退治しなきゃいけない的な感じの邪悪な神様モンスターみたいな立ち位置のやつかと思ってた。

 それが蓋を開けてみると七光りスライムってお前… 急いでライセンスカードを拾いに行き確認する。

 ライセンスカードには倒したモンスターの名前が表記される。
 そしてそれとは別にダンジョンで出会ったモンスターの名前も表記されるのだ。

 なんでそんな技術があるのかについては謎技術なので全てが謎である、そこら辺に関しては俺は特に興味がないのでどうでもいいのだ。

 そのモンスターの一覧を確認すると、あった本当にあったよ。

「マジで七光りスライムって名前なのか、ダサすぎるだろ」

 まっあのクソスライムに関して言えば、今度会ったら絶対にぶっ倒すという方針でいいだろう。
 次は逃げる間もなくあのピンク色のプルプルな胴体に風穴を開けてやる。
 絶対にだ。

 それはそれとして次に俺は今回の戦いで得たスキルやら称号やらについて見てみることにした。

【七光りの撃滅者】
【親の権力、財力、そして理不尽な力を傘に来て好き放題する下劣なる者たちを討ち滅ぼす意志と力を示した者に与えられる称号。親の七光り野郎と戦闘する場合、全ステータスが超強化される】

 なるほどね~思えば俺の人生、莫迦な七光りに翻弄されてばかりの人生ではあった。
 今の俺ならあの焼き物会社の七光りもデコピンで粉微塵にできるかもしれないな……まあしないけど。

 称号についてはまあ『神殺し(偽)』があるし使う必要ないかな、次は手に入れたスキルについて確認してみるか。
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