俺は神殺し!…(偽)~ダンジョンでパパッと稼いで地上ではのんびりスローライフ~

どらいあい

文字の大きさ
上 下
11 / 110
第一章 不人気ダンジョンと後輩

第11話

しおりを挟む
 そして昼寝第二ラウンドを開始してしばらく経っただろうか、ちょっとウトウトしているとまたスマホにメールが来た。

 今宮からだ、バイトも終わり色々な準備もできたので飯をおごって欲しいとのことだ……色々な準備ってなんだよ。

 飯奢られるだけなのに何を準備するだとと思わなくもないがまあいいか。正直待ち合わせ場所も何もないからな、何しろあのバイトしてるコンビニの前で集合だということにしたからだ。

 他に共通で知ってる場所とか知らん。
 そして俺はコンビニへの慣れた道を歩いて行く。
 歩いて行ける距離にある。それが俺があのコンビニでのバイトを選んだ理由だ。

 ほどなくして俺がアルバイトをしていた心の中ではもうやめる予定のコンビニが見えてきた。
 すると俺は声をかけられる。

「こんにちは、先輩」

「よってかお前、外でも先輩呼びなのか?」

「ふふっ先輩って呼ばれるの嫌いじゃないんでしょ? だから先輩呼びしてあげてるんですよ」

 現れたのは今宮だ、妙な所で人の心を見透かす油断ならないバイトの後輩である。確かに先輩と呼ばれるのは…少し良い。

 いつも野暮ったい服装じゃない、なんでか知らんが洒落た服を着ていた。

「お前バイトの時は地味で野暮ったい服着てんのに飯奢ってもらう時は服とか変えるんだな」

「そこはまあ…色々ありますからね、色々…それで一体どこに行くんですか?」

「俺は奢るだけだ、行きたい場所があるなら行ってくれ。多少は値が張るようなところでもどうにかなると思うぞ」

「えっまさかのプラン丸投げ……? けど本当に先輩どうしたんですか、いつもの情けない感じで金がねぇ金がねぇってかっこ悪い言葉を言い続けるのが先輩だったのにいつもの先輩じゃなくなってますよ?」

  コイツ、面と向かって人に情けないつったな。マジでムカつく。
 そう言ってくる相手が顔立ちが明らかに整っていたりモデルみたいなスタイルしてたりとバイト仲間なのに普通に勝ち組のそれというのがさらにムカつき度を上げる。

「よしわかった、それなら今日は俺の奢りでお前に10円ガムくれてやる。それでさよならだな」

「ちょっと待ってくださいよ~~」

 今宮がもみ手そうな勢いで媚を売ってくる、本当になぜこんなどうしようもない奴が俺の後輩なのだろうかと思えてきた。

 これに関しては「類は友を呼ぶ」という言葉は多分大嘘な気がする、そんな俺の内心を余所にやけに後輩のやつはウキウキと乗り気である。

 適当に後輩の後について歩いていく。

「それじゃあどこ行きましょうかね~さすがにファミレスとかじゃ味気ないですしぃ~」

「…………」

 俺はファミレスでも全然いいと思う言っちゃ悪いがバイトに明け暮れていたついさっきまでの俺ならそのファミレスだって高くて行けなかったんだからな。

 まあ今の俺は小金持ちなのでそんなかっこ悪いことを口にはしないが。

「よし決めたっ! それじゃあこの近くにある行きつけの店があるんで、そこに行くとしますか!」

「どんな店だ、変に洒落た店とかだとこの格好じゃ無理だぞ」

 今の俺は上は黒の上着と紺色の長ズボンというお洒落さゼロのスタイルだ。

「普通の居酒屋ですよ、日頃ストレスの多い人生を送っておりますからね。酒でも飲んで愚痴を言って憂さを晴らすんです」

「……お前も大変なんだな」

「全くですよ、それと普通こういうのって先輩側がどっかしらいい店の一つや二つピックアップしてるもんじゃないんですかね~~?」

 そんなこと言われても、こちらもストレスの多い後輩にご飯を奢って愚痴を最後に一回くらい聞いてやるかなってノリでやってんだぞ。

 そんなデートかなんかじゃないんだからそこまで気を使ったりなんかするか。
 そして後輩の行きつけだという店に行く。
 中はそこそこ広いな、座敷部屋もある。

 俺たちはそこに通してもらった、そして適当に注文をする。
 今宮は当たり前のように酒を注文していた、なんか色々ストレスあるみたいだし飲みたい気分なんだろう。

「それじゃあお前のストレスの多いアルバイト生活の日々と俺のアルバイトと焼き物会社の掛け持ち底辺人生の終わりに乾杯!」

「乾杯っ! て、ちょっと待ってくださいよ今なんて言いました?!」

 俺の言葉にいつになく真面目な顔をする今宮、そうだなどうせ近々話すんだしここで言っておくか。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~

シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。 主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。 追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。 さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。 疫病? これ飲めば治りますよ? これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。

スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~

きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。 洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。 レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。 しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。 スキルを手にしてから早5年――。 「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」 突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。 森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。 それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。 「どうせならこの森で1番派手にしようか――」 そこから更に8年――。 18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。 「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」 最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。 そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。

スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する

カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、 23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。 急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。 完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。 そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。 最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。 すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。 どうやら本当にレベルアップしている模様。 「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」 最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。 他サイトにも掲載しています。

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~

シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。 木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。 しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。 そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。 【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生

野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。 普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。 そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。 そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。 そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。 うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。 いずれは王となるのも夢ではないかも!? ◇世界観的に命の価値は軽いです◇ カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

知識スキルで異世界らいふ

チョッキリ
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした

服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜 大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。  目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!  そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。  まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!  魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。

sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。 目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。 「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」 これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。 なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

処理中です...