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第一章 不人気ダンジョンと後輩
第11話
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そして昼寝第二ラウンドを開始してしばらく経っただろうか、ちょっとウトウトしているとまたスマホにメールが来た。
今宮からだ、バイトも終わり色々な準備もできたので飯をおごって欲しいとのことだ……色々な準備ってなんだよ。
飯奢られるだけなのに何を準備するだとと思わなくもないがまあいいか。正直待ち合わせ場所も何もないからな、何しろあのバイトしてるコンビニの前で集合だということにしたからだ。
他に共通で知ってる場所とか知らん。
そして俺はコンビニへの慣れた道を歩いて行く。
歩いて行ける距離にある。それが俺があのコンビニでのバイトを選んだ理由だ。
ほどなくして俺がアルバイトをしていた心の中ではもうやめる予定のコンビニが見えてきた。
すると俺は声をかけられる。
「こんにちは、先輩」
「よってかお前、外でも先輩呼びなのか?」
「ふふっ先輩って呼ばれるの嫌いじゃないんでしょ? だから先輩呼びしてあげてるんですよ」
現れたのは今宮だ、妙な所で人の心を見透かす油断ならないバイトの後輩である。確かに先輩と呼ばれるのは…少し良い。
いつも野暮ったい服装じゃない、なんでか知らんが洒落た服を着ていた。
「お前バイトの時は地味で野暮ったい服着てんのに飯奢ってもらう時は服とか変えるんだな」
「そこはまあ…色々ありますからね、色々…それで一体どこに行くんですか?」
「俺は奢るだけだ、行きたい場所があるなら行ってくれ。多少は値が張るようなところでもどうにかなると思うぞ」
「えっまさかのプラン丸投げ……? けど本当に先輩どうしたんですか、いつもの情けない感じで金がねぇ金がねぇってかっこ悪い言葉を言い続けるのが先輩だったのにいつもの先輩じゃなくなってますよ?」
コイツ、面と向かって人に情けないつったな。マジでムカつく。
そう言ってくる相手が顔立ちが明らかに整っていたりモデルみたいなスタイルしてたりとバイト仲間なのに普通に勝ち組のそれというのがさらにムカつき度を上げる。
「よしわかった、それなら今日は俺の奢りでお前に10円ガムくれてやる。それでさよならだな」
「ちょっと待ってくださいよ~~」
今宮がもみ手そうな勢いで媚を売ってくる、本当になぜこんなどうしようもない奴が俺の後輩なのだろうかと思えてきた。
これに関しては「類は友を呼ぶ」という言葉は多分大嘘な気がする、そんな俺の内心を余所にやけに後輩のやつはウキウキと乗り気である。
適当に後輩の後について歩いていく。
「それじゃあどこ行きましょうかね~さすがにファミレスとかじゃ味気ないですしぃ~」
「…………」
俺はファミレスでも全然いいと思う言っちゃ悪いがバイトに明け暮れていたついさっきまでの俺ならそのファミレスだって高くて行けなかったんだからな。
まあ今の俺は小金持ちなのでそんなかっこ悪いことを口にはしないが。
「よし決めたっ! それじゃあこの近くにある行きつけの店があるんで、そこに行くとしますか!」
「どんな店だ、変に洒落た店とかだとこの格好じゃ無理だぞ」
今の俺は上は黒の上着と紺色の長ズボンというお洒落さゼロのスタイルだ。
「普通の居酒屋ですよ、日頃ストレスの多い人生を送っておりますからね。酒でも飲んで愚痴を言って憂さを晴らすんです」
「……お前も大変なんだな」
「全くですよ、それと普通こういうのって先輩側がどっかしらいい店の一つや二つピックアップしてるもんじゃないんですかね~~?」
そんなこと言われても、こちらもストレスの多い後輩にご飯を奢って愚痴を最後に一回くらい聞いてやるかなってノリでやってんだぞ。
そんなデートかなんかじゃないんだからそこまで気を使ったりなんかするか。
そして後輩の行きつけだという店に行く。
中はそこそこ広いな、座敷部屋もある。
俺たちはそこに通してもらった、そして適当に注文をする。
今宮は当たり前のように酒を注文していた、なんか色々ストレスあるみたいだし飲みたい気分なんだろう。
「それじゃあお前のストレスの多いアルバイト生活の日々と俺のアルバイトと焼き物会社の掛け持ち底辺人生の終わりに乾杯!」
「乾杯っ! て、ちょっと待ってくださいよ今なんて言いました?!」
俺の言葉にいつになく真面目な顔をする今宮、そうだなどうせ近々話すんだしここで言っておくか。
今宮からだ、バイトも終わり色々な準備もできたので飯をおごって欲しいとのことだ……色々な準備ってなんだよ。
飯奢られるだけなのに何を準備するだとと思わなくもないがまあいいか。正直待ち合わせ場所も何もないからな、何しろあのバイトしてるコンビニの前で集合だということにしたからだ。
他に共通で知ってる場所とか知らん。
そして俺はコンビニへの慣れた道を歩いて行く。
歩いて行ける距離にある。それが俺があのコンビニでのバイトを選んだ理由だ。
ほどなくして俺がアルバイトをしていた心の中ではもうやめる予定のコンビニが見えてきた。
すると俺は声をかけられる。
「こんにちは、先輩」
「よってかお前、外でも先輩呼びなのか?」
「ふふっ先輩って呼ばれるの嫌いじゃないんでしょ? だから先輩呼びしてあげてるんですよ」
現れたのは今宮だ、妙な所で人の心を見透かす油断ならないバイトの後輩である。確かに先輩と呼ばれるのは…少し良い。
いつも野暮ったい服装じゃない、なんでか知らんが洒落た服を着ていた。
「お前バイトの時は地味で野暮ったい服着てんのに飯奢ってもらう時は服とか変えるんだな」
「そこはまあ…色々ありますからね、色々…それで一体どこに行くんですか?」
「俺は奢るだけだ、行きたい場所があるなら行ってくれ。多少は値が張るようなところでもどうにかなると思うぞ」
「えっまさかのプラン丸投げ……? けど本当に先輩どうしたんですか、いつもの情けない感じで金がねぇ金がねぇってかっこ悪い言葉を言い続けるのが先輩だったのにいつもの先輩じゃなくなってますよ?」
コイツ、面と向かって人に情けないつったな。マジでムカつく。
そう言ってくる相手が顔立ちが明らかに整っていたりモデルみたいなスタイルしてたりとバイト仲間なのに普通に勝ち組のそれというのがさらにムカつき度を上げる。
「よしわかった、それなら今日は俺の奢りでお前に10円ガムくれてやる。それでさよならだな」
「ちょっと待ってくださいよ~~」
今宮がもみ手そうな勢いで媚を売ってくる、本当になぜこんなどうしようもない奴が俺の後輩なのだろうかと思えてきた。
これに関しては「類は友を呼ぶ」という言葉は多分大嘘な気がする、そんな俺の内心を余所にやけに後輩のやつはウキウキと乗り気である。
適当に後輩の後について歩いていく。
「それじゃあどこ行きましょうかね~さすがにファミレスとかじゃ味気ないですしぃ~」
「…………」
俺はファミレスでも全然いいと思う言っちゃ悪いがバイトに明け暮れていたついさっきまでの俺ならそのファミレスだって高くて行けなかったんだからな。
まあ今の俺は小金持ちなのでそんなかっこ悪いことを口にはしないが。
「よし決めたっ! それじゃあこの近くにある行きつけの店があるんで、そこに行くとしますか!」
「どんな店だ、変に洒落た店とかだとこの格好じゃ無理だぞ」
今の俺は上は黒の上着と紺色の長ズボンというお洒落さゼロのスタイルだ。
「普通の居酒屋ですよ、日頃ストレスの多い人生を送っておりますからね。酒でも飲んで愚痴を言って憂さを晴らすんです」
「……お前も大変なんだな」
「全くですよ、それと普通こういうのって先輩側がどっかしらいい店の一つや二つピックアップしてるもんじゃないんですかね~~?」
そんなこと言われても、こちらもストレスの多い後輩にご飯を奢って愚痴を最後に一回くらい聞いてやるかなってノリでやってんだぞ。
そんなデートかなんかじゃないんだからそこまで気を使ったりなんかするか。
そして後輩の行きつけだという店に行く。
中はそこそこ広いな、座敷部屋もある。
俺たちはそこに通してもらった、そして適当に注文をする。
今宮は当たり前のように酒を注文していた、なんか色々ストレスあるみたいだし飲みたい気分なんだろう。
「それじゃあお前のストレスの多いアルバイト生活の日々と俺のアルバイトと焼き物会社の掛け持ち底辺人生の終わりに乾杯!」
「乾杯っ! て、ちょっと待ってくださいよ今なんて言いました?!」
俺の言葉にいつになく真面目な顔をする今宮、そうだなどうせ近々話すんだしここで言っておくか。
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