10 / 110
第一章 不人気ダンジョンと後輩
第10話
しおりを挟む
そして俺は家に帰ってきた。
俺の住んでるところは九州のとある田舎なんだがそのせいか親戚とかがわりと多い。
今俺が住んでるところも昔は親戚の誰か住んでいた古民家で今はそこをタダで使わせてもらっているのだ。
平屋の一軒家で掃除もそこまで大変じゃない、広くないからな。
一応タダで使わせてもらってるので管理くらいはしているつもりだ。
その家に戻ってきた俺はとりあえず今日稼いだ金額を丸テーブルの上に置いた。
「まさか一日で軽く半年分くらいの給料になるとはな……」
俺は焼き物会社で働いているのだがその月給は安い、 10万とちょっとくらいだ。
俺が働いてるところは重労働はあまり無いのだが最低賃金ジャスト(都会じゃなくて田舎の最低賃金な!)の所でマジで一ヶ月、真面目に働いてもこれっパートか何かですかってレベルの給料しか貰えない。
当然そんな給料では払うもんを払うと生活も厳しい。
だからコンビニで深夜バイトしてたわけだが、しかしそんな生活ももうすぐに終わる。
何しろこれだけ稼げたからわけだからな、もうあのクソ……いやっ安月給の会社ともオサラバさ。
コンビニのバイトもさっさとやめちまおう。
今宮のヤツには怪しまれるだろうな、俺が辞めることに文句を言ってきそうだな。
しかしそんなことは関係ないね、会社の方もいきなりやめると言えば何か言ってくるだろうが正直あの安月給では無理ですね、限界ですよ、と言えばいいだろう程度にしか考えていない。
ごちゃごちゃ言うなら本当に退職代行サービスに連絡とってそれ以降は本当に必要な時以外は一切連絡を取り合わないようにしよう。
本格的に探索者に復帰して成り上がりを検討している俺の元にメールが届いた、今宮からのものだった。
その内容については何やら愚痴っぽいものが書かれていた、俺とアルバイトを交代した後にムカつく客でもきたのか?
今宮は見た目が良いからなのかおっさんのアルバイトがスケベな目で見ていたりもするからな。
後で店長にチクッとくか。
いつもそういうことがあると大抵俺にメールで送ってくる本来ならここで「わかったわかった今度あったら愚痴を聞いてやる」みたいなメールを返答するのだ。
だが俺はもうあのコンビニを辞めるつもりなのでこういうやりとりもなくなるだろう。
そう思うとほんの少しだけ寂しい気分になったので、今回はいつもと違うメールを打つことにする。
内容は「バイトが終わったんなら会って愚痴くらい聞いてやるぞ、どっかに飯でも食いに行くか? 奢ってやる」そんな感じのメールを送った。
すると今宮から「先輩……まさかと思うんすけど人から財布とか盗んだりしました?」と舐めたメールが帰ってきた。
なんて失礼な後輩だ、本当にこの後輩は先輩である俺を心のどっかで人間的に下に見てる傾向があるな、俺が「だったら奢るのはなしだ」とメールをすると取り繕うようなメールが帰ってきた。
「まあいいだろう、許してやるか」
小金持ちになった俺の心は広いのだ。
そんな感じでバイトが終わった貧乏後輩と会うことになった。
そんなわけで今日の俺は深夜のアルバイト終わりでダンジョンに向かって魔石や何やらを集めて家で一回寝て、そして朝に探索者ギルドが開く時間を狙って朝一で換金をしてきたわけだ。
なんか忙しない一日だな、そんで後で今宮の愚痴も聞くことになってる訳だよ。
現在の時間は昼の少し前か俺はダンジョン帰りに仮眠を取ったがまだ眠い、今宮のヤツも仮眠くらい取るだろう。
「まあ向こうからまたメールが来たら出かければいいだろう」
そんなことを考えて俺はとりあえず昼寝することにした。
俺の住んでるところは九州のとある田舎なんだがそのせいか親戚とかがわりと多い。
今俺が住んでるところも昔は親戚の誰か住んでいた古民家で今はそこをタダで使わせてもらっているのだ。
平屋の一軒家で掃除もそこまで大変じゃない、広くないからな。
一応タダで使わせてもらってるので管理くらいはしているつもりだ。
その家に戻ってきた俺はとりあえず今日稼いだ金額を丸テーブルの上に置いた。
「まさか一日で軽く半年分くらいの給料になるとはな……」
俺は焼き物会社で働いているのだがその月給は安い、 10万とちょっとくらいだ。
俺が働いてるところは重労働はあまり無いのだが最低賃金ジャスト(都会じゃなくて田舎の最低賃金な!)の所でマジで一ヶ月、真面目に働いてもこれっパートか何かですかってレベルの給料しか貰えない。
当然そんな給料では払うもんを払うと生活も厳しい。
だからコンビニで深夜バイトしてたわけだが、しかしそんな生活ももうすぐに終わる。
何しろこれだけ稼げたからわけだからな、もうあのクソ……いやっ安月給の会社ともオサラバさ。
コンビニのバイトもさっさとやめちまおう。
今宮のヤツには怪しまれるだろうな、俺が辞めることに文句を言ってきそうだな。
しかしそんなことは関係ないね、会社の方もいきなりやめると言えば何か言ってくるだろうが正直あの安月給では無理ですね、限界ですよ、と言えばいいだろう程度にしか考えていない。
ごちゃごちゃ言うなら本当に退職代行サービスに連絡とってそれ以降は本当に必要な時以外は一切連絡を取り合わないようにしよう。
本格的に探索者に復帰して成り上がりを検討している俺の元にメールが届いた、今宮からのものだった。
その内容については何やら愚痴っぽいものが書かれていた、俺とアルバイトを交代した後にムカつく客でもきたのか?
今宮は見た目が良いからなのかおっさんのアルバイトがスケベな目で見ていたりもするからな。
後で店長にチクッとくか。
いつもそういうことがあると大抵俺にメールで送ってくる本来ならここで「わかったわかった今度あったら愚痴を聞いてやる」みたいなメールを返答するのだ。
だが俺はもうあのコンビニを辞めるつもりなのでこういうやりとりもなくなるだろう。
そう思うとほんの少しだけ寂しい気分になったので、今回はいつもと違うメールを打つことにする。
内容は「バイトが終わったんなら会って愚痴くらい聞いてやるぞ、どっかに飯でも食いに行くか? 奢ってやる」そんな感じのメールを送った。
すると今宮から「先輩……まさかと思うんすけど人から財布とか盗んだりしました?」と舐めたメールが帰ってきた。
なんて失礼な後輩だ、本当にこの後輩は先輩である俺を心のどっかで人間的に下に見てる傾向があるな、俺が「だったら奢るのはなしだ」とメールをすると取り繕うようなメールが帰ってきた。
「まあいいだろう、許してやるか」
小金持ちになった俺の心は広いのだ。
そんな感じでバイトが終わった貧乏後輩と会うことになった。
そんなわけで今日の俺は深夜のアルバイト終わりでダンジョンに向かって魔石や何やらを集めて家で一回寝て、そして朝に探索者ギルドが開く時間を狙って朝一で換金をしてきたわけだ。
なんか忙しない一日だな、そんで後で今宮の愚痴も聞くことになってる訳だよ。
現在の時間は昼の少し前か俺はダンジョン帰りに仮眠を取ったがまだ眠い、今宮のヤツも仮眠くらい取るだろう。
「まあ向こうからまたメールが来たら出かければいいだろう」
そんなことを考えて俺はとりあえず昼寝することにした。
22
お気に入りに追加
249
あなたにおすすめの小説

エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~
シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。
主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。
追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。
さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。
疫病? これ飲めば治りますよ?
これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。

【完結】おじいちゃんは元勇者
三園 七詩
ファンタジー
元勇者のおじいさんに拾われた子供の話…
親に捨てられ、周りからも見放され生きる事をあきらめた子供の前に国から追放された元勇者のおじいさんが現れる。
エイトを息子のように可愛がり…いつしか子供は強くなり過ぎてしまっていた…

スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~
きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。
洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。
レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。
しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。
スキルを手にしてから早5年――。
「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」
突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。
森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。
それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。
「どうせならこの森で1番派手にしようか――」
そこから更に8年――。
18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。
「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」
最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。
そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。
スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する
カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、
23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。
急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。
完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。
そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。
最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。
すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。
どうやら本当にレベルアップしている模様。
「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」
最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。
他サイトにも掲載しています。

【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】

最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした
服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜
大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。
目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!
そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。
まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!
魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる