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第一章 不人気ダンジョンと後輩
第6話
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散歩するだけで稼げる事を知った俺は、意気揚々とダンジョンを練り歩く。
完全にお散歩気分だ、そんな俺の元にゾロゾロとスライム達が集う。
ダンジョンはいくら放置してもモンスターが増えすぎて地上に溢れかえる~っということはない。
しかし放っておけばその数は上限ギリギリまで増え続けるのでやはり危険なモンスターが多く出現するダンジョンなどは資源の確保のし易さのことも考えて適度にモンスターを間引きするようにされている。
そんでそんな間引きなんて一切されていない不人気ダンジョンの一つであるここは、それはもう上限いっぱいまでスライムたちがいた。
そしてスライムたちはアホなので攻撃すれば自分たちの方がやられるということもろくに理解できない、みんな全身全霊の体当たりを俺にかます。
「そして光となって消えていった……なんか悪い事をしてる気分になってくんだけどな」
いやいやっ弱肉強食こそが世界の摂理、これでいいのだ。
俺は自分の中の良心をお金を理由に封じ込めた。
後には魔石が残り、俺の懐にお金になって入っていくのだ。
何と言うかここまで簡単に事が進んでいいのだろうか。
どこの誰かとか言わないが少し申し訳ない気分になってくるな。
しかしやめられない。
お金が自分から集まってくるようなこの状況、やめられるわけがないじゃないの。
俺はニヤニヤしながらダンジョンを練り歩く事を再開した。
スライムたちが集まり、俺に攻撃を仕掛けては自滅していく、全滅した後は足元に集まった魔石を集めてポケットに入れるのだ。
そんなことを繰り返すしてしばらく経った、スマホで時間を確認してみるとなんと二時間以上経っていた。
「おいマジかよ、ついつい魔石が面白いように手に入るもんだから長居しちまったな」
それはまるでパチンコで連チャンした時のようなもんである。時間というものはどうしてこう脳内にドーパミンが出てる時ってのは早く感じるのだろうかね。
まあそんな風に人間ってヤツはできてるんだろう、 さすがにポケットもパンパンになってきたので今日のところは引き上げるか。
そう考えた俺は来た道を戻ることにした。
ただ歩いたとはいえ二時間以上だからな、結構な距離を散歩していたことになる。
「……少し走るか」
俺は少しだけ力を入れて走った、するとめっちゃ驚いた。
一瞬にして周囲の景色は変わったのだ。
そういえば俊敏関係のステータスもランクがデタラメになってたな。
これはむしろステータスの高さになれる方が大変かもしれないな、仕方がないのでダンジョンを出るついでに少し体の動かし方を覚えることにした。
まあ傍目からはど素人の徒手空拳の練習なんてカッコ悪いものでしかないけどな。
そんなこんなで体を動かしながらパンチや蹴りを放つ、ダッシュした時の感覚をつかむためにそれらを反復練習をする。
もちろんもうダンジョンからは出るつもりなのでそれなりに慣れてきたらさっさと引き上げることにした。
すると一番最初にダンジョンの入り口の先にあったドーム状の広い空間にて変化が起きていた。
なんとその空間のど真ん中にとても大きな青いプルプルが陣取っていたのである。
やつの名はキングスライム。
何でそんな名前なのかって言うとやたらと大きくて頭のところに安っぽい金色の王冠みたいなもんを乗っけてるから。
だからそれ以外に呼び名は認められなかった。
こんなの誰がどう見てもスライムの王様だしな。
当然のネーミングと言えるだろう。
しかし弱ったな。
多分あのキングスライム、俺は出口に行こうすると攻撃してくるぞ。
俺はこのダンジョンでスライムたちを狩りすぎたから現れてしまったのか?
ダンジョンっていうのは特定の条件を満たした時だけ現れるユニークモンスターというものがたまにいる。
その条件というやつはダンジョンによって変わると言われているが詳しいことはわからない。
しかし俺がこのダンジョンしたことなんでスライムたちを爆狩りしたことだけだしな、まあ勝手に自爆するのを眺めてただけなんだがな。
「条件なんてそれくらいしかない、つまりそれがこのダンジョンのユニークモンスター。キングスライムの出現条件って訳か…」
ちなみにこのキングスライム、結構強い。
何せ見上げるほどの大きさだ、あの身体で体当たりでもされたら一般人も探索者も大抵は死ぬ。
その上キングスライムは攻撃魔法まで使うのだ、モンスターの危険度ランクはBだったか?
とにかくタダのスライムとは次元が違う強さなのは間違いない。
「……遂にきたか、神殺しの称号の本当の強さを確かめる時が」
流石にスライムを自滅させる為だけじゃ、せっかくの称号が勿体なさ過ぎると思っていたんだ。
いくら(偽)でもな。
丁度いい、このキングスライムで今の俺の強さを試してやる!
完全にお散歩気分だ、そんな俺の元にゾロゾロとスライム達が集う。
ダンジョンはいくら放置してもモンスターが増えすぎて地上に溢れかえる~っということはない。
しかし放っておけばその数は上限ギリギリまで増え続けるのでやはり危険なモンスターが多く出現するダンジョンなどは資源の確保のし易さのことも考えて適度にモンスターを間引きするようにされている。
そんでそんな間引きなんて一切されていない不人気ダンジョンの一つであるここは、それはもう上限いっぱいまでスライムたちがいた。
そしてスライムたちはアホなので攻撃すれば自分たちの方がやられるということもろくに理解できない、みんな全身全霊の体当たりを俺にかます。
「そして光となって消えていった……なんか悪い事をしてる気分になってくんだけどな」
いやいやっ弱肉強食こそが世界の摂理、これでいいのだ。
俺は自分の中の良心をお金を理由に封じ込めた。
後には魔石が残り、俺の懐にお金になって入っていくのだ。
何と言うかここまで簡単に事が進んでいいのだろうか。
どこの誰かとか言わないが少し申し訳ない気分になってくるな。
しかしやめられない。
お金が自分から集まってくるようなこの状況、やめられるわけがないじゃないの。
俺はニヤニヤしながらダンジョンを練り歩く事を再開した。
スライムたちが集まり、俺に攻撃を仕掛けては自滅していく、全滅した後は足元に集まった魔石を集めてポケットに入れるのだ。
そんなことを繰り返すしてしばらく経った、スマホで時間を確認してみるとなんと二時間以上経っていた。
「おいマジかよ、ついつい魔石が面白いように手に入るもんだから長居しちまったな」
それはまるでパチンコで連チャンした時のようなもんである。時間というものはどうしてこう脳内にドーパミンが出てる時ってのは早く感じるのだろうかね。
まあそんな風に人間ってヤツはできてるんだろう、 さすがにポケットもパンパンになってきたので今日のところは引き上げるか。
そう考えた俺は来た道を戻ることにした。
ただ歩いたとはいえ二時間以上だからな、結構な距離を散歩していたことになる。
「……少し走るか」
俺は少しだけ力を入れて走った、するとめっちゃ驚いた。
一瞬にして周囲の景色は変わったのだ。
そういえば俊敏関係のステータスもランクがデタラメになってたな。
これはむしろステータスの高さになれる方が大変かもしれないな、仕方がないのでダンジョンを出るついでに少し体の動かし方を覚えることにした。
まあ傍目からはど素人の徒手空拳の練習なんてカッコ悪いものでしかないけどな。
そんなこんなで体を動かしながらパンチや蹴りを放つ、ダッシュした時の感覚をつかむためにそれらを反復練習をする。
もちろんもうダンジョンからは出るつもりなのでそれなりに慣れてきたらさっさと引き上げることにした。
すると一番最初にダンジョンの入り口の先にあったドーム状の広い空間にて変化が起きていた。
なんとその空間のど真ん中にとても大きな青いプルプルが陣取っていたのである。
やつの名はキングスライム。
何でそんな名前なのかって言うとやたらと大きくて頭のところに安っぽい金色の王冠みたいなもんを乗っけてるから。
だからそれ以外に呼び名は認められなかった。
こんなの誰がどう見てもスライムの王様だしな。
当然のネーミングと言えるだろう。
しかし弱ったな。
多分あのキングスライム、俺は出口に行こうすると攻撃してくるぞ。
俺はこのダンジョンでスライムたちを狩りすぎたから現れてしまったのか?
ダンジョンっていうのは特定の条件を満たした時だけ現れるユニークモンスターというものがたまにいる。
その条件というやつはダンジョンによって変わると言われているが詳しいことはわからない。
しかし俺がこのダンジョンしたことなんでスライムたちを爆狩りしたことだけだしな、まあ勝手に自爆するのを眺めてただけなんだがな。
「条件なんてそれくらいしかない、つまりそれがこのダンジョンのユニークモンスター。キングスライムの出現条件って訳か…」
ちなみにこのキングスライム、結構強い。
何せ見上げるほどの大きさだ、あの身体で体当たりでもされたら一般人も探索者も大抵は死ぬ。
その上キングスライムは攻撃魔法まで使うのだ、モンスターの危険度ランクはBだったか?
とにかくタダのスライムとは次元が違う強さなのは間違いない。
「……遂にきたか、神殺しの称号の本当の強さを確かめる時が」
流石にスライムを自滅させる為だけじゃ、せっかくの称号が勿体なさ過ぎると思っていたんだ。
いくら(偽)でもな。
丁度いい、このキングスライムで今の俺の強さを試してやる!
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