60 / 61
番外編
ユーリのお仕事
しおりを挟む
◇◇◇ユーリ視点◇◇◇
ワタシは今、スカイディアと言う都市を散歩しています……違いますね。これは他のゴーレムがこの都市の清掃をちゃんとしてるのかを監視しているのです。
最初ワタシは、自分がアオノ様に創られた最初のゴーレムだと思っていました。
そんなワタシの前に現れたのがスカイディアのお掃除ボールゴーレムです。
最初はアオノ様に内密であの丸いスカした浮遊ボール達を廃棄処分すべきかとも考えましたが……物は考えよう。ワタシ1人ではブルーメント城とスカイディア全ての掃除は不可能。
この浮遊ボール達にはスカイディアの掃除を任せ、ワタシはアオノ様の身の回りの世話やブルーメント城の清掃に務める、それが正しい仕事ですね。
「───本当に、綺麗な都市ですね」
スカイディアの街並みはアオノ様曰く、西洋的ながも白い石造りの大都市です。
人は誰も住んでいません、ワタシとしては多くのアオノ様を敬う者達が住み活気を持つのも悪くない気がするのです。
しかしアオノ様は滅多にここに他者を招きません、それはきっとアオノ様は多くの者と広く、浅く繋がるよりも限られた者達と狭くとも深く付き合っていける関係を好んでいるからでしょう。
仕えるご主人様の趣味嗜好を理解するのがメイドでありゴーレムでもあるユーリの役目ですね。
スカイディアを巡りながら清掃に見落としがないかを見て回ります。しかし前世とはいえ流石はアオノ様です、ゴーレム達は今のところ見落としはありません。
ユーリの心の中にはアオノ様が創ったゴーレムに対して様々な感情があります。
1つはやはりアオノ様の魔法で生み出された存在、そこに設計ミスなんてあるわけがありません。
2つ目としてワタシよりも能力とかその他諸々がショボくあって欲しいと願うのも素直な気持ちです。まるで人間の様な感情がユーリを苦しめます。
しかしこれもまたアオノ様から与えられた物、ならばユーリは受け止めるだけです。
きっと多くを学ぶにはこの感情は大切なのでしょう、アオノ様の考えの全てを理解する事はユーリには出来ません。
「──ふうっ今日もスカイディアに異常はありませんね、それではブルーメント城に向かいますか」
ブルーメント城ではお掃除メイドとして働きます。
ホウキとちり取りを持って様々な場所をお掃除ですね、中庭もお城の廊下も綺麗にします。
更にはドラゴンの翼を生やしてお城の屋根や高所の窓ガラスの掃除、それに屋根にも飛んでいきゴミを掃除します。
しかしここでもヤツらが現れます。そうっ浮遊ボール達です。
「またワタシよりも先に!この浮遊ボール達め!」
「───────!!」
「───!」
「─────!」
「───!!」
コロコロフヨフヨと集まってきました、目障りですね……。
浮遊ボール達が集まり無言の抵抗を示してきます、まさか此奴らにも自我が?アオノ様、コイツらに心は不要なのでは?っと思ったりするワタシです。
「──くっ仕方ありませんね。では高所や屋根と言う持ち場は貴方達が長いことしてきた場所です、譲りましょう」
「「「「─────!!」」」」
浮遊ボール達はワタシの言葉に満足したのかお掃除に戻りました。おのれ、いつかワタシもアオノ様にメイド部隊を用意してもらったら……。
密かな野心がユーリの心に宿りました。
その日はお掃除も無事に終わりました、アオノ様は部屋にこもる日がたまに続く事があります。
この胸に輝くブローチを作っていたと話された日がそうでしたね。
これはユーリの宝物です、巨乳エルフのイオリアや眼鏡巨乳のリエリが貰った物よりも魔石が大きいのですよ。フフン。
そしてアオノ様が部屋にこもって何かに集中するなら、それを邪魔しないのかメイドの務めです。
お掃除が終わったので何かする事があれば聞きたかったのですが仕方ありません。
「これからは剣の手入れでもしますか」
ユーリは戦闘の時に剣を使って戦います。
魔力が宿った魔法剣を召喚して突撃したり、武器として使ったりしています。
剣の技術も戦闘能力もゴーレムとして戦闘を前提に生み出されたワタシは最初から持っています。
この魔法剣を召喚する魔法もアオノ様から与えられた能力の筈なのですが、アオノ様に心当たりがない様な顔をしていました。
その辺りは完全に謎ですね。まあ便利な能力なので構いませんが、しかしその召喚する剣、これは別に無から無限に生み出される訳ではありません。
恐らくこのブルーメント城の金庫にあった無数の武器の類、そこから剣を召喚しているとではと睨んでいます。そこの掃除は浮遊ボール達が譲らなかったので詳しくは分かりませんが。
アオノ様もこの城の地下にある金庫やら他の謎施設に対する説明は今だありません、まあ必要ないからしないだけなのでしょうが。
このスカイディアは異空間に創られた天空都市です、もしも金庫に武器の類があるなら何に備えての準備だったのかとか謎が深まりますが……。
「う~~ん、その辺りもやはり完全に謎ですね」
まあワタシは剣に汚れがないかを確認したりして、次回の活躍の場を期待するのみです。
また手柄を立てたら新しいプレゼントがあるかもとか思ってはいませんよ?。
無論貰える物は貰うのがワタシの主義ではありますけども……。
近頃巨乳エルフはスカイディアの郊外に出て何やら調べ物をしています。何をしてるのか気にはなりますが、アオノ様が黙認してるので口出しはしません。
あのエルフはとにかく知らない事を知るのが好きなだけのヤツです。ほっとくと何をしでかすか分からない一面はありますが、何かやらかしてもアオノ様ならなんの問題もないでしょう。
無論何かしでかしたらこのユーリがお仕置きをしますがね。客として招待してるからといって調子に乗ればこの白銀の剣が閃きますよ?。
そんな事を考えながらブルーメント城のワタシに割り当てられた一室にて剣の手入れをしながら、今日も日がな一日が過ぎていくのです。
ワタシは今、スカイディアと言う都市を散歩しています……違いますね。これは他のゴーレムがこの都市の清掃をちゃんとしてるのかを監視しているのです。
最初ワタシは、自分がアオノ様に創られた最初のゴーレムだと思っていました。
そんなワタシの前に現れたのがスカイディアのお掃除ボールゴーレムです。
最初はアオノ様に内密であの丸いスカした浮遊ボール達を廃棄処分すべきかとも考えましたが……物は考えよう。ワタシ1人ではブルーメント城とスカイディア全ての掃除は不可能。
この浮遊ボール達にはスカイディアの掃除を任せ、ワタシはアオノ様の身の回りの世話やブルーメント城の清掃に務める、それが正しい仕事ですね。
「───本当に、綺麗な都市ですね」
スカイディアの街並みはアオノ様曰く、西洋的ながも白い石造りの大都市です。
人は誰も住んでいません、ワタシとしては多くのアオノ様を敬う者達が住み活気を持つのも悪くない気がするのです。
しかしアオノ様は滅多にここに他者を招きません、それはきっとアオノ様は多くの者と広く、浅く繋がるよりも限られた者達と狭くとも深く付き合っていける関係を好んでいるからでしょう。
仕えるご主人様の趣味嗜好を理解するのがメイドでありゴーレムでもあるユーリの役目ですね。
スカイディアを巡りながら清掃に見落としがないかを見て回ります。しかし前世とはいえ流石はアオノ様です、ゴーレム達は今のところ見落としはありません。
ユーリの心の中にはアオノ様が創ったゴーレムに対して様々な感情があります。
1つはやはりアオノ様の魔法で生み出された存在、そこに設計ミスなんてあるわけがありません。
2つ目としてワタシよりも能力とかその他諸々がショボくあって欲しいと願うのも素直な気持ちです。まるで人間の様な感情がユーリを苦しめます。
しかしこれもまたアオノ様から与えられた物、ならばユーリは受け止めるだけです。
きっと多くを学ぶにはこの感情は大切なのでしょう、アオノ様の考えの全てを理解する事はユーリには出来ません。
「──ふうっ今日もスカイディアに異常はありませんね、それではブルーメント城に向かいますか」
ブルーメント城ではお掃除メイドとして働きます。
ホウキとちり取りを持って様々な場所をお掃除ですね、中庭もお城の廊下も綺麗にします。
更にはドラゴンの翼を生やしてお城の屋根や高所の窓ガラスの掃除、それに屋根にも飛んでいきゴミを掃除します。
しかしここでもヤツらが現れます。そうっ浮遊ボール達です。
「またワタシよりも先に!この浮遊ボール達め!」
「───────!!」
「───!」
「─────!」
「───!!」
コロコロフヨフヨと集まってきました、目障りですね……。
浮遊ボール達が集まり無言の抵抗を示してきます、まさか此奴らにも自我が?アオノ様、コイツらに心は不要なのでは?っと思ったりするワタシです。
「──くっ仕方ありませんね。では高所や屋根と言う持ち場は貴方達が長いことしてきた場所です、譲りましょう」
「「「「─────!!」」」」
浮遊ボール達はワタシの言葉に満足したのかお掃除に戻りました。おのれ、いつかワタシもアオノ様にメイド部隊を用意してもらったら……。
密かな野心がユーリの心に宿りました。
その日はお掃除も無事に終わりました、アオノ様は部屋にこもる日がたまに続く事があります。
この胸に輝くブローチを作っていたと話された日がそうでしたね。
これはユーリの宝物です、巨乳エルフのイオリアや眼鏡巨乳のリエリが貰った物よりも魔石が大きいのですよ。フフン。
そしてアオノ様が部屋にこもって何かに集中するなら、それを邪魔しないのかメイドの務めです。
お掃除が終わったので何かする事があれば聞きたかったのですが仕方ありません。
「これからは剣の手入れでもしますか」
ユーリは戦闘の時に剣を使って戦います。
魔力が宿った魔法剣を召喚して突撃したり、武器として使ったりしています。
剣の技術も戦闘能力もゴーレムとして戦闘を前提に生み出されたワタシは最初から持っています。
この魔法剣を召喚する魔法もアオノ様から与えられた能力の筈なのですが、アオノ様に心当たりがない様な顔をしていました。
その辺りは完全に謎ですね。まあ便利な能力なので構いませんが、しかしその召喚する剣、これは別に無から無限に生み出される訳ではありません。
恐らくこのブルーメント城の金庫にあった無数の武器の類、そこから剣を召喚しているとではと睨んでいます。そこの掃除は浮遊ボール達が譲らなかったので詳しくは分かりませんが。
アオノ様もこの城の地下にある金庫やら他の謎施設に対する説明は今だありません、まあ必要ないからしないだけなのでしょうが。
このスカイディアは異空間に創られた天空都市です、もしも金庫に武器の類があるなら何に備えての準備だったのかとか謎が深まりますが……。
「う~~ん、その辺りもやはり完全に謎ですね」
まあワタシは剣に汚れがないかを確認したりして、次回の活躍の場を期待するのみです。
また手柄を立てたら新しいプレゼントがあるかもとか思ってはいませんよ?。
無論貰える物は貰うのがワタシの主義ではありますけども……。
近頃巨乳エルフはスカイディアの郊外に出て何やら調べ物をしています。何をしてるのか気にはなりますが、アオノ様が黙認してるので口出しはしません。
あのエルフはとにかく知らない事を知るのが好きなだけのヤツです。ほっとくと何をしでかすか分からない一面はありますが、何かやらかしてもアオノ様ならなんの問題もないでしょう。
無論何かしでかしたらこのユーリがお仕置きをしますがね。客として招待してるからといって調子に乗ればこの白銀の剣が閃きますよ?。
そんな事を考えながらブルーメント城のワタシに割り当てられた一室にて剣の手入れをしながら、今日も日がな一日が過ぎていくのです。
1
お気に入りに追加
18
あなたにおすすめの小説
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
異世界転生はどん底人生の始まり~一時停止とステータス強奪で快適な人生を掴み取る!
夢・風魔
ファンタジー
若くして死んだ男は、異世界に転生した。恵まれた環境とは程遠い、ダンジョンの上層部に作られた居住区画で孤児として暮らしていた。
ある日、ダンジョンモンスターが暴走するスタンピードが発生し、彼──リヴァは死の縁に立たされていた。
そこで前世の記憶を思い出し、同時に転生特典のスキルに目覚める。
視界に映る者全ての動きを停止させる『一時停止』。任意のステータスを一日に1だけ奪い取れる『ステータス強奪』。
二つのスキルを駆使し、リヴァは地上での暮らしを夢見て今日もダンジョンへと潜る。
*カクヨムでも先行更新しております。
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
闇属性転移者の冒険録
三日月新
ファンタジー
異世界に召喚された影山武(タケル)は、素敵な冒険が始まる予感がしていた。
ところが、闇属性だからと強制転移されてしまう。
頼れる者がいない異世界で、タケルは元冒険者に助けられる。生き方と戦い方を教わると、ついに彼の冒険が始まる。
強力な魔物や冒険者と死闘を繰り広げながら、タケルはSランク冒険者を目指す。
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
あの、神様、普通の家庭に転生させてって言いましたよね?なんか、森にいるんですけど.......。
▽空
ファンタジー
テンプレのトラックバーンで転生したよ......
どうしようΣ( ̄□ ̄;)
とりあえず、今世を楽しんでやる~!!!!!!!!!
R指定は念のためです。
マイペースに更新していきます。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる