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第1部『旅の魔法使いと水神の巫女』

アルゴ島と沿岸部の街コネル

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 ギルと移動する、トコトコ歩いてるだけだが道中モンスターが現れる事はなかった。

 何故かって?私がモンスター避けの魔法を使ったからだよ。またモンスターを倒して解体するとか言われたらもう置いていく自信があるからな。

 けど普通に魔法を使えている自分に何気に驚く、だって魔法がない世界で長年生きてきた人間だよ私は。いくら前世の前世が魔法使いだったとは言え当たり前のように魔法の力を今世に持ってきてる事に今更ながら驚く私だ。

しかしその前世の前世の時の知識を元に魔法をイメージして使うと本当に魔法が使えていしまう、ファンタジーって凄いね。

 ちなみにギルは近くに採取依頼で来たらあのオオカミ達フォレストウルフに囲まれてしまったらしい。逃げた道を戻ると彼の物だと言うリュックサックがあってそれに解体したフォレストウルフの素材を押し込んでいた。

 街まではやたらと上機嫌だったギル、何でもこのフォレストウルフの素材を売ったお金で前から欲しかった装備を買えるとか笑顔で言っていた……私も分け前を要求しょうかな?……まあいいか。

 やがて見えて来た街はやはり結構な規模の街だ。海に面した一帯に街が広がっている、城壁とかが街を囲んではいない。もしかしてそこまでモンスターが人間の街に入り込んだりしてこないのかね?。

 城壁もないので門番とかもいなくて、私は普通に街に入る事が出来た。

「ここはコネルの街だ。結構大きい街だろう?冒険者ギルド以外にもハンターギルドや魔術師ギルドや商人ギルドの支部もあるから、このアルブ島には周りの島からも人が集まるんだよ」

「確かに立派な街ですね」
「それじゃあ俺は獲物を冒険者ギルドに持って行くけどお前はどうするんだ?」

「私は適当に宿屋を探しますかね」

「そうか!金が入ったら飯奢るからな!」

 そう言うとギル青年は冒険者ギルドとやらに走っていった。冒険者ギルド、異世界ラノベとか好きだから興味あるけど……冒険者かぁ~~若返って魔法使えてもモンスターとかと戦うのはな~~。出来るけど好んでしたくないな。

 とりあえずは宿を探そう、今日はもう色々あり過ぎて疲れたんだ。


◇◇◇◇◇◇


 そして宿を無事に発見して個室をゲット、お金についてはインベントリを調べたらあったのでなんとかなった。ちなみにインベントリとはいわゆる『収納空間』の魔法だ。

 別の異空間、それも時間が経過しない的なね。そんな空間に物を出し入れ出来る魔法だ、これがまんまゲームのインベントリだからあの女性もそう呼んでいたようだ。

 このインベントリに入っていた物は2つ。まずは宿を取る時に使ったお金だ。金貨と銀貨と銅貨がそれぞれ2枚ずつあった。その価値もインストールされた知識で大まかに分かる。

 後はこの……異世界ガイドブックだ。
 見た目はファンタジーゲームに出て来るような魔導書とか古文書的な見た目でガイドブックには見えないぞ。しかも中身が──。

「ガイドブックのわりに何も書かれてないけど……ん?」

 ガイドブックは全て白紙だった。しかし私が本のページをパラパラめくると何やら文字やら絵が浮かび上がってきたのだ。なになに~?。

 【コネルの街】
 【アルゴ島にある唯一の街。近くにダンジョンがあり、そのおかげから孤島のわりに人の往来が多く様々な施設がある立派な街である。】

「ダンジョン?ダンジョンってあのダンジョンか?」

 それこそゲームとかのあれだ。モンスターいっぱいで危険と罠もいっぱいの場所だ、この世界ではどうか知らないけど言ってみようとは思えないな。

 う~~んこのままだと私は引きニートの仲間入りしてしまいそうな感じがする。そもそも今日は宿に泊まったのだが、実は魔法1つで生活する拠点もどうにかなりそうなのだ。

 いや、スフィリアは何やら目的があって私を異世界転生させたのだ、その理由を調べた方が後で絶対に後悔しないはずだ………けどゲームとちがってヒントがなさ過ぎる。せめて何処に行けば良いのかを教えてくれるナビゲーター的な人が欲しい。

「…………ん?」

 そんな事を考えていると頭の上にパサッと何かが落ちてきたぞ?手に取るとそれは青い便せんだった。

 天井から便せん?そんなバカな。私は怪しがりながらもその便せんを開けた。

 【アオノさんこんにちはわたしです。──】

 わたしですって……スフィリアさんですよね?。

 【いきなり海にダイブする事になってすみません、しかし貴方なら大丈夫でしょうから謝りはしません。それよりも今後の貴方の異世界生活についてですね】

 ……謝ってくんね?人をいきなり海にドボンしといてさ。流石はスフィリアと言うべきか何というべきか、引くわぁ~~。

 【そこで貴方にして欲しい事……それを知っている者を呼び出せる魔法を教えます、それは召喚魔法です。それではまた手紙を書きますね~~】

 以上である、なんかふざけてない?召喚魔法を使うのか?しかし何を召喚しろと?。

「……仕方ないし、使ってみるか。召喚魔法」

 その、して欲しい事とやらを知る者を召喚出来るように頑張ろう。











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