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第4話 これから
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儀式の開かれていた場所から唯一外へと繋がる扉がある、そこから一人の女性と何人かの騎士が現れた。
騎士の方は全身鎧のまんま騎士さんって感じで女性の方は……。
「おっお前達は何者なの!? 父上や我が国の上層部の人間に何をした!」
父上、あの王様を見てそう言った。
成る程ね、つまりはお姫様って所か、年齢は見た目十代の女神メイラと大差なさそうだから女王様ではないと見た。
肩まで伸びた金髪と気の強そうなつり目て赤い瞳が印象的な美少女だ。真紅のドレス姿がとてもよく似合っている。スタイルもグラマラスだ。
「宮城殿、切りますか?」
「それは少し待ってね……えっと私は」
流石に問答無用で倒すのはこの場にいた碌でなしだけで済ませたい、俺はこの王女様の質問に答えた。
かくかくしかじか。
するとお付きの騎士達がめっちゃ怒ってきた。
「王がそんな真似をするか!」
「異世界から来た? 女神からの遣いだ?」
「ふざけるなよ貴様ら!」
そんなん言われてもこちらは嘘は言ってないのだ。おたくらの国の王様や偉い人達は女神メイラがガチで止めようとするくらい人に迷惑をかける事をしでかした。
だから俺がここに来させられた訳で…。
するとムラサキがスッと前に出る、その表情は結構イラついてる感じであった。
「女神メイラの事も宮城殿の事情も本当です。そもそも女神メイラを信仰する教会から何度も考えを改めるようにとそちらの王や国の上層部の人間は言われていたはずですよ?」
「!?」
あっムラサキの言葉に王女様が反応した、どうやら完全に無関係って訳じゃないのか?
なら遠慮する必要ないかな。
「一応言うと、あの人達全員生きてますから。ただ今回の事で異世界から他人を召喚する魔法陣とその魔法に関する知識をこの場の全員から奪いました、これでこの国の戦争に異世界の人間を道具として投入する計画はお終いです」
俺の言葉に騎士や王女様は少なからず動揺はしている。
これ以上話をしても多分無駄かな、ムラサキと共に扉の方に向かった。
けどこれだけは伝えとこうかな。
「あっ多分少しパーになってるかも知れませんのでご注意を」
「…………え?」
「ですので多分この国で残っている王族の人とかに今回の責任とか色々取らされる可能性があると思いますので………頑張って下さい!」
「ハァアアァアーーーーーーーーーーーーッ!?」
あくまでも可能性の話だけど王女である彼女には伝えておく、そしてなんか文句を言われるのが嫌なので俺とムラサキは扉へとダッシュした。
扉の向こうは階段だった、螺旋階段ってヤツだ。
事前に女神メイラから与えられた情報で計画が行われていた場所はお城の地下である事はわかっていたので階段を上に上る。
騎士達や王女様が何やら言っているが無視する、もうこの国には用もないので後は好きにするよ?
実は女神メイラからもその辺は許可を貰っているのだ。
事が済めば俺は異世界に取り残される。だからこそ残りの人生は余程の外道な行いでもしなければ自由にこの世界で生きて下さいってね。
「…………ふっ」
まあその手のマンガや小説は割と好きで読んでた、異世界、冒険、グルメ、ファンタジー、そう言うのを期せずして目の当たりに出来る事になったんだ。
どうせならそう言うのを全部楽しみたい、俺は残りの人生をこの異世界を楽しむ漫遊の旅にすると決めていたのだ。
「宮城殿、しばらく別行動をよろしいですか?」
「別行動? 分かった。それじゃあどこで合流するんだ?」
正直一人になるのは心細い、しかしムラサキが俺に何のメリットもないのにそう言う事を言ってくるとは思えなかったので即了承する。
「この城の屋上でお願いします、上に向かっていって下さい」
「分かった!」
今回のクソみたいな計画を実行するにあたり余計な人間は可能の限り排除されたのか、城の中は殆ど人の姿はなかった。
見張りの騎士とかがいなかったのは素直に助かる、まだ魔法ペンの扱いが上手い訳でもないので戦闘行為は避けたいからな。
元から平和が一番だと思ってるからさ俺。
そして城の屋上へと辿り着く、普通なら途中で体力が尽きそうだと思ったのだが何とか行けた。
この体力も女神メイラの子加護なのか?
凄いな。
けど自身の過去を思い出してもここまで体力はなかったら筈だけど……多分女神メイラが少し手を加えてくれたのかも知れないな。
屋上を見回す、しかしまだムラサキの姿はない。
俺以外誰もいなかった。
空を見る、おおっ流石は魔法とかあるファンタジーな世界だ。
島が……島が空に幾つも浮いていた。
はぁ~~~スッゴいな。浮遊する島とかさ、もしかして大陸とかも空に浮いてたりすんのか?天空大陸的なヤツとか。
「宮城殿!」
「ムラサキ……ってその背中の袋は何だ?」
ムラサキは背中に大きく膨らんだ布の袋を背負っていた。とても重そうな袋ですな。
まっまさかこの子……。
「はいっ! この城の宝物庫から使えそうな物をあるだけ頂いて来ました!」
「…………」
ってそれ泥棒じゃねぇか! 一体何をやってんのこの子は!
騎士の方は全身鎧のまんま騎士さんって感じで女性の方は……。
「おっお前達は何者なの!? 父上や我が国の上層部の人間に何をした!」
父上、あの王様を見てそう言った。
成る程ね、つまりはお姫様って所か、年齢は見た目十代の女神メイラと大差なさそうだから女王様ではないと見た。
肩まで伸びた金髪と気の強そうなつり目て赤い瞳が印象的な美少女だ。真紅のドレス姿がとてもよく似合っている。スタイルもグラマラスだ。
「宮城殿、切りますか?」
「それは少し待ってね……えっと私は」
流石に問答無用で倒すのはこの場にいた碌でなしだけで済ませたい、俺はこの王女様の質問に答えた。
かくかくしかじか。
するとお付きの騎士達がめっちゃ怒ってきた。
「王がそんな真似をするか!」
「異世界から来た? 女神からの遣いだ?」
「ふざけるなよ貴様ら!」
そんなん言われてもこちらは嘘は言ってないのだ。おたくらの国の王様や偉い人達は女神メイラがガチで止めようとするくらい人に迷惑をかける事をしでかした。
だから俺がここに来させられた訳で…。
するとムラサキがスッと前に出る、その表情は結構イラついてる感じであった。
「女神メイラの事も宮城殿の事情も本当です。そもそも女神メイラを信仰する教会から何度も考えを改めるようにとそちらの王や国の上層部の人間は言われていたはずですよ?」
「!?」
あっムラサキの言葉に王女様が反応した、どうやら完全に無関係って訳じゃないのか?
なら遠慮する必要ないかな。
「一応言うと、あの人達全員生きてますから。ただ今回の事で異世界から他人を召喚する魔法陣とその魔法に関する知識をこの場の全員から奪いました、これでこの国の戦争に異世界の人間を道具として投入する計画はお終いです」
俺の言葉に騎士や王女様は少なからず動揺はしている。
これ以上話をしても多分無駄かな、ムラサキと共に扉の方に向かった。
けどこれだけは伝えとこうかな。
「あっ多分少しパーになってるかも知れませんのでご注意を」
「…………え?」
「ですので多分この国で残っている王族の人とかに今回の責任とか色々取らされる可能性があると思いますので………頑張って下さい!」
「ハァアアァアーーーーーーーーーーーーッ!?」
あくまでも可能性の話だけど王女である彼女には伝えておく、そしてなんか文句を言われるのが嫌なので俺とムラサキは扉へとダッシュした。
扉の向こうは階段だった、螺旋階段ってヤツだ。
事前に女神メイラから与えられた情報で計画が行われていた場所はお城の地下である事はわかっていたので階段を上に上る。
騎士達や王女様が何やら言っているが無視する、もうこの国には用もないので後は好きにするよ?
実は女神メイラからもその辺は許可を貰っているのだ。
事が済めば俺は異世界に取り残される。だからこそ残りの人生は余程の外道な行いでもしなければ自由にこの世界で生きて下さいってね。
「…………ふっ」
まあその手のマンガや小説は割と好きで読んでた、異世界、冒険、グルメ、ファンタジー、そう言うのを期せずして目の当たりに出来る事になったんだ。
どうせならそう言うのを全部楽しみたい、俺は残りの人生をこの異世界を楽しむ漫遊の旅にすると決めていたのだ。
「宮城殿、しばらく別行動をよろしいですか?」
「別行動? 分かった。それじゃあどこで合流するんだ?」
正直一人になるのは心細い、しかしムラサキが俺に何のメリットもないのにそう言う事を言ってくるとは思えなかったので即了承する。
「この城の屋上でお願いします、上に向かっていって下さい」
「分かった!」
今回のクソみたいな計画を実行するにあたり余計な人間は可能の限り排除されたのか、城の中は殆ど人の姿はなかった。
見張りの騎士とかがいなかったのは素直に助かる、まだ魔法ペンの扱いが上手い訳でもないので戦闘行為は避けたいからな。
元から平和が一番だと思ってるからさ俺。
そして城の屋上へと辿り着く、普通なら途中で体力が尽きそうだと思ったのだが何とか行けた。
この体力も女神メイラの子加護なのか?
凄いな。
けど自身の過去を思い出してもここまで体力はなかったら筈だけど……多分女神メイラが少し手を加えてくれたのかも知れないな。
屋上を見回す、しかしまだムラサキの姿はない。
俺以外誰もいなかった。
空を見る、おおっ流石は魔法とかあるファンタジーな世界だ。
島が……島が空に幾つも浮いていた。
はぁ~~~スッゴいな。浮遊する島とかさ、もしかして大陸とかも空に浮いてたりすんのか?天空大陸的なヤツとか。
「宮城殿!」
「ムラサキ……ってその背中の袋は何だ?」
ムラサキは背中に大きく膨らんだ布の袋を背負っていた。とても重そうな袋ですな。
まっまさかこの子……。
「はいっ! この城の宝物庫から使えそうな物をあるだけ頂いて来ました!」
「…………」
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