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11.初夜
6 *
しおりを挟む「んぁっ……、あっ……」
「気持ちいい?」
「っ、んっ……!」
イオは頷くので精一杯だ。胸元から全身へと広がる快感に、シーツの上でイオの足が滑る。じわじわと性器の熱が高まり、身体はより強い快感を求める。イオは胸元で動く総司の手を掴み、下半身へと導いた。
「っ、総司、さん……」
イオの行動と吐息混じり声で、総司はイオの意思を理解する。乳首から離れるのを名残惜しく思いつつも、総司は上半身を起こし、イオのボクサーパンツに手をかけた。
ゆっくりとパンツを脱がすと、イオの身体は何も身につけていない状態になる。
ゆるりと勃ち上がった性器、その下の睾丸、そして、後孔と、総司はイオの股間周囲を観察する。ともすれば、グロテスクである臓器ですら、美術品のように気品があって美しい。
それに、確かにイオが人間の身体であることに、天使が堕天したような背徳感を感じ、総司の興奮は増す。
「触るね」
総司は前置きをして、イオ自身に優しく触れた。
「んんっ!」
イオは嬌声をあげ、その身体はびくんっと跳ねる。
総司の指先には柔らかく、熱く、張りがある皮膚。そして、ぬるりとした先走りの感触があった。総司は優しくイオ自身を扱き始めると、ぬちぬちと水音が小さく響く。
「っ、あ、……はぁっ……」
先端を指の腹で撫で、竿を擦ると、イオの口からは喘ぎ声と吐息があふれ出す。性器への直接的な刺激を享受し、イオは表情を蕩けさせた。
薄く開いた口、濡れた唇、上気した頬、潤んだ瞳。
今までに見たことのないイオの表情に、総司は背筋がぞくりとした。イオにこの表情をさせているのが、まぎれもなく自分であることが、嬉しい反面、背徳感と特別感を感じていた。
「イオくん、可愛い」
総司は息を荒げ、欲望のままにイオにキスを落としていた。ちゅ、ちゅっと軽いキスをしながら、性器を扱く手は止めない。
「んっ……っ、んんぅ……」
零れる先走りの量が増え、総司の手の滑りは良くなる。キスも相まって、イオは急激に絶頂へと押し上げられた。
「そっ、あ、じさ、んっ……」
イオはキスの合間に名前を呼ぶ。
総司はキスを止め、イオを見つめた。熱っぽいイオの視線から察し、総司は性器への刺激に集中する。
親指と人差し指で輪を作り、竿を上下に扱きながら、くびれを撫で、先端に優しく爪を立てる。イオ自身は可哀そうなほど勃ちあがり、だらだらと先走りを流していて、総司は早く楽にさせてあげたい一心だ。
「あっ、っあ、そうじさっ……、んっ」
イオはびくびくとからだを震わせ、縋るように総司の背中に手を回した。総司の耳元でイオの嬌声が響き、脳に直接吹きこまれる。その刺激は、ダイレクトに総司自身へと伝わり、下着の中が一層窮屈になった。
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