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5.変化
8 *
しおりを挟むもともと恋愛対象が男性であるイオは、後ろも開発している。そのせいだった。今までも自慰をする時は、ひっそりと後ろも使っていた。ただし、イオは実際に後ろを使ってセックスしたことはない。
まとわりつく下着とズボンが邪魔で、イオはそれらを脱ぎ去る。そして、布団の上で、大きく足を広げた。細く長い足が、投げ出される。
(前だけじゃ足りない……。後ろにも、欲しい……)
イオは精液で汚れているのにも関わらず、指を口に含み、唾液を纏わせる。その指をそっと後孔へ差し込んだ。久しぶりの侵入に、後孔は抵抗感を示すが、何度か出し入れすると、指を受け入れ始める。反対の手で性器を扱きながら、指の抽挿を続けた。
「んっ……、あ……」
徐々に後孔が広がっていき、指の動きがスムーズになっていく。イオは指を二本に増やす。イオの性器は再び勃ちあがり、精液混じりの先走りを零す。それが竿と会陰を伝って、後孔を濡らした。後孔に指が出入りする度に、ぐちゅぐちゅと下品な音が鳴る。
「あっ、そこっ……」
イオの指が前立腺を押し上げる。前立腺からの快感は気持ちいいが、気持ちいいあまり逃げるように腰が揺れる。イオは首を横に振りながらも、貪欲に前立腺を指で刺激した。
(もっと奥に欲しい。総司さんので、奥を、強く突かれたら……)
見たことのない総司の性器で、突かれていると想像すると、イオの後孔はきゅうと指を締めつけた。ぞわりと肌がざわつき、頬が熱くなる。
「っ、総司、さんっ……」
後孔は指三本を咥えこんでいる。指で縁を広げ、何度も抽挿し、前立腺を捏ねると、腹の中からぞくぞくと快感が生まれる。性器からの快感とも合わさって、イオは絶頂に近づく。
「っ、あ……、あ、イく……」
イオは身体を震わせ、射精した。後孔は咥えた指をしゃぶるように締まる。薄く口を開けたイオは、浅い呼吸を繰り返した。総司の匂いに包まれ、絶頂を漂う中、イオは総司への気持ちを自覚した。
(俺、総司さんのことが……)
「…………好き」
(この気持ちは、絶対に総司さんに知られるわけにはいかない)
早々に部屋を出ていかなければならない理由が増えた。気付いた気持ちを胸に、イオはそう考えていた。
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