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3.理由
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しおりを挟む「ごめんなさい、足が……」
イオは急いで総司の上から退こうとするが、足が痺れているせいで、うまくいかない。
「足?え、挫いた?イオくんの御御足が……?!」
「あ、待って、触らないで、っ、ひぁっ」
総司がイオの足に触れた瞬間、イオの口から甲高い声が飛び出す。二人は顔を見合わせ、二人とも顔を赤くした。イオは恥ずかしさから、総司は聞いたことのないイオの声に照れたからだ。
「本当にごめんなさい、降ります……」
恥ずかしさに消えたくなりつつも、イオは総司の上から退いた。顔の熱さに、思わず手で扇ぐ。
身軽になった総司はようやく身体を起き上がらせることができた。
「足は大丈夫?」
「大丈夫です。正座して痺れただけなので……」
「それならよかった」
「はい……」
気まずい雰囲気の部屋に、総司は「そうだ」と声を明るくした。
「お風呂は?入ってないよね?」
「え?あ、はい」
ランニングの後は、いつもならシャワーを浴びるが、今日のイオにそんな時間はなかった。
「寝られるように準備しておくから、お風呂使って」
「いや、そんな、泊めてくれるだけでいいので……」
「疲れてるならお風呂入った方がいいよ。シャワーだけでも、さっぱりするし」
イオにとっては、正直ありがたい提案だ。少し迷ったイオだが、素直に従うことにした。
「それなら、お言葉に甘えて……。でも、もう遅いのでシャワーだけでいいです」
イオの返事に、総司は壁にかけてある時計を見た。十一時は過ぎていた。
「わかった。準備するから、ちょっと待ってて。えっと、着替えは持ってる?」
「はい、あります」
「あれ?もしかして、晩ご飯食べてない?」
総司の質問に、イオは曖昧に頷いた。総司の部屋に来る前に、コンビニでおにぎり一つを買って食べたが、腹は満たされていない。
「ごめん、全然気づかなくて……。カップ麺しかないけど、良かったら食べて」
ただ寝床を確保できれば良かったのだが、総司のもてなしに、イオは申し訳なさが募る。
(お礼に何か返せるものがあればいいのに……)
イオは「ありがとうございます」と伝えるしかできなかった。
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