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4-2.ある寒い日の夜(番外編)
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しおりを挟む「俺が動くから」
腰を落とし切った王輝は、そう言うと、次は腰を上げる。遼自身が抜けていくほど、腹の中が寂しくなる。焦る気持ちを抑え、ギリギリまで腰を上げ、再び腰を下ろすと、自重でより深く奥へと亀頭が入ってくる。一瞬息が詰まるが、王輝は身体の力を抜いて、それを受け入れる。
「王輝、大丈夫?」
「うん、っあ……、おく、入って、すごいっ……」
遼自身に奥を抉られて、王輝は腰の動きを止め、天井を仰いだ。背中をびりびりと走り抜ける快感が王輝を襲う。
遼は王輝の様子を伺うために上体を起こそうとするが、王輝に「遼は動かないで」と止められてしまう。仕方なくベッドに寝転んだ遼は、王輝の痴態を見て我慢するしかない。
王輝は呼吸を整えてから、腰の動きを再開する。身体を少し後ろに逸らし、ベッドに手をつきながら、腰を上下させた。
「あっ、っ、きもちいっ、ああっ、はぁっ」
王輝は身体の位置を調節して、気持ちいい場所に当たるようにする。浅いところから深いところ、前立腺や奥の肉壁まで、王輝は夢中になって腰を振った。王輝自身は完勃ちして、王輝が動くたびにびゅくびゅくと精液混じりの先走りを吐き出す。
「っああ……、りょうっ、っ……、いいっ」
身体の上で乱れる王輝を見て、遼が我慢できたのは、少しの間だけだった。王輝が腰を下ろすのと同時に、遼はぐんっと腰を突き上げる。突然に前立腺を圧し上げられた王輝は、後ろだけで達し、目を見開いた。頭のてっぺんから足先まで、一気に快感の波に襲われる。
「……っ、あ、……あ、りょ、うっ……」
王輝の身体はがくんと揺れ、前のめりになる。王輝の額から落ちた汗は、遼の胸板を濡らす。遼は王輝の腰を支え、もう一度突き上げた。
「っああ……、あ、まって……」
「ここか?」
「そこぉ、だめっ、あっ、ああっ」
「気持ちいい?」
「うんっ、きもちいいっ、っあ、そこ、いいっ」
遼に何度も突き上げられ、王輝は息も絶え絶えになる。ついには遼の身体に倒れこみ、ゆさゆさと揺さぶられるしかなかった。互いの汗ばんだ肌が触れ合い、二人をより熱くさせる。
王輝は口を開けたまま、嬌声をこぼし、はふはふと呼吸を繰り返し、飲みこめなかった涎が顎を伝う。度重なる快感に、王輝の意識は霞む。遼は王輝の呼吸を奪うように口づけ、口内を味わった。
「んんぅ……、りょ、うっ、……んんっ」
「ほら、舌絡ませて」
二人の舌は唾液を纏い、互いに求めあうように絡む。唾液が混ざりあい、ぐちゅり、ぐちゅりと音を立てた。キスをしながら、遼は上半身を徐々に起こす。騎乗位では思うように動けず、遼の身体の中で欲望の熱が渦巻いていた。身体の中で暴れている熱を発散したいと、遼は本能に従う。快感に蕩けてしまっている王輝は、ベッドに押し倒されて、ようやく体位が変わったことに気づいた。
遼は繋がったまま、王輝の下半身を横向きに捻った。そして、右足を持ち上げ、肩に担ぐように置く。過去に怪我を負った左足はベッドに横たえたままにした。いわゆる松葉崩しの体位に、王輝は目を丸くする。
「熱くしてって言っただろ」
ぎらりと欲情した瞳の遼に見下ろされ、王輝の肌がじりりとひりつく。ゆっくりと腹の中から遼自身が出て行き、寂しく感じたのは一瞬で、ぎりぎりまで抜かれた性器は、勢いよく突き入れられた。
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