お隣さんはセックスフレンド

えつこ

文字の大きさ
上 下
114 / 116
4-2.ある寒い日の夜(番外編)

5 *

しおりを挟む



「俺が動くから」
 腰を落とし切った王輝は、そう言うと、次は腰を上げる。遼自身が抜けていくほど、腹の中が寂しくなる。焦る気持ちを抑え、ギリギリまで腰を上げ、再び腰を下ろすと、自重でより深く奥へと亀頭が入ってくる。一瞬息が詰まるが、王輝は身体の力を抜いて、それを受け入れる。
「王輝、大丈夫?」
「うん、っあ……、おく、入って、すごいっ……」
 遼自身に奥を抉られて、王輝は腰の動きを止め、天井を仰いだ。背中をびりびりと走り抜ける快感が王輝を襲う。
遼は王輝の様子を伺うために上体を起こそうとするが、王輝に「遼は動かないで」と止められてしまう。仕方なくベッドに寝転んだ遼は、王輝の痴態を見て我慢するしかない。
 王輝は呼吸を整えてから、腰の動きを再開する。身体を少し後ろに逸らし、ベッドに手をつきながら、腰を上下させた。
「あっ、っ、きもちいっ、ああっ、はぁっ」
 王輝は身体の位置を調節して、気持ちいい場所に当たるようにする。浅いところから深いところ、前立腺や奥の肉壁まで、王輝は夢中になって腰を振った。王輝自身は完勃ちして、王輝が動くたびにびゅくびゅくと精液混じりの先走りを吐き出す。
「っああ……、りょうっ、っ……、いいっ」
 身体の上で乱れる王輝を見て、遼が我慢できたのは、少しの間だけだった。王輝が腰を下ろすのと同時に、遼はぐんっと腰を突き上げる。突然に前立腺を圧し上げられた王輝は、後ろだけで達し、目を見開いた。頭のてっぺんから足先まで、一気に快感の波に襲われる。
「……っ、あ、……あ、りょ、うっ……」
 王輝の身体はがくんと揺れ、前のめりになる。王輝の額から落ちた汗は、遼の胸板を濡らす。遼は王輝の腰を支え、もう一度突き上げた。
「っああ……、あ、まって……」
「ここか?」
「そこぉ、だめっ、あっ、ああっ」
「気持ちいい?」
「うんっ、きもちいいっ、っあ、そこ、いいっ」
 遼に何度も突き上げられ、王輝は息も絶え絶えになる。ついには遼の身体に倒れこみ、ゆさゆさと揺さぶられるしかなかった。互いの汗ばんだ肌が触れ合い、二人をより熱くさせる。
 王輝は口を開けたまま、嬌声をこぼし、はふはふと呼吸を繰り返し、飲みこめなかった涎が顎を伝う。度重なる快感に、王輝の意識は霞む。遼は王輝の呼吸を奪うように口づけ、口内を味わった。
「んんぅ……、りょ、うっ、……んんっ」
「ほら、舌絡ませて」
 二人の舌は唾液を纏い、互いに求めあうように絡む。唾液が混ざりあい、ぐちゅり、ぐちゅりと音を立てた。キスをしながら、遼は上半身を徐々に起こす。騎乗位では思うように動けず、遼の身体の中で欲望の熱が渦巻いていた。身体の中で暴れている熱を発散したいと、遼は本能に従う。快感に蕩けてしまっている王輝は、ベッドに押し倒されて、ようやく体位が変わったことに気づいた。
 遼は繋がったまま、王輝の下半身を横向きに捻った。そして、右足を持ち上げ、肩に担ぐように置く。過去に怪我を負った左足はベッドに横たえたままにした。いわゆる松葉崩しの体位に、王輝は目を丸くする。
「熱くしてって言っただろ」
 ぎらりと欲情した瞳の遼に見下ろされ、王輝の肌がじりりとひりつく。ゆっくりと腹の中から遼自身が出て行き、寂しく感じたのは一瞬で、ぎりぎりまで抜かれた性器は、勢いよく突き入れられた。



しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

性欲の強すぎるヤクザに捕まった話

恋愛 / 完結 24h.ポイント:177pt お気に入り:4,891

見つからない願い事と幸せの証明

BL / 完結 24h.ポイント:1,831pt お気に入り:8,258

俺が私になるまで

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:7pt お気に入り:4

おじ専が異世界転生したらイケおじ達に囲まれて心臓が持ちません

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:63pt お気に入り:278

上の階のおにいちゃん

BL / 完結 24h.ポイント:85pt お気に入り:476

人気俳優と恋に落ちたら

BL / 完結 24h.ポイント:35pt お気に入り:216

監禁された私には、時空の監視者の愛情は伝わらない

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:21pt お気に入り:1,268

処理中です...