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4-2.ある寒い日の夜(番外編)

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「王輝、俺、もう……」 
 遼は眉根を寄せ、荒い呼吸をする。王輝の肉壁にぎゅうぎゅうと絞り取られ、限界だった。
「あっ、おれも、イく、っあ、あ」
「王輝っ」
 遼は王輝をぎゅっと抱きしめて、腰を突き入れる。逃さないとばかりの遼の行動を嬉しく思い、王輝も遼に縋った。汗ばんだ遼の肌は熱い。
「あっ、ああっ、イくっ、っ、あ、あああっ」
 ごちゅんと奥を抉られ、王輝は中イキした。同時に遼もゴムの中に白濁を吐きだす。互いにぎゅううと抱きしめ合って、二人は絶頂の余韻を漂った。
 遼が息を整えていると、腕の中で王輝がもぞもぞともがいていることに気付く。強く抱きしめていた力を緩め、慌てて王輝を解放した。
「あつい」
 王輝はぽつりと呟く。フリースに裏起毛のスウェットと、厚着をしていた王輝は、頬を赤くして、額に汗を浮かべていた。寒がりの王輝のことを思い、服を脱がさなかったのは遼の気遣いだった。それが裏目に出た。
「ごめん、暑かった?」
 遼が上体を起こすと、王輝は起き上がる。心配そうな表情の遼をよそに、王輝はフリースとスウェットを勢いよく脱いだ。外気に肌が触れ、すっと体感温度が下がる。暑さから解放されて、ほっと一息ついた王輝だったが、次の瞬間に、くしゅんっとくしゃみをした。
「着ておいたほうがいいんじゃないか?」
「大丈夫」
「でもっ、んっ……」
 遼の言葉は、王輝のキスによって止められる。王輝は啄むようにキスを続けながら、徐々に遼を押し倒した。未だに繋がったままの二人の身体は、キスによって再び熱く燃え上がる。
「もっと熱くしてくれるんだろ?」
 王輝は挑発するように、にやりと笑った。すると、腹の中の遼自身がぐぐっと固くなるのを感じて、王輝は熱い息を吐いた。





 ゴムを付け替えた遼はベッドに寝転がり、王輝がその体躯に跨る。遼の性器は固く反り上がっていた。王輝は見ているだけで、きゅううと腹の中が切なくなる。
 膝立ちになった王輝は、遼自身を後孔に宛てがう。そして、ゆっくりと腰を落とす。熱い塊がぬぷぷと王輝の中へと飲み込まれていく。
「っ、はぁ……あっ……」
 圧迫感に王輝は大きく深呼吸する。悶えるように身体を震わせる王輝を、遼は下から見上げる。そして、早く突き上げてしまいたい気持ちを抑えるように、王輝の足に手を伸ばした。大腿部に残った傷跡を避けて、優しく肌を撫で上げる。
「ちょっと、遼、くすぐったい」
 王輝はふふっと笑いながらも、腰を落としていく。腹の中が遼で満たされていく感覚は、王輝を幸せな気分にさせる。それは表情にも現れており、王輝の幸せそうな表情に、遼も幸せを感じていた。


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