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4-2.ある寒い日の夜(番外編)
3 *
しおりを挟む「りょう、あっ、っ、きもちいっ」
「王輝、……っ……」
寝室に嬌声と荒い息が響く。
遼の大きな身体が王輝に覆いかぶさり、遼が突き入れる度、王輝の身体はびくびくと震え、王輝は甘い声をもらした。王輝は下着とスウェットのズボンだけ脱がされた状態で、上半身はしっかりと着込んだままだ。王輝の頬は赤く上気している。
「もっと、っああ、あ、ほしいっ」
風呂で後孔の準備していた王輝だが、先ほどまで嫌と言うほど優しく後ろを解され、ようやく挿入に至ったところだった。そのため、遼の抽挿に一気に絶頂へと押し上げられる。遼自身に奥を穿たれ、前立腺を圧し潰され、蕩けるような快感に全身が悦んでいた。
遼も王輝との久しぶりのセックスに興奮していた。王輝の中は熱く、搾り取るように蠢く。額にはうっすら汗が滲み、暑さを逃すように遼はスウェットを腕まくりしていた。
「そこ、ああっ、だめ、あ、っりょ、うっ」
奥の肉壁を遼の亀頭が抉ると、王輝の中はぎゅうと締まる。遼はにやりと笑い、腰を押し付け、何度も力強く突く。強烈な快感に、王輝はふるふると首を横に振るが、身体は敏感に反応する。王輝自身はだらだらと先走りを流しながら固く反り上がり、王輝の視界はちかちかと瞬いた。
「やだ、そこぉ、あっ、ああ、イくっ」
「イッて、王輝」
「あ、ああっ、イく、りょうっ、あ、あああっ」
王輝はびくんっと身体を揺らし、射精した。白濁がフリースに飛び散る。同時に中イキし、足先がシーツの上でぎゅうと丸まった。一瞬息が詰まった王輝だが、すぐに酸素を求めて、はくはくと呼吸を再開する。しかし、達したのは王輝だけだった。
「王輝」
遼は切なげに王輝の名前を呼び、スウェットを脱ぎ、額の汗を拭った。鍛えられた体躯が王輝の目の前に晒される。腹筋や胸筋は綺麗についており、腕や肩はがっしりと逞しい。それらがうっすらと汗ばみ、遼のセクシーさを引き出していた。それだけでなく、遼は野獣のような表情で、王輝を見下ろす。王輝はたまらなく興奮して、続くであろう快楽を期待して、無意識に中を締めあげる。
「ごめん、もうちょっと付き合って」
そう前置きした遼は腰の動きを再開する。まだ絶頂の余韻に浸っていた王輝は、再び絶頂の波に攫われる。
「っ、あ、あっ、りょうっ」
敏感になったままの奥を突かれ、王輝は縋るように遼の身体に手を回す。王輝の手のひらには、汗ばんで熱い遼の肌の感触がある。もっと触れ合いたい、と王輝はぎゅうと遼に抱きつく。
「りょ、うっ、あ、あっ、きもちい、いっ」
「っ、王輝、俺も気持ちいい」
「あ、っああ、イく、からぁ、あ、きす、してっ」
王輝の嬌声混じりのおねだりに、遼は口角をあげた。遼は王輝の後頭部と背中に手を回すと、軽く抱き上げる。喘ぐ王輝の唇を唇で塞ぎ、抽挿のスピードを上げる。結合部のぐちゅぐちゅと淫らな音とたんたんと肌同士が当たる音が一際大きく鳴った。
「んんっ、んうっ、……ん、んっ」
王輝は遼の腕の中に収まり、深くキスされる。王輝の足は無意識に遼の腰に回され、二人は一つに混じり合うように、互いに抱きしめ合った。
「んっ、っは、……りょ、っんんぅ」
酸素も満足に吸えないほど、遼のキスが続く。舌を絡ませあい、唇をむさぼり合う。どちらの唾液かわからないものを互いに飲み込んだ。唇が離れると、互いに求めるように唇を押しつけ合い、またキスを交わす。それの繰り返しだ。その間も遼の抽挿は続き、王輝はずっと絶頂を漂い、思考は完全に蕩けていた。
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