お隣さんはセックスフレンド

えつこ

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2-5.何も考えられないくらい

4 *

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 隠された王輝の瞳が恋しくなり、遼はアイマスクを外した。現れた王輝の瞳は、最初は眩しさに細められていたが、すぐに大きく見開かれる。王輝の瞳は涙で濡れ、きらきらと光を反射した。たまらなく綺麗だと感じ、遼は瞼や目頭にキスを落とす。
 隠れていた安心感が奪い取られ、王輝は恥ずかしくなった。同時に、遼の野獣のような眼光に晒され、ぞわりと肌が粟立った。
「やだぁ、っ、見ないで」
 手錠で拘束された手で、顔を隠す。しかし、遼にその手を掴まれ、頭上でベッドに押しつけられてしまう。全て見られている羞恥から、王輝の中はきゅっと締まった。そして蕩けるような王輝の表情に、遼自身はどくんと脈打つ。遼は募る射精感から、王輝の前立腺を何度もえぐり、奥を突き上げた。
「あっ、いい、っあ、あ、さきっ」
「今ヶ瀬、っ、はぁっ」
「きもち、いいっ、あ、前、触ってっ」
 王輝自身は触れられることなく、寂し気に勃ちあがっていた。遼はそれを優しく扱きながら、腰を動かした。
「んぁっ、あ、イくっ、あっ…っああ!」
 王輝は遼の手の中で白濁を吐き出した。うねる内壁に搾り取られるように、遼もゴムの中に射精する。
 脱力している王輝から、遼は自身を抜く。一度達したのに、まだ自身は元気だ。遼は気持ちを落ち着けるために深呼吸をした。王輝は何度も達しているため、辛いのではないかと身体を心配していると、それを見透かしたように、王輝はにやりと笑った。
「もう終わりとか言うなよ」
 王輝の言葉に、遼の頬は無自覚に緩んだ。肉食獣が舌なめずりするような遼の表情に、これから与えられる快感を想像して王輝の中が疼く。
 王輝の了承を得たので、遼はゴムを付けかえた。王輝を四つん這いの体勢にさせ、後孔にローションを垂らし、先ほどベッドに放り投げたピンク色のローター手に取る。電源が入ったままで、振動するローターをつぷりと押しこんだ。バイブとは違う振動に、王輝は熱い息を吐いた。ローターが前立腺を掠めたため、王輝は腰を揺らす。しかしそれ以上前立腺への刺激はなく、遼はさらに奥へとローターを押しこんだ。指で届く範囲までローターを入れると、遼は指を抜く。
 遼の肉棒に比べると、振動しているとは言えサイズが小さなローターでは物足りない。そう思っていた王輝だが、後孔に遼自身の熱が触れた瞬間、何が起こるか理解した。
「待っ……、っ…!」
 遼自身が勢いよく突き入れられ、王輝の制止は空しく遮られた。先に入っていたローターが遼自身により、さらに奥へと押しこまれる。奥の肉壁にローターの振動が伝わり、腹の中が強制的に震わせられる感覚に、王輝は混乱した。
「これっ、あ、やばっ、いっ…」
 遼に腰を掴まれているため、王輝は逃げられない。最初はわけがわからなかった王輝だが、徐々に快感に塗り替わっていく。遼が腰を突き入れるたびに、ローターが奥に押し当てられ、強烈な快感が押し寄せた。すぐにそれの虜になり、王輝は貪欲に求める。
「おく、…いいっ、もっと、っ、ほしっ」
 乱れる王輝に、遼はたまらなく興奮し、腰を打ちつけるスピードを上げる。奥に突き入れると、遼自身の先端にもローターの振動が襲うため、遼も熱い息を吐いた。
 遼はリズミカルに腰を動かす。息つく暇もなく襲う快感に、王輝は喘ぎ声を上げることしかできない。飲みこめなかった唾液と、王輝自身から溢れた先走りが、シーツを濡らした。
「今ヶ瀬、あんまりっ、締めつけるな」
「だって、きもちっ、よくて…」
 ぎゅうっと狭くなる中を抉るように遼はストロークを繰り返す。額から汗が落ち、王輝の背中にぽたぽたと落ちた。
「っあ、あぁ、っイく、あ、あっ」
「今ヶ瀬っ」
「イくっ、あっ、あ、…っ…!」
 奥にローターの振動を感じながら、王輝は射精した。シーツに薄い精液を散らす。
 うねうねと搾り取るように動く内壁をかき分け、遼は王輝の中を穿った。放心している王輝を抱き寄せた遼は、王輝を太ももの上に乗せる。いわゆる背面座位になり、王輝の自重で、遼自身とローターが、最奥へと到達する。
「っ……はっ…」
 突然の衝撃に、王輝は目の前がチカチカとスパークし、息を詰まらせた。そして射精はせずに、後ろだけで絶頂を迎える。王輝の中で、先端から根本まで締めつけられ、遼は自身を解放するように白濁をゴムへと吐き出した。
 連続的にイかされ、王輝はぐったりと身体を遼に預けた。奥のローターは振動したままで、王輝はびくびくと身体を震わせる。慌ててローターの電源を切った遼は、自身を抜き、王輝を優しくベッドに横たわらせた。
 仰向けになった王輝の後孔からローターのコードが伸びている。遼がそれをゆっくり引っ張ると、王輝は小さく身じろいだ。後孔からローションまみれのピンク色のローターがころりと出てきた。
 王輝は大きく息を吐き、肢体をベッドに投げだした。快感に漂うように目を瞑る。
「今ヶ瀬、大丈夫?」
 遼は王輝の身体が心配になり、表情を伺った。王輝はゆっくり目を開け、ふふっと笑い声をもらした。
「やっぱり佐季って変態だよな」
「ごめん」
 項垂れた遼は、叱られた犬のようだった。耳と尻尾があれば、悲し気に垂れていると王輝は想像した。
「いいよ、何も考えられないくらい気持ちよかったから」
 強烈な快感を思い出し、背筋がぞくりとする。普通のセックスで満足できなくなったらどうしようと、王輝はぜいたくな悩みを抱いた。
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