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2-2.溢れる気持ち
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最初はくすぐったいと感じていた王輝だが、じわじわと快感に変換される。下着の中で王輝自身は緩く立ちあがっていた。身体の力が抜けてきて、遼にもたれかかると、布越しに遼自身が臀部に当たった。
「佐季、当たってる…っ…」
揶揄うように言ったつもりが、声に出すと切羽詰まっていて、王輝は恥ずかしくなる。
「今ヶ瀬、いい?」
遼の曖昧な問いに、王輝は考えることもなく頷いた。遼なら酷いことはしないとわかっていたからだ。それに身体中の熱をどうにか発散したかった。
遼は全幅の信頼を寄せられて、悪い気はしなかったが、どうにか我慢している身としては少しは抵抗して欲しい。反する感情が胸中でせめぎ合った。あまり時間はかけられないし、王輝の負担を考えるとセックスはできない。手っ取り早く気持ちよくさせるには、と遼は考え、王輝の体勢を変え、向かい合った。
「ごめん、すぐ終わらせるから」
王輝のオーバーサイズのTシャツをめくりあげ、デニムパンツの前をくつろげる。下着の中で窮屈そうにしている王輝自身を取り出した。緩く勃ちあがっていた王輝のものに優しく手で触れる。上下に扱き上げ、先端を指でぐりぐりと刺激すると、先走りが溢れた。
「んっ…、あ…っ…」
王輝は熱い息を漏らす。情欲を孕んだ遼の視線に晒されて、顔が熱くなった。自分だけがこうなっている状況がおもしろくなくて、王輝は遼のジーンズのボタンを外し、チャックを下ろす。下着を押し上げるように主張する遼自身を取り出し、上下に扱いた。竿を強めに扱くと、遼が小さく呻く。
くちゅくちゅと淫らな音と二人の熱い吐息が玄関に響く。王輝はいつの間にか玄関のドアに押しつけられていた。金属製のドアの冷たさが背中に触れて、身体の火照りを冷ます。
キスして欲しくなった王輝は、遼を見つめる。遼はその視線に気づいて、ふっと笑った後、王輝の唇を奪った。軽くキスを落とし、時折唇を食む。薄く開いた唇から舌を滑りこませ、王輝の上顎や歯列を撫でた。王輝は気持ち良さそうに顔を蕩けさせる。唇を離した遼は、少しの間王輝の表情を堪能した。可愛くてたまらないという気持ちは心の中で留めておく。
遼は自身に触れている王輝の手を引きはがすと、今度は二人の性器同士をぴたりとくっつける。手とは違う性器の熱さに、王輝は腰を引いたが、後ろがドアだったため逃げられなかった。遼は王輝の手をとり、自分の手と重ねるようにして、二本の肉棒を同時に扱いた。
「…っ、いいっ…あ…」
裏筋が擦れ合い、王輝は小さく声を出す。せりあがってくる射精感に、王輝は遼の顔を見やる。遼は切なげな表情で王輝を見つめていた。視線で会話をした二人は手の動きを速める。
「佐季、あっ、…あ…イく…」
「っあ、今ヶ瀬…っ……」
二人はお互いの手の中で精を吐き出した。
王輝は身体の力が抜けて、ドアに背を預け座りこみそうになる。遼は王輝の両脇に手を入れ、慌てて支え上げた。射精したことで急に冷静になり、やってしまったと後悔した。我慢できなかった自分の意志の弱さに情けなくなり「ごめん、我慢できなくて…」と王輝に謝罪した。
しかし王輝に遼の謝罪の言葉は届いていなかった。一度射精したのに、熱が治まらず、前も後ろも疼いて仕方ない。視界に入る遼の性器に、ごくりと唾を飲みこんだ。
「佐季…」
名前を呼ばれ、遼は王輝の顔を見る。潤んだ瞳と上気した頬、そして欲しがるような表情。遼の心臓は跳ね、治まった熱が再び燃え上がる。
二人は玄関ホールに敷いたラグマットの上に移動した。
王輝の希望でイラマチオをすることになったため、遼は気乗りしないながらも、自身にゴムを被せた。先ほどはそのまま性器を舐めようとした王輝を慌てて止めた。さすがに洗ってない自身を舐めさせるわけにはいかないと、先ほど遼は寝室にゴムを取りに行った。
遼は止めようという気持ちを抱きつつ、快楽に流されてしまっていた。何しろセックスをしていないのだから、性欲は溜まる一方だ。解消したい気持ちが勝ってしまう。
それは王輝も同じだった。明日の仕事と性行為を天秤にかけつつ、セックス以外で刺激が欲しかった。貪欲な願いに遼に呆れられると思っていたが、案外了承してくれた。遼とイラマチオをするのは初めてだった。
「無理になったらやめるから」
念押しした遼に、王輝は頷いた。遼は立った状態で、王輝は遼の前に膝立ちをしている。目の前にはコンドームをかぶった遼自身があり、先ほど達したにも関わらず、硬く反りあがっていた
「佐季、当たってる…っ…」
揶揄うように言ったつもりが、声に出すと切羽詰まっていて、王輝は恥ずかしくなる。
「今ヶ瀬、いい?」
遼の曖昧な問いに、王輝は考えることもなく頷いた。遼なら酷いことはしないとわかっていたからだ。それに身体中の熱をどうにか発散したかった。
遼は全幅の信頼を寄せられて、悪い気はしなかったが、どうにか我慢している身としては少しは抵抗して欲しい。反する感情が胸中でせめぎ合った。あまり時間はかけられないし、王輝の負担を考えるとセックスはできない。手っ取り早く気持ちよくさせるには、と遼は考え、王輝の体勢を変え、向かい合った。
「ごめん、すぐ終わらせるから」
王輝のオーバーサイズのTシャツをめくりあげ、デニムパンツの前をくつろげる。下着の中で窮屈そうにしている王輝自身を取り出した。緩く勃ちあがっていた王輝のものに優しく手で触れる。上下に扱き上げ、先端を指でぐりぐりと刺激すると、先走りが溢れた。
「んっ…、あ…っ…」
王輝は熱い息を漏らす。情欲を孕んだ遼の視線に晒されて、顔が熱くなった。自分だけがこうなっている状況がおもしろくなくて、王輝は遼のジーンズのボタンを外し、チャックを下ろす。下着を押し上げるように主張する遼自身を取り出し、上下に扱いた。竿を強めに扱くと、遼が小さく呻く。
くちゅくちゅと淫らな音と二人の熱い吐息が玄関に響く。王輝はいつの間にか玄関のドアに押しつけられていた。金属製のドアの冷たさが背中に触れて、身体の火照りを冷ます。
キスして欲しくなった王輝は、遼を見つめる。遼はその視線に気づいて、ふっと笑った後、王輝の唇を奪った。軽くキスを落とし、時折唇を食む。薄く開いた唇から舌を滑りこませ、王輝の上顎や歯列を撫でた。王輝は気持ち良さそうに顔を蕩けさせる。唇を離した遼は、少しの間王輝の表情を堪能した。可愛くてたまらないという気持ちは心の中で留めておく。
遼は自身に触れている王輝の手を引きはがすと、今度は二人の性器同士をぴたりとくっつける。手とは違う性器の熱さに、王輝は腰を引いたが、後ろがドアだったため逃げられなかった。遼は王輝の手をとり、自分の手と重ねるようにして、二本の肉棒を同時に扱いた。
「…っ、いいっ…あ…」
裏筋が擦れ合い、王輝は小さく声を出す。せりあがってくる射精感に、王輝は遼の顔を見やる。遼は切なげな表情で王輝を見つめていた。視線で会話をした二人は手の動きを速める。
「佐季、あっ、…あ…イく…」
「っあ、今ヶ瀬…っ……」
二人はお互いの手の中で精を吐き出した。
王輝は身体の力が抜けて、ドアに背を預け座りこみそうになる。遼は王輝の両脇に手を入れ、慌てて支え上げた。射精したことで急に冷静になり、やってしまったと後悔した。我慢できなかった自分の意志の弱さに情けなくなり「ごめん、我慢できなくて…」と王輝に謝罪した。
しかし王輝に遼の謝罪の言葉は届いていなかった。一度射精したのに、熱が治まらず、前も後ろも疼いて仕方ない。視界に入る遼の性器に、ごくりと唾を飲みこんだ。
「佐季…」
名前を呼ばれ、遼は王輝の顔を見る。潤んだ瞳と上気した頬、そして欲しがるような表情。遼の心臓は跳ね、治まった熱が再び燃え上がる。
二人は玄関ホールに敷いたラグマットの上に移動した。
王輝の希望でイラマチオをすることになったため、遼は気乗りしないながらも、自身にゴムを被せた。先ほどはそのまま性器を舐めようとした王輝を慌てて止めた。さすがに洗ってない自身を舐めさせるわけにはいかないと、先ほど遼は寝室にゴムを取りに行った。
遼は止めようという気持ちを抱きつつ、快楽に流されてしまっていた。何しろセックスをしていないのだから、性欲は溜まる一方だ。解消したい気持ちが勝ってしまう。
それは王輝も同じだった。明日の仕事と性行為を天秤にかけつつ、セックス以外で刺激が欲しかった。貪欲な願いに遼に呆れられると思っていたが、案外了承してくれた。遼とイラマチオをするのは初めてだった。
「無理になったらやめるから」
念押しした遼に、王輝は頷いた。遼は立った状態で、王輝は遼の前に膝立ちをしている。目の前にはコンドームをかぶった遼自身があり、先ほど達したにも関わらず、硬く反りあがっていた
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