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1-7.仲直り

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「これ、思ったより興奮する」
 王輝は蠱惑的に笑いながら、泡のついた手で遼の身体を撫でた。遼も同じように王輝の肌を撫でる。手で触るのとは違った泡が弾ける感覚に、二人は身体を熱くする。
 湯煙る浴室で、二人は向かい合って、お互いの身体を手で洗っていた。遼が普段使っているボディーソープが泡タイプだったので、柔らかい泡が心地よさを誘う。
「どうやって鍛えたら、こんなに腹筋割れるんだ?」
 遼の綺麗な腹筋を王輝の指がつつっとなぞる。王輝は自らの貧相な腹筋を嘆いた。筋トレはしているが、なかなか筋肉がつかないのが王輝の悩みだ。
 王輝の指が動くと、遼は背筋がぞくぞくした。ゆるい刺激に、すっかり勃ちあがった遼自身が先走りを流す。
「っ…、普通にトレーニングしてるだけだ」
「佐季の普通は絶対普通じゃない」
 むすっとした表情の王輝に可愛さを覚え、遼は口づけ、口内に舌を入れる。反撃とばかりに首筋から耳の裏へと手を滑らせ、耳たぶを優しく撫でた。くすぐったさを感じた王輝は身を捩るが、遼はもう片方の手を王輝の腰に回す。二人の性器が密着し、その熱さに王輝は腰から溶けそうになる。遼が王輝の舌を吸い上げ、ゆっくり唇を離すと、王輝は蕩けるような顔をした。
 遼は手を自身へと移動させ、王輝自身と一緒に握りこむ。泡と先走りで滑りやすくなった性器を上下に扱いた。
「っ、あ…はっ……」
 遼自身と手のひらの熱さに、王輝は熱い息を吐いた。もっとと強請るように、遼へぐっと腰を押しつける。
「今ヶ瀬、気持ちいい?」
「うん。佐季は?」
「俺も気持ちいいよ」
 二人の視線が交わり、どちらからともなくキスをした。ついばむようなキスをしながら、遼は手の動きを速めた。ぐちゅぐちゅと粘着質な音が浴室に響く。王輝はせりあがってくる射精感に身震いしながら、遼の手の中に白濁を吐き出した。遼も射精し、濃い精液で自分の手を汚した。
 王輝は脱力しながら、後孔が疼くのを感じた。今すぐにでも遼のものが欲しくてたまらなくなるが、明日の仕事のこともあるし、準備もしていない。恨めしく思いながら、王輝は遼の腕の中で、身体を反転させた。壁に手をつき、遼に尻をつきだす体勢になる。
「セックスしないんだろ?」
 王輝の体勢を疑問に思った遼は、首を傾げた。
「だから、代わりに素股やろうぜ」
 一瞬思考が追い付かなかった遼だが、すぐに気づき、かぁっと顔が熱くなる。先ほどまでの揺蕩うような快感でも満足していた身体が、本能的にさらなる快感を求める。射精で落ち着いていた熱が再燃した遼は、自身に熱が集まるのを感じる。射精したばかりだというのに、扱けばまた硬く反り立った。
 王輝に後ろから覆いかぶさると、勃起した性器が王輝の尻に触れる。泡と精液でぬるぬるとした遼自身を王輝の双丘に挟み、上下に動かした。じらすような遼の動きに、王輝は切な気に声を漏らす。
「それ、やだっ……中欲しくなるから…」
 遼のものが後孔に擦れ、中が疼く。いつもみたいに後ろからがつがつと突いて欲しい。熱くなる思考に流されそうになりながら、王輝は足を閉じた。
「こっちに挿れて」
 王輝は後ろを振り向いて、遼を誘った。熱を孕んだ遼の視線に、王輝はぞくぞくする。
 遼の熱い昂りが内腿を押し分けて進んでいき、王輝の睾丸の下をぬるりと通り抜けた。遼の腰が王輝の尻に当たり、遼は動きを止めた。
「もうちょっと力入れられる?」
 耳元で遼の声が聞こえ、王輝は身震いした。言われた通りに、内腿を締めるように力を入れる。遼自身が脈打つ鼓動を内腿で感じて、王輝はなぜか嬉しくなった。
「動くぞ」
 遼は腰を引き、太ももから抜けきる前に、腰を突き入れた。王輝の腰を両手で支え、いつものセックスと同じ要領で腰を動かすと、ぱん、ぱんと皮膚が当たる音が、浴室に反響した。
「あっ…んんっ、あ、…きもちいい…」
 いつもとは感じる場所が違うが、疑似的セックスに王輝は興奮した。睾丸と裏筋が遼自身と擦れ、内腿の敏感な皮膚が暴かれる感覚に、王輝自身は勃ちあがる。内腿を行き来する遼自身を見ていると、いつもこれに犯されているという実感が湧いて、きゅんと後孔が疼いた。
 遼は腰を動かしながら、王輝の胸の突起へと片方の手を伸ばす。泡にまみれた突起の周りを撫で、突起を摘まもうとするが泡で滑ってうまく摘まめなかった。王輝はじれったい刺激に熱がたまっていく。
「もっと、ちゃんとっ、触って…」
 強請るように背中を反らして胸を張った王輝に、遼は両手を胸へと伸ばした。泡の幕を取り除き、片方には強く爪を立て、もう片方はきゅっと摘まんだ。
「っひぁ…っあ……」
 びくびくと王輝は身体を震わせ、背中を反らせながら射精した。浴室の壁に王輝の精液が飛び散る。遼は力が抜けた王輝の身体を慌てて支えた。王輝は荒い息を整えるように、大きく呼吸を繰り返す。
「ごめん、俺だけイっちゃった」
 王輝は遼に向き直り謝罪した。遼自身は寂し気に昂ったままで、王輝はごくりと唾を飲みこむ。熱さで思考が変になるのを自覚していたが、止まらない。遼自身を舐めたいと強く思った。
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