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8.Happy Birthday
17 *
しおりを挟む翌朝、先に目を覚ましたのは麻琴だ。カーテン越しに太陽の明るさを感じ、壁掛け時計を確認すると八時だった。身体を起こすと、全身のあちこちに違和感と怠さを感じた。特に足と腰だ。さらに皮膚の至る所にキスマークが残されている。昨日のセックスを反芻した麻琴は、熱い息を吐いた。二週間ぶりのセックスは激しく、まだ身体に熱が残っているほどだ。
隣で眠る幸世の寝顔は健やかで愛らしい。麻琴はじっと幸世を見つめ、幸せで胸がいっぱいになるのを感じた。そして、幸世の頭を撫で、頬にキスを落とすと、満足気に微笑んだ。
喉の渇きを覚えた麻琴は、静かにベッドから抜け出す。キッチンに向かうと、冷蔵庫から昨日買ったペットボトルのミネラルウォーターを取り出した。グラスに入れて、その場で立ったまま飲み、喉を潤す。全身に水分が行き渡り、その心地よさに浸った。そんな麻琴を、幸世は後ろから抱きしめる。幸世の肌と体温が背中に触れて、麻琴は驚くと同時にぞくりとした。
「おはよう、幸世」
「うん、おはよう」
「水飲む?」
「ありがとう」
麻琴は持っていたグラスを幸世に渡す。受け取った幸世は、半分ほど入っていた水をぐいっと飲み干し、グラスを麻琴に返す。
「まだ飲む?」
「もう大丈夫」
幸世はそう言って、ぎゅっと麻琴を抱き寄せると、麻琴の頭部や首筋に軽いキスを落としていく。そして、昨日のキスマークを舌でなぞるように舐めた。
「くすぐったいわ。……っていうか、幸世のん、当たってるんやけど」
麻琴は下着越しに尻に感じる、幸世自身の熱さを指摘した。
「だって、当ててるから」
「ほんまに元気やな」
「でも、麻琴もそうじゃない?」
幸世の手が、麻琴自身を下着の上から撫でる。緩く勃ちあがった性器に、麻琴は自分のことながら単純な身体だと苦笑した。
「ここ、何時に出なあかんの?」
「チェックアウトは十一時」
幸世の答えを聞いて、麻琴はグラスをシンクに置いた。そして、振り返って、幸世の頬にキスをする。それはセックスの了承したことと同義だ。幸世はにやりと頬を緩ませた。
「麻琴、舐めて」
幸世は右手の人差し指と中指を、麻琴の口へと差し入れる。麻琴は唾液を絡ませて、ちゅぱちゅぱと一生懸命に舐めた。その間に幸世は下着を脱ぎ去り、麻琴の下着を下ろした。幸世は左手で自身の性器を扱いて、勃ちあがらせる。
「麻琴、もういいよ。次は後ろ、広げて見せて」
幸世の指示通り、麻琴は両手で双丘を掴み、左右に開いた。恥ずかしい行動だが、麻琴は早く腹の中を埋めて欲しかった。昨晩散々性器を咥えていた後孔は、ぷっくりと膨れている。幸世は唾液で濡れた指をゆっくりと挿入した。
「ああっ……、んっ……」
「昨日したから、中柔らかいままだね」
内壁は指に抵抗することはなく、しゃぶるようにうねり、指の侵入を悦んだ。幸世はすぐに指を三本に増やし、どんどん解していく。指を出し入れする度に、にちゅにちゅと水音が鳴る。
「っあ……きもちいい……っ、あ……」
後孔は四本の指を貪欲に咥えこんでいる。幸世は挿れても大丈夫と判断し、麻琴の手をワークトップにへりに掴まらせる。指を抜き、幸世自身の亀頭を後孔に宛がった。後孔は亀頭にむちゅりと吸いつき、挿入を待ちわびている。
「挿れるよ」
「うん、きて……」
幸世が腰を突き上げると、ぐぷりと亀頭がのめりこむ。逃げる麻琴の腰を両手で掴み、腰をゆっくりと進めた。
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