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8.Happy Birthday
16 *
しおりを挟むしばらく二人は抱き合った状態でいたが、先に絶頂から降りてきたのは幸世だった。
麻琴の肉壁が熱く絡みついてきて、抜くのは惜しいと思いながら、腰を引き上げる。幸世の性器はローションと精液で濡れそぼっていた。麻琴の後孔も同様に濡れ、すっかり熟れている。先ほどまで性器を咥えていたせいで、くぱくぱと口を開けていた。
「麻琴」
幸世は愛おしい人の名前を優しく呼ぶ。まだ絶頂を漂っている麻琴の頬を撫で、額にキスを落とした。
「ゆきよ」
少し枯れた声で、麻琴は幸世を呼び、ゆっくりとした動きで自らの腹を撫でた。
「お腹いっぱいやわ」
腹の中に出された精液に、麻琴は困ったように眉を下げた。しかし、その表情はまんざらでもない。自分から中出しを求めた結果であり、心身ともに満たされたからだ。
セックスの後で思考が冷静になった幸世は「ごめん」と謝った。二週間ぶりとは言え、あまりにも激しくし過ぎたと後悔が幸世を襲う。
「ちゃんと掻き出すから。シャワー浴びよう」
「うん、でも、もうちょっと一緒におって」
麻琴は幸世を抱き寄せる。単純に幸世を近くに感じたかった。麻琴の可愛い行動に、幸世はキュンとする。
「麻琴、ほんとに可愛い。好き、好き」
「うん、俺も好きやで」
互いに好きと言い合いながら、ちゅ、ちゅと軽いキスを重ねる。見つめ合って、微笑みあって、またキスを交わした。
「幸世のん、また勃ってきたやん。元気やな」
落ち着いたはずの幸世の性器は、再び首を擡げる。「だって……」としょげた顔をする幸世に、麻琴はふはっと笑った。
「まだする?」
麻琴は正直身体の限界だったが、幸世の誕生日なのだからとことん付き合ってあげる気でいた。麻琴の気遣いを嬉しく思いながらも、幸世は首を横に振る。
「これ以上無理させられないから、大丈夫」
「幸世がそう言うんやったら」
麻琴は一旦は引き下がったが、やはり辛いだろうと、幸世の性器に手を伸ばした。
「まって、麻琴」
「せめて出す手伝いくらいさせてや」
「っ、もう……」
麻琴の申し出を幸世は断り切れず、されるがままになる。
麻琴は幸世自身に両手で優しく触れる。竿を扱き上げ、カリ首を擦り、亀頭を撫でると、幸世は熱い息を吐いた。
「はぁ……、っ……、あっ……」
「気持ちええ?」
「うん、もっと……」
与えられる快感に、幸世は浸る。腰が勝手にゆらゆらと揺れる。麻琴の中に突き入れたい衝動を抑えて、麻琴に噛みつくようにキスをした。
「んぅ……、ゆ、きよ、っ……」
完勃ちした幸世自身は熱く、硬く反りあがる。精液混じりの先走りが麻琴の手を汚した。手の中にある幸世の熱さに、麻琴は腹の奥が切なくなる。満たされていたはずの身体が、もっとと熱を帯びていく。
「っ、……あ、出る……」
幸世は麻琴の手の中に射精した。薄い精液ながらも、麻琴の手を汚すには十分な量だった。麻琴は幸世が射精するのを見ただけで、軽く中イキする。力んだせいで、後孔から精液が零れた。
「麻琴、欲しそうな顔してる」
荒い息を吐きながら、幸世は麻琴を見つめた。
「幸世のせいやろ」
麻琴は責任転嫁するように幸世を睨むが、潤んだ瞳には迫力はない。幸世は湧きあがる欲望をどうにか抑え、麻琴を起き上がらせた。
その後二人は浴室に向かい、身体を綺麗にした。そして、下着だけ身に着け、互いに抱きしめ合って眠りについた。
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