73 / 77
8.Happy Birthday
16 *
しおりを挟むしばらく二人は抱き合った状態でいたが、先に絶頂から降りてきたのは幸世だった。
麻琴の肉壁が熱く絡みついてきて、抜くのは惜しいと思いながら、腰を引き上げる。幸世の性器はローションと精液で濡れそぼっていた。麻琴の後孔も同様に濡れ、すっかり熟れている。先ほどまで性器を咥えていたせいで、くぱくぱと口を開けていた。
「麻琴」
幸世は愛おしい人の名前を優しく呼ぶ。まだ絶頂を漂っている麻琴の頬を撫で、額にキスを落とした。
「ゆきよ」
少し枯れた声で、麻琴は幸世を呼び、ゆっくりとした動きで自らの腹を撫でた。
「お腹いっぱいやわ」
腹の中に出された精液に、麻琴は困ったように眉を下げた。しかし、その表情はまんざらでもない。自分から中出しを求めた結果であり、心身ともに満たされたからだ。
セックスの後で思考が冷静になった幸世は「ごめん」と謝った。二週間ぶりとは言え、あまりにも激しくし過ぎたと後悔が幸世を襲う。
「ちゃんと掻き出すから。シャワー浴びよう」
「うん、でも、もうちょっと一緒におって」
麻琴は幸世を抱き寄せる。単純に幸世を近くに感じたかった。麻琴の可愛い行動に、幸世はキュンとする。
「麻琴、ほんとに可愛い。好き、好き」
「うん、俺も好きやで」
互いに好きと言い合いながら、ちゅ、ちゅと軽いキスを重ねる。見つめ合って、微笑みあって、またキスを交わした。
「幸世のん、また勃ってきたやん。元気やな」
落ち着いたはずの幸世の性器は、再び首を擡げる。「だって……」としょげた顔をする幸世に、麻琴はふはっと笑った。
「まだする?」
麻琴は正直身体の限界だったが、幸世の誕生日なのだからとことん付き合ってあげる気でいた。麻琴の気遣いを嬉しく思いながらも、幸世は首を横に振る。
「これ以上無理させられないから、大丈夫」
「幸世がそう言うんやったら」
麻琴は一旦は引き下がったが、やはり辛いだろうと、幸世の性器に手を伸ばした。
「まって、麻琴」
「せめて出す手伝いくらいさせてや」
「っ、もう……」
麻琴の申し出を幸世は断り切れず、されるがままになる。
麻琴は幸世自身に両手で優しく触れる。竿を扱き上げ、カリ首を擦り、亀頭を撫でると、幸世は熱い息を吐いた。
「はぁ……、っ……、あっ……」
「気持ちええ?」
「うん、もっと……」
与えられる快感に、幸世は浸る。腰が勝手にゆらゆらと揺れる。麻琴の中に突き入れたい衝動を抑えて、麻琴に噛みつくようにキスをした。
「んぅ……、ゆ、きよ、っ……」
完勃ちした幸世自身は熱く、硬く反りあがる。精液混じりの先走りが麻琴の手を汚した。手の中にある幸世の熱さに、麻琴は腹の奥が切なくなる。満たされていたはずの身体が、もっとと熱を帯びていく。
「っ、……あ、出る……」
幸世は麻琴の手の中に射精した。薄い精液ながらも、麻琴の手を汚すには十分な量だった。麻琴は幸世が射精するのを見ただけで、軽く中イキする。力んだせいで、後孔から精液が零れた。
「麻琴、欲しそうな顔してる」
荒い息を吐きながら、幸世は麻琴を見つめた。
「幸世のせいやろ」
麻琴は責任転嫁するように幸世を睨むが、潤んだ瞳には迫力はない。幸世は湧きあがる欲望をどうにか抑え、麻琴を起き上がらせた。
その後二人は浴室に向かい、身体を綺麗にした。そして、下着だけ身に着け、互いに抱きしめ合って眠りについた。
87
お気に入りに追加
507
あなたにおすすめの小説



久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる