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8.Happy Birthday
13 *
しおりを挟む二人とも、しばし快感に浸り、部屋には二人分の呼吸音だけが響く。
「麻琴、大丈夫?」
幸世は麻琴から性器を抜き、麻琴の身体をベッドへと横たわらせた。まだぼんやりとしている麻琴の顔にキスの雨を降らせる。麻琴の後孔からは、精液とローションが混ざった液体が、とろりと零れ出た。
「ん……、大丈夫……」
麻琴は少し枯れた声で答えて、幸世にキスをし返す。
「喉乾いたわ」
「シャンパンがあるよ」
「飲みたい」
幸世はベッド脇に落ちたバスローブを拾い、麻琴に着させる。そして、自らもバスローブを纏うと、麻琴を横抱きして、キッチンへと向かった。
「重くない?」
「全然」
「ほんまに、王子様みたいやわ」
いわゆるお姫様抱っこに、麻琴はにやけてしまう。幸世の顔の造形の良さは、ずっと一緒にいても新鮮で、見飽きない。
寝室からキッチンへと移動する。キッチンはオープンキッチンで、黒と白を基調にしたモノトーンでコーディネートされていた。幸世は麻琴をワークトップに座らせる。
「こんなとこ座るん、お行儀悪ない?」
「誰も見てないから大丈夫だよ」
麻琴を足をぶらぶらさせながら「たまにはえぇか」と呟いた。本来なら椅子に座るべきだが、激しいセックスの後のため、動きたくないのが正直な気持ちだ。
幸世は冷蔵庫からシャンパンボトルを、そして、キャビネットからワインオープナーとワイングラス二つを取り出した。手慣れた所作でコルクを開けると、ポンッと音が鳴り、ボトルが開いた。
「何でも様になるんやな」
「なにが?」
「ボトル開けるのとか、バスローブでキッチンに立ってるのとか」
「気のせいだよ」
シャンパンを注いだグラスを麻琴に渡しながら、幸世はくすくすと笑った。
二人は乾杯をして、シャンパンで喉を潤す。喉が渇いていた麻琴は、一気に飲み干した。冷たいシャンパンが喉を通り、芳醇な香りが鼻に抜ける。酸味と旨味が舌に広がり、アルコールが全身に染み渡る感覚に、麻琴はふぅと息を吐いた。
「うわ、めっちゃ美味しい」
「まだあるから、どんどん飲んで」
幸世は麻琴のグラスにシャンパンを注ぐと、シャンパンの泡がパチパチと弾けた。
「高いんちゃうん?こんな格好で飲むの、申し訳ないわ」
本来なら畏まった場で飲むようなものだろうと麻琴は推測する。それほど美味しかったからだ。
「俺は麻琴と一緒に飲めるなら、何だっていいから」
極上の笑みの幸世に、麻琴は胸が高鳴る。年下の恋人はかっこよくて、優しくて、セックスがうまくて、心も身体も満たされている。これ以上求めるものは、何もない。
「あー、今、めっちゃ幸せやわ」
「急になに?」
「幸せって思ったから。幸世は?幸せ?」
「俺も幸せ」
幸世の答えに麻琴は満足そうに頷き、キスをしようと身体を乗り出す。しかし、ぐじゅりと後孔から精液がにじみ出て、動きを止めた。
「あかん、こぼれそう」
「後で搔き出すから、別にいいんじゃない?」
「あかんの」
麻琴はふるふると首を横に振る。幸世の言う通り、後で綺麗にすることはわかっているが、惜しく感じる。麻琴はバスローブの裾を捲り、左足を上げ、踵をワークトップに置いた。幸世からは太ももの裏側や熟れた後孔が見える姿勢になる。後孔からは白い液体が溢れ、くぱぁと口を開けている状態だ。
「幸世、蓋してや」
それは麻琴の本能的なお願いだった。そのお願いを断れるほど、幸世の理性は強くない。
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