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8.Happy Birthday
11 *
しおりを挟む「まって、ゆきよ……、あっ、あ、ああっ」
麻琴はバックで突かれて、身体を揺さぶられる。シーツにしがみついて、喘ぐしかできない。
「麻琴の中、気持ちいい……」
幸世は断続的に締まる麻琴の中に、何度も突き入れた。幸世の額には汗が滲む。柔らかく熱い麻琴の肉壁に、根元から先端まで搾り取られ、射精感が募る。部屋には二人の荒い息とぐちゅぐちゅという水音、ぱんぱんと皮膚が当たる音が響く。
「ずっと、きもち、いっ、あ、おかしなる、あっ、ああっ」
「おかしくなって、麻琴」
「ああっ、あ、いいっ、もっと、奥っ」
幸世が突き入れる度、麻琴自身からは精液がぴゅ、ぴゅと力なく吐き出され、身体はびくびくと跳ねる。麻琴は絶頂から降りてこられない。
「っあ、ずっと、イってる、あ、ああっ」
「麻琴、出すから、受け止めて」
「うんっ、なか、っ、ほしい、だしてっ」
幸世はラストスパートとばかりに、腰を激しく打ち付ける。ごちゅごちゅと奥が抉られて、ひと突きするたびに、麻琴の視界はチカチカとまたたいた。
「あ、イくっ、あ、ああっ……」
「っ、でる……」
腰を打ち付けたタイミングで、幸世は射精した。熱い息を吐きながら、まだ濃い精液を麻琴の腹の奥に塗りつける。
麻琴は中に広がる熱さを嬉しく思いながら、再びの絶頂に揺蕩う。全身どこもかしこも熱く敏感で、ひくひくと身体は震えていた。
幸世は髪をかきあげ、額の汗を拭った。繋がったままの麻琴の身体を見下ろす。すっかり熟れた麻琴の後孔は、性器を咥え込んでいる。そして臀部から頸部まで背中は緩やかなカーブを描く。晒された肌には傷ひとつない。特段手入れされているわけではないが、幸世の目には美しく映る。幸世は吸いこまれるように麻琴の肌にキスを落とした。
「んっ……、ゆきよ……?」
微かな接触に、麻琴は小さく反応する。幸世は肌にキスをして、舐め上げて、ちゅっと吸い上げた。臀部から腰にかけて、鬱血した跡がいくつもついて、幸世は満足そうに笑む。それを繰り返した後、麻琴を後ろから抱き上げた。
「麻琴、おいで」
麻琴の上体が起き上がり、膝立ちをすると、背面座位のような体勢になる。麻琴が力なく幸世にもたれかかると、結合部が圧迫され、精液まじりのローションがぐちゅりと押し出される。麻琴はひくんと身体を揺らした。幸世はそのままの体勢で、背中や肩、首筋にもキスマークをつけていく。
「くすぐったいって」
ようやく絶頂から降りてきた麻琴はくすくすと笑って、幸世を振り向いた。
「あんまり跡つけんといてや」
「どうせ服なんか脱がないからいいよね」
「そういう問題ちゃうねん」
独占欲丸出しの幸世の行為に、麻琴は嬉しく思いつつ、軽く呆れていた。
「そんなんせんでも、ちゃんと幸世のもんやから」
麻琴はそう言うと、幸世にちゅっとキスをした。お返しに、幸世からもついばむようなキスを返す。
「麻琴、まだしてもいい?」
尋ねられて、麻琴は頷いた。先程から腹の中で硬度を取り戻す幸世自身に気づいていた。それに麻琴もまだ足りない。
「えぇよ、もっと気持ちよくしてや」
二人は熱い視線を交わし、行為の続行を了承しあった。
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