流されノンケサラリーマンが年下大学生にとろとろにされる話

えつこ

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7.Halloween Night

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 翌朝、先に目を覚ましたのは麻琴だ。麻琴の身体は幸世の手によって綺麗に拭かれており、下着だけを身に着けた状態になっていた。
 麻琴が目を開けると、目の前には幸世の整った顔。眼福とばかりに、規則的に寝息を立てている幸世を見つめ、しばらく幸せな気分にひたった。そして、幸世を起こさないように、静かに上半身を起こした。
「っ、痛っ……」
 麻琴は身体の痛みに、顔を顰めた。特に腰が痛く、後孔には違和感が残っている。昨夜の記憶を辿り、最後は意識を飛ばしてしまったことを麻琴は思い出した。久しぶりのセックスは激しく、思い出すだけで快感の余波がぞくりと全身を走る。すっかり強烈な快感の虜になっていた。
『愛してる』
 遅れて思い出したのは、幸世の甘い言葉。麻琴はかぁと顔を赤くする。意識がなくなる寸前だったが、確かに幸世はそう言ったのだ。『好き』は何度も言われてきたが、『愛してる』という言葉は初めてだ。
「どうしよ……」
 熱い頬は自然に緩む。麻琴は嬉しくて仕方なかった。飛び跳ねてしまいたい気持ちを抑えながら、静かにベッドから降りようとするが、幸世が身じろぎ、ゆっくり目を開けた。
「まこと……?」
 幸世は麻琴の名前を呼び、何度かまばたきをした。幸世も麻琴と同じように、下着だけ身に着けていた。
「幸世、おはよう」
 麻琴が声をかけると、幸世は身体を起こす。二人はベッドの上で向かい合った。幸世は徐々に覚醒し、昨夜のことを思い出すと、表情を曇らせる。
「俺……、昨日、ごめん。麻琴に無茶させたかも……」
「えぇよ、毎回は困るけど、たまには」
 麻琴は苦笑すると、幸世はぱっと表情を変え、にやりと笑った。
「たまには、いいんだ?」
「よくはない。あ、なんか企んでるやろ」
「次はナースとか制服とか、どう?」
「そういうの、好きなんやな」
「麻琴だって好きなくせに」
 幸世は楽しげに笑ったが、麻琴は罰の悪そうな顔をした。いつもと違う状況でのセックスは確かに気持ちよかったと麻琴は思っていたが、認めたら負けだとも思っていた。
「でも、やるならホテル行きたいわ」
「そうだね、俺も麻琴の声聞きたいし」
「隣の人と会ったら、気まずいの、知らんやろ。めっちゃ俺のこと見てくるねん。ほんま嫌やわ」
 麻琴が大袈裟に顔を顰めたため、幸世は笑いを吹き出した。
「笑いごとちゃうで」
 麻琴は幸世の肩を軽く小突く。「ごめんごめん」と幸世は笑いを押し殺すが、結局笑ってしまう。それにつられ、麻琴もじわじわと笑いがこみあげ、最後は幸世と一緒になって笑う。
「麻琴、笑わないでよ」
「幸世こそ、笑うんやめてや」
 二人は笑いあい、ようやく笑いがおさまった時には、息が上がっていたほどだ。二人は息を整えながら、視線が交わるたびにくすくすと笑い合った。
「ほんま、幸世とおると退屈せぇへんわ」
「俺も、麻琴といると楽しい」
 幸世は優しく微笑み、麻琴を抱き寄せる。熱い肌が触れ合い、鼓動が近くなる。互いの存在を確かめるように身体を寄せ合った。
「なぁ、幸世、一緒に住まへん?」
 麻琴は以前から考えていたことを伝えた。それは今の関係から、さらに深い関係になることを意味し、なかなか言い出せなかったことだ。しかし、幸世からの『愛してる』という言葉に後押しされた。
「一緒に、住む……?」
 幸世は復唱して、ぱちぱちとまばたきをした。思わぬ提案に驚きが大きかったが、じわじわと嬉しい気持ちが膨らんでくる。幸世が黙ったまま幸せを嚙みしめていたため、麻琴は不安になり、言葉を付け加えた。
「嫌やったら、全然断ってくれてえぇから。急な話やし、ちょっと思っただけやし」
「全然、嫌じゃない。すごく嬉しい」
 幸世は食い気味に返し、さらに続けた。
「いつから一緒に住む?新しい部屋見つけないとね。えっと、場所はどこがいい?部屋にこだわりある?」
「ちょお待ってや、幸世、落ち着いて」
 どんどん話を進めていく幸世に、麻琴は制止をかける。
「その前に、ちゃんと言って欲しいこと、あるんやけど」
「え?」
「ほら、昨日言ってたやん……」
 麻琴はねだっておきながら恥ずかしくなり、頬を赤く染める。幸世はその反応に、麻琴が望んでいる言葉に思い当たった。幸世は居住まいを正し、麻琴をまっすぐ見つめ、言葉を紡ぐ。
「麻琴、愛してる」
 改めて告げられた麻琴は、耳まで赤くし、恥ずかしさのあまり目を伏せた。幸世が麻琴の反応を可愛いと思いながら見ていると、視線を上げた麻琴を目が合う。
「俺も、幸世のこと、愛してる」
 麻琴からの不意打ちの告白に、幸世は胸を打ち抜かれた。ぶわりと昂った気持ちを表すように、幸世は麻琴にちゅっとキスをして、抱きしめる力をぎゅっと強くする。
「麻琴、好き、愛してる」
「俺も」
「ちゃんと言って欲しい」
「何回言わせんねん」
「だって、何回でも聞きたい」
 幸世の甘えたお願いに、麻琴は面倒くさそうにため息を吐くが、その頬は緩んでいる。
「幸世、愛してる」
「もう一回」
「愛してるで、幸世」
「俺も、愛してる、麻琴」
 二人は幸せに微笑みながら見つめ合い、唇を重ねた。角度を変え、何度もキスをし、お互い抱きしめ合う。昨夜あれほど愛し合ったというのに、二人とも身体の熱が高まっていく。
「麻琴、したくなってきた?いい?」
「えぇよ、俺もしたい」
 幸世は麻琴をベッドに押し倒すと、ベッドがぎしりと軋んだ。二人の幸せな時間は、まだまだ続いていく。








 短編のつもりが、がっつり書いてしまいました。最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

 セックスしかしてないように見えるけど、ちゃんとデートもしてる麻琴と幸世です。最近は一緒に映画を観に行きました。でも結局最後はセックスする……。

 まさかの同棲編に続く、かもしれません。

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