流されノンケサラリーマンが年下大学生にとろとろにされる話

えつこ

文字の大きさ
上 下
54 / 77
7.Halloween Night

12 *

しおりを挟む


 幸世は麻琴にちゅっと音を立ててキスをして、自身を抜いた。麻琴の手首から手錠を外し、麻琴をベッドへと仰向けに寝転がせる。手首を軽く振る麻琴に、幸世は顔を顰めた。
「手、痛かった?」
「まぁな。でも大丈夫やから」
「ごめんね」
 幸世は麻琴の手を取り、手首に優しく口づける。まるで王子様がお姫様にするような優しいキスに、麻琴は恥ずかしくなって、手を引っ込める。幸世は首を傾げた。
「そういうの、えぇから」
「なんで?」
「なんか恥ずかしいし、俺じゃなくて、可愛い女の子にやるもんやろ」
 麻琴の照れ隠しの一言に、幸世は思わずむっとする。
「俺は、女の子じゃなくて、麻琴だから優しくしてるの、わかるでしょ」
 幸世は麻琴に覆いかぶさり、麻琴に言い聞かせるように言葉を紡いだ。
「麻琴のこと好きだし、麻琴だから好き」
 今まで色々な人を相手にしてきた幸世だが、おざなりな関係が多かった。胸を張って好きだと言えるのは、麻琴だけだ。偶然身体から始まった関係だが、今では幸世にとって麻琴は、なくてはならない存在になっている。麻琴が寂しがっていたが、本当は幸世の方こそ寂しく、こうして麻琴に会いに来たのだ。仮装をしてセックスすることは確かにしたかったが、それ以上に会う口実でもあった。
「俺も、幸世のこと好きやで」
「そういうことじゃなくて……」
 納得していない幸世に、麻琴は幸世の頬を撫でる。
「そんな寂しそうな顔せんといてや」
「寂しそう?」
「うん。捨てられた犬みたいな顔と目してるで」
 ふふっと笑う麻琴に、幸世もつられて笑いをこぼす。
「幸世、おいで」
 麻琴は幸世に向けて、両腕を広げる。幸世はその腕の中にそっと飛びこむ。麻琴は幸世をぎゅっと抱きしめた。
「ごめんな、寂しくさせて」
麻琴は幸世の背中を優しく撫でた。幸世は麻琴の身体にすり寄る。麻琴の鼓動を近くに感じ、幸世は安心していた。どうしようもなく嬉しくて幸せで、幸世の心はすっかり温かくなる。麻琴には敵わないと思った。
「こんな可愛い幸世見たの、久しぶりやわ」
「可愛くないよ」
「ほら、甘えてえぇから」
「甘えるだけ?」
 幸世は麻琴の腕の中から抜け出し、麻琴に覆いかぶさる。幸世に熱っぽく見下ろされ、麻琴は腹がきゅんと疼く。
「もっとあげるって言ったよね」
 幸世はにやりと笑って、麻琴の足を広げさせる。先ほどまで幸世を咥えていた後孔は濡れそぼり、幸世の精液が垂れていた。幸世は後孔へ自身を宛がい、ぐっと腰を進める。
「っあ……ゆきよっ……」
 幸世自身はどんどん奥へと侵入する。麻琴の内壁は悦んで受け入れ、奥へと誘うように蠢く。奥まで入れ込むと、幸世は腰の動きを止め、熱い息を吐いた。


しおりを挟む
感想 11

あなたにおすすめの小説

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。 そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...