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7.Halloween Night
12 *
しおりを挟む幸世は麻琴にちゅっと音を立ててキスをして、自身を抜いた。麻琴の手首から手錠を外し、麻琴をベッドへと仰向けに寝転がせる。手首を軽く振る麻琴に、幸世は顔を顰めた。
「手、痛かった?」
「まぁな。でも大丈夫やから」
「ごめんね」
幸世は麻琴の手を取り、手首に優しく口づける。まるで王子様がお姫様にするような優しいキスに、麻琴は恥ずかしくなって、手を引っ込める。幸世は首を傾げた。
「そういうの、えぇから」
「なんで?」
「なんか恥ずかしいし、俺じゃなくて、可愛い女の子にやるもんやろ」
麻琴の照れ隠しの一言に、幸世は思わずむっとする。
「俺は、女の子じゃなくて、麻琴だから優しくしてるの、わかるでしょ」
幸世は麻琴に覆いかぶさり、麻琴に言い聞かせるように言葉を紡いだ。
「麻琴のこと好きだし、麻琴だから好き」
今まで色々な人を相手にしてきた幸世だが、おざなりな関係が多かった。胸を張って好きだと言えるのは、麻琴だけだ。偶然身体から始まった関係だが、今では幸世にとって麻琴は、なくてはならない存在になっている。麻琴が寂しがっていたが、本当は幸世の方こそ寂しく、こうして麻琴に会いに来たのだ。仮装をしてセックスすることは確かにしたかったが、それ以上に会う口実でもあった。
「俺も、幸世のこと好きやで」
「そういうことじゃなくて……」
納得していない幸世に、麻琴は幸世の頬を撫でる。
「そんな寂しそうな顔せんといてや」
「寂しそう?」
「うん。捨てられた犬みたいな顔と目してるで」
ふふっと笑う麻琴に、幸世もつられて笑いをこぼす。
「幸世、おいで」
麻琴は幸世に向けて、両腕を広げる。幸世はその腕の中にそっと飛びこむ。麻琴は幸世をぎゅっと抱きしめた。
「ごめんな、寂しくさせて」
麻琴は幸世の背中を優しく撫でた。幸世は麻琴の身体にすり寄る。麻琴の鼓動を近くに感じ、幸世は安心していた。どうしようもなく嬉しくて幸せで、幸世の心はすっかり温かくなる。麻琴には敵わないと思った。
「こんな可愛い幸世見たの、久しぶりやわ」
「可愛くないよ」
「ほら、甘えてえぇから」
「甘えるだけ?」
幸世は麻琴の腕の中から抜け出し、麻琴に覆いかぶさる。幸世に熱っぽく見下ろされ、麻琴は腹がきゅんと疼く。
「もっとあげるって言ったよね」
幸世はにやりと笑って、麻琴の足を広げさせる。先ほどまで幸世を咥えていた後孔は濡れそぼり、幸世の精液が垂れていた。幸世は後孔へ自身を宛がい、ぐっと腰を進める。
「っあ……ゆきよっ……」
幸世自身はどんどん奥へと侵入する。麻琴の内壁は悦んで受け入れ、奥へと誘うように蠢く。奥まで入れ込むと、幸世は腰の動きを止め、熱い息を吐いた。
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