上 下
24 / 77
4.よんかいめ

6 *

しおりを挟む


「麻琴、挿れるよ」
 キヨは再度性器を宛がう。熱い性器が後孔に触れ、麻琴は唾を飲みこんだ。ゆっくりと亀頭が中に入ってくる感覚に、麻琴は深呼吸を繰り返して、身体の力を抜く。久しぶりに受け入れるキヨの性器はやはり大きく、指とは比べものにならない。
「苦しい?大丈夫?」
「大丈夫、やから」
 麻琴ははふはふと息をしながら答える。キヨは麻琴を気遣いながら腰を進めた。解したとは言え、きゅうきゅうと肉壁にきつく締めつけられ、キヨは眉間に皺を寄せる。
「あっ……、っ……」
 腹の中の圧迫感が大きくなり、麻琴は縋るようにシーツを掴んだ。最初は苦しさがあったが、徐々に圧迫感が快感へと変換されていく。満たされていく内側に、麻琴の奥はどうしようもなく切なくなった。
 キヨは麻琴の表情が甘く溶けていくのを見逃さなかった。内壁はキヨ自身を奥へと誘うように蠢く。その動きに逆らわず、キヨは性器を奥へと突き入れる。キヨ自身の先端がとんっと麻琴の奥へと当たった。
「んっ、……あっ……」
 その瞬間、麻琴の視界はちかちかと光が飛び、絶頂を迎える。全身を走り抜ける快感に、麻琴は背中を反らせて悶えた。
「っ、…あれ、俺、っ……」
 はっはっと浅い呼吸を繰り返した麻琴は、自分が達したことが信じられず、絶頂の余韻に戸惑う。皮膚がちりりと熱く、思考は熱っぽく霞む。快感だけでなく、幸せすら感じるのは、キヨのことが好きだと自覚してしまったからだと麻琴は思った。好きな人とセックスしている現状に、麻琴は頭の中が沸騰するように熱くなった。一度引いた快感の余韻が、再び大きくなり、ゆるい絶頂が続く感覚に、麻琴は逃げたくなったが、後孔はみっちりとキヨ自身を咥えこんでいる。
「待って、っ、なんか、へん…」
「っ、麻琴、あんまり締めないで」
 断続的に締め上げる麻琴の内壁に、キヨは熱い息を吐く。腰を動かしたい欲望をどうにか抑え、麻琴の表情を伺う。麻琴の上気した頬と潤んだ瞳、汗ばんだ肌が艶やかで、キヨはごくりと喉を鳴らした。
「麻琴」
 キヨは優しく呼びかけ、混乱する麻琴の頬に手を添える。それすら刺激になり、麻琴は小さく喘いだ。
「大丈夫、ゆっくり呼吸して」
 麻琴はキヨの言う通りに、呼吸を繰り返す。麻琴の胸板が小さく上下し、徐々に表情が和らいでいく。同時に、熱く柔らかい肉壁が絡みつき、キヨ自身に馴染んでいく。キヨは頬を撫でていた手を頭に移動させ、よしよしと頭を撫でた。
「いい子だね」
 突然キヨに褒められ、麻琴は不思議そうにぱちぱちとまばたきした。
「俺のちんこの形覚えてて、おかえりって咥えてくれてる」
 キヨの言葉は下世話だが、麻琴は妙に嬉しくなった。それを表すように、表情はふにゃりと緩み、中はきゅうっと締まる。
「俺、いい子?」
「うん、いい子だから、今日はいっぱいセックスしようね」
 野獣のような熱いキヨの視線に見下ろされ、麻琴の瞳は期待で揺れる。いつものようにセックスするだけなのに、好きという感情が加わり、麻琴の鼓動はいつもよりドキドキと跳ねていた。それを悟られないように、麻琴は表情を取り繕うが、キヨが抽挿を始めると、そんな余裕はすぐになくなってしまう。
「っ、あっ、あ、んんっ」
「久しぶりの麻琴の中、すっごく気持ちいい」
「俺も、っあ、きもち、いいっ……」
 待ちわびたセックスに、二人はすぐに夢中になる。キヨは麻琴の膝裏に手を差し入れ、ぐっと持ち上げた。後孔が見える体勢が恥ずかしいのに、それすら麻琴の快感を増長させるものとなる。
「あっ、キヨ、いいっ、っあ、あ」
 キヨは腰の動きを速くする。皮膚同士がぱんぱんと当たり、ローションがぐちゅぐちゅと水音を奏でる。奥をごりごりと抉られるのも、前立腺を圧し潰されるのも、両方とも気持ちよく、麻琴は嬌声を上げた。
「あっ、んぁっ、いいっ、もっとほしっ、あっ」
「どこがいいの?」
「ぜんぶっ、おくも、ぜんりつ、せんもっ」
「ほんと可愛い」
 快感に蕩ける麻琴に、キヨは追い打ちをかけるように抽挿を繰り返す。麻琴自身は腰を打ちつけられるたびに揺れ、だらだらと先走りを流していた。
「あかん、もう、イくっ、っ、あっ」
「ね、麻琴、誰のちんこでイかされるの?」
 キヨは腰の動きは緩めず、綺麗に微笑みながら尋ねた。いつ見てもイケメンだと麻琴はぼんやりと思いながら答える。
「キヨのっ、あっ、キヨのちんこで、イくっ」
「うん、俺以外のちんこ咥えないでね」
「わかってる、からぁ、あっ、イく、っ、イくっ」
 ごちゅんと奥に突き入れられ、麻琴は後ろで達した。麻琴の足先が空を蹴り、びくびくと身体が震える。キヨは麻琴の足を降ろし、腰を掴んで抽挿を続ける。
「待って、ああっ、キヨ、あっ、あかんって」
「こっちも触ってあげる」
 キヨは完勃ちした麻琴自身を扱く。絶頂の余韻と後孔での快感、そして性器への刺激に、麻琴は頭が飛ぶように真っ白になる。飲みこめなかった唾液が、麻琴の口から垂れた。
「ひぁっ、きもちいっ、あっ、んぁっ、ああっ」
「イくから、受け止めて」
「あっ、イく、ああっ、あ、ん、あああっ」
 麻琴は一際甲高い声で喘ぎ、キヨの手に射精すると同時に、中イキする。麻琴の中に搾り取られる感覚に浸りながら、キヨはゴムの中に射精した。キヨは精液を出しきるように、ゆるゆると腰を動かす。




しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。 そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。 でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。 けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。 同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。 そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

隣の親父

むちむちボディ
BL
隣に住んでいる中年親父との出来事です。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

処理中です...