17 / 77
3.さんかいめ
5 *
しおりを挟む「あっ、あ、あ、きもち、いいっ」
「麻琴とセックスできて嬉しい」
「俺もっ、っ、嬉しい」
麻琴は嬉しそうに目を細めた。麻琴の言葉や表情にキュンとしたキヨは、お返しとばかりに腰の動きを速くする。
「っあ、あ、そこ、いいっ、ああっ」
キヨが前立腺を重点的に突くと、麻琴は甘い声を出し、性器からびゅくびゅくと精液混じりの先走りを流す。そして、奥をとんとんと小刻みに突くと、きゅっきゅっと麻琴の肉壁が蠢いた。
「おく、っ、ああっ、とんとんって、あかん」
麻琴は奥の、さらに奥に挿れられることに、本能的に身体を震わせる。キヨはその反応がおもしろく、口角を上げた。
「この奥に挿れたら、もっと気持ちいいんだって」
「そんなん、むりっ、っあ、もっ、はいらんって」
言葉では否定している麻琴だが、これ以上の快感を想像して、瞳が揺らぐ。キヨはそれを見逃さない。キヨはぐぐっと体重をかけて、奥の壁を押す。麻琴は奥を抉られる感覚に、目を見開く。
「怖い?」
キヨが尋ねると、麻琴は強張った表情で首を縦に振る。まるで小動物が震えるようで、キヨは胸が痛んだ。情が移ってしまい、余計に無理強いできなくなってしまったと、キヨは諦めることにする。
「怖がらせてごめんね。もうしないから」
キヨが腰を引くと、麻琴はほっと息を吐いた。キヨに頭を撫でられ、麻琴は心地よさそうに表情を和らげる。表情の変化に、キヨは安堵していると、麻琴がキヨの手を掴む。麻琴は愛おしむようにキヨの手に口づけした。
「今は怖いけど、また今度、キヨやったらええよ」
麻琴の言葉は、キヨなら危ないことはしないだろうという信頼の証だった。思わぬ出会いから身体の関係を持ち、今日三回目のセックスをして、麻琴の中のキヨに対する警戒心はすっかりなくなっていた。
キヨは驚いてぽかんと口を開けた。じわじわと理解が追い付き、顔を赤くする。麻琴にはそんな気はないが、告白まがいの言葉が嬉しくてにやけてしまう。麻琴という沼に、完全にハマってしまった瞬間だった。ちょっとしたストレス解消のつもりだったのに、いつの間にか麻琴に夢中になっている。
「キヨ?」
麻琴は黙ってしまったキヨを心配した。拒否したから呆れられたのだろうかと、不安がよぎる。しかし、中で大きくなったキヨ自身を感じ、杞憂だとわかった。
「なんで大きくしてんねん」
「麻琴が可愛いこと言ってくれたから」
心当たりのない麻琴は首を傾げた。麻琴のこういうところが可愛いとキヨはにっこり笑って、腰をゆらりと揺らした。セックスの再開を察し、麻琴は鼓動が跳ねる。
「細かいことは気にしないで、セックスしよ」
キヨはゆっくりと抽挿を再開する。亀頭で前立腺を捏ね、浅いストロークを繰り返す。
「あっ、キヨ、っ…いいっ、ん、あっ」
麻琴は背中を反らせ、シーツを逆手に掴む。突きだされた胸の突起に、キヨが舌を這わせると、麻琴はびくりと身体を揺らした。麻琴が胸元に視線をやると、キヨは見せつけるように乳首を舐める。
「あとでしてあげるって言ったから」
キヨは腰の動きは止めず、乳首を唇で食み、じゅっと吸うと、麻琴は吐息混じりで喘いだ。もう片方も同じようにして、最後に甘噛みをする。弾力のある乳首はキヨの歯を押し返す。突然の痛みに、麻琴は声を発する。
「嚙むの、あかんっ」
「痛い?」
「わからん、っ、じんじんって、する」
キヨは噛んだ乳首を、次は優しく舐める。舌を尖らせて先端を弄り、ふっと息を吹きかけ、再び甘噛みをした。
「んんっ、あっ、っ」
強弱をつけた刺激に、麻琴は翻弄される。先ほどは直接触ってもらえずもどかしかったが、今は刺激が強すぎた。麻琴の乳首は、ぷっくりと主張し、てらてらと唾液で光る。ただの器官の一つだと思っていた乳首が、性感帯に変えられていく。胸から熱が広がっていく感覚に、麻琴は戸惑いながらも、快感を享受する。
「かたっぽだけ、すんのっ、あ、いやや」
弄ってもらえない片方の乳首が寂しくて、麻琴は強請る。キヨはふっと笑って、もう片方の乳首をしゃぶった。先ほどまでしゃぶっていた乳首は、今度は指でこりこりと摘み、ピンッと弾いた。
「ちく、び、あっ、きもち、いいっ」
「乳首で感じちゃって、女の子みたい」
「ちゃう、そんなん、言うなや」
麻琴は羞恥で顔を赤くし、肉壁がきゅうっと締まる。潤む瞳でキヨを見上げ「いじわる」と一言吐いた。
「ほんと、可愛い、ごめんね」
キヨの感情はかき乱される。優しくしたい気持ちを壊したい気持ちがせめぎ合い、募る射精感も相まって、思考が熱くなる。キヨは麻琴の腰を持ち、ぎりぎりまで抜いて、一気に突き入れた。優しいストロークが急に激しいものに変わり、麻琴の口から嬌声が飛びだす。
「ひぁっ、あっ、キヨ、まって」
「麻琴、一緒にイこ」
「うん、あっ、んっ、っはぁ」
麻琴の中は、柔らかく熱く、キヨ自身を締めあげる。キヨは勢いよく腰を叩きつけ、たんたんと肌同士が当たり、掻き出されたローションがシーツを汚す。
「きもち、いっ、っあ、あかん、イく、んんっ」
「俺もっ」
「んぁっ、イくっ、あっ、あ、っああ!」
麻琴はびくんと身体を震わせ、精液を吐き出した。キヨも数度抽挿した後、ゴムの中に射精する。ようやく射精できたキヨは、目を細め、荒い呼吸を整えながら射精の余韻に浸った。その様子は、次の獲物を狙い、息荒くしている肉食獣のようで、麻琴は肌がひりついた。
81
お気に入りに追加
507
あなたにおすすめの小説



久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる