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3.さんかいめ
3 *
しおりを挟む「っひ、これ、っ、やばい」
いわゆる素股に、麻琴はびくびくと身体を震わせ、快感に浸る。今まで女性相手に素股をしたことはあったが、自分がされる側になるとは想像もしていなかった。疑似セックスのような行為に、麻琴は夢中になる。
「ちんこの裏、こすれてっ、っ、いいっ」
ぱちゅぱちゅと腰が叩きつけられ、麻琴は嬌声を漏らす。麻琴自身は完全に勃ちあがり、先走りを零していた。キヨ自身も同じで、射精に向けて腰の動きを速くする。同時に、ワイシャツの上から、麻琴の胸の突起に触れた。シャツ越しのじれったい刺激に、麻琴はふっと息を吐く。
「そこ、くすぐったいって」
「気持ちいい、でしょ? 」
キヨは暗示のように、麻琴の耳に言葉を吹き込む。腰の動きに合わせて、突起の周囲を撫でたり、指で摘まんだりすると、麻琴の脳内で快感と結びついていく。くすぐったいだけだったはずが、だんだん気持ちよくなり、もっととねだるように麻琴は胸を突きだした。
「乳首、気持ちいい?」
「うん、気持ちっ、いい」
「あとで、舐めたり、噛んだりしてあげる」
「っ、あ…っ…」
直接的な刺激を想像して、麻琴自身がこぷりと先走りを吐いた。腹の奥がきゅんと切なくなる。麻琴の後孔は欲しがるようにひくひくとしていた。
「あっ、っはぁ、イキそっ……」
麻琴が声をもらした瞬間、トイレのドアが開く音がした。
二人は動きを止め、個室の外の様子を伺う。麻琴は口を手で覆い、息を潜めていたが、射精寸前で止められて、気が狂いそうだった。
「高坂?大丈夫か?」
声の主は野中だった。トイレに行った麻琴がなかなか戻ってこないため、様子を見に来たのだ。ドアが閉まっている個室に気づき、軽くノックする。麻琴とキヨは視線を交わした後、麻琴は意を決して返事をした。
「大丈夫、です」
麻琴の声は少し震えていた。それに気づいた野中は、怪訝そうに尋ねる。
「飲みすぎたか?」
「いえ、そういうわけじゃ……」
「気分悪いのか?」
「ほんとに、大丈夫です」
麻琴は息も絶え絶えに返事をする。射精することしか考えられず、野中には悪いが、早く出ていって欲しかった。
「水持ってこようか?」
「いえ、っん、……いらないです」
返事の途中で麻琴の声が跳ねたのは、キヨのせいだった。
キヨは麻琴の右の乳首を撫で、左は爪をたてながら、麻琴の耳介を優しく食む。麻琴は顔だけで振り返り、やめろと言う意味をこめて、キヨを睨みつけた。しかし、キヨは楽しそうに口角をあげるだけで、行為をやめようとしない。麻琴は声を我慢して、野中の様子に耳を立てる。じれったい刺激に麻琴の腰は自然と揺れた。
「すぐ戻るんで、心配かけて、っ、すいません」
「やばかったら早く言えよ」
「ありがとうございます」
野中は麻琴が心配だが、どうすることもできず、ため息をついてトイレから出ていった。トイレの中が静かになると、二人は安堵の息を吐いた。
「何してんねん」
麻琴は文句を言ったが、キヨは取り合わず、腰の動きを再開する。同時に、快感を教え込むために胸の突起を弄んだ。
「話、っ、聞け、って……」
先ほど射精を寸止めされた麻琴は、限界が近かった。再び迫り上がってくる射精感に、思考が熱くなる。
「あっ、っ、あ、イくっ……」
麻琴は我慢できずに精液を吐き出す。キヨもほぼ同時に達し、二人分の精液が、洋式便器や床に落ちた。キヨは力が抜けた麻琴の身体をうけとめて、優しく抱きしめた。
「麻琴、この後、いい?」
キヨは息を整えながら尋ねた。お遊びのような行為では足りるはずがなく、麻琴とセックスしたくてたまらない。麻琴は射精の余韻に浸りながら振り返る。その瞳は物欲しげにキヨを映していた。
ラブホテルの部屋に着いた途端、二人は抱きしめ合ってキスを交わす。麻琴はコートやスーツのジャケット、ネクタイを、キヨはモッズコートを脱ぎ去り、床に落とした。
居酒屋のトイレから出た二人は、それぞれの飲み会に戻った。
麻琴の部署の忘年会は時間通りにすんなりと終わり、希望者のみが二次会へ行く流れになった。いつもなら二次会に行く麻琴だが、野中に心配され、早く帰れと促された。麻琴にとっては都合がよく、その場を足早に去った。
キヨはようやくたどり着いた個室に戻ると、金だけ置いて、飲み会を後にした。飲み会はまだ続いていたが、誰もキヨを止める者はいなかった。結局騒げれば何でもいい連中なのだとキヨは逆に清々していた。
連絡を取り合い、再び合流した二人は、適当なラブホテルへと入った。先ほどの行為の熱は冷めやらず、部屋に入った途端にもつれるようにベッドに倒れこんだ。いつもなら先にシャワーを浴びるが、二人にそんな余裕はなかった。
キヨは麻琴にキスをしながら、ワイシャツのボタンを外し、スラックスと下着を取り去った。麻琴自身はすでに硬度を取り戻し、先走りで濡れていた。
「あっつ……」
キヨは言葉を吐き捨てる。外は寒かったが、興奮と室内の暖房も相まって、キヨはじんわりと汗ばんでいた。ハイネックのニットとインナーを脱ぐと、鍛えられた上半身が露わになった。麻琴はその綺麗さに見惚れ、腹筋に続く下半身に視線を移動させた。今は見えないキヨの性器を想像して、麻琴はごくりと唾を飲む。
麻琴はベッドから起き上がり、逆にキヨに乗りかかる。突然の行為にキヨは驚きながら「なに?」と尋ねた。
「舐めていい?」
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